地味ながらうれしいのは、USB接続によるモデム利用が可能なこと。L-03Eは通常はWi-Fi経由で接続するが、無線LANが混雑しているなどの理由で通信が安定しない場合は、PCとUSB接続してモデムとして使えるので、Wi-Fi接続と比べて安定し、かつパフォーマンスの高い通信が可能になる。
USBモデムとして使える一方で、惜しいのがMac OSに対応しない点。そもそもWi-Fi接続が基本の製品なので、Mac OSに対応していなくても致命的な影響はないが、せっかく対応した機能が環境によっては利用できないのは残念だ。この点はソフトウェアアップデートなどで改善されることを望みたい。
L-03Eは大容量バッテリーと相性の良い「スマートフォンへの給電機能」にも対応している。従来、モバイルWi-Fiルーターの通信が切れたときのためにeneloopなどのモバイルバッテリーを携行する必要があったが、モバイルWi-Fiルーターからの給電機能のおかげで、逆にモバイルバッテリーを持ち運ぶ必要がなくなる。
また、給電機能を搭載したモバイルWi-Fiルーターは他社からも登場しているが、L-03Eでは通信を有効にしながら給電することもできる。同梱されている専用のUSBケーブルを接続すると、通信を無効にして給電するか、給電しながら通信を有効にするかのメニューが表示される。
L-03EはドコモのモバイルWi-Fiルーターとしては初めてGSM方式にも対応しており、海外でも手軽に利用できる(ただしLTEのローミングには対応しない)。SIMロックの解除もできる(手数料3150円が必要)ので、海外で現地のSIMを使えば、従来のXi対応モバイルWi-Fiルーターよりも幅広いエリアで通信できる。なお、ドコモショップ店頭で即日SIMロック解除が完了するスマートフォンやiモード端末と異なり、L-03EのSIMロック解除には、本体を預けてから1週間ほどかかるので注意したい。
SIMロックを解除できるドコモのデータ端末と、もともとSIMロックフリーで販売されているイー・モバイルのデータ端末以外は、(SIMロックを解除できないので)海外で現地のプリペイドSIMを挿して使うことはできない。他社のLTE対応モバイルWi-Fiルーターも、ぜひSIMロック解除に対応してほしいところだ。
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