ソニーモバイルコミュニケーションズが投入するスマートフォン「Xperia Z2 SO-03F」と「Xperia ZL2 SOL25」は、カメラ機能の進化がトピックの1つ。暗い場所やズーム利用時などでもきれいに撮影できる有効約2070万画素CMOSセンサー、F2.0に広角27ミリの「Gレンズ」、ソニー独自の画像処理エンジン「BIONZ for mobile」を継承しつつ、動画撮影機能が向上し、新しい静止画撮影機能が追加された。
カメラ機能におけるXperia Z2とZL2の差は、インカメラの画素数(Z2が有効約220万画素、ZL2が有効約31万画素)だけなので、ここではZ2とZL2共通の新機能をまとめて紹介したい。
撮影時のUI(ユーザーインタフェース)はXperia Z1を継承しており、(横表示中に)画面右下のアイコンをタップすると、撮影メニューが表示される。ここに後述する「4K ビデオ」「タイムシフトビデオ」「背景ぼかし」などの新機能が追加されている。Xperia Z2/ZL2では最長6秒の動画を作成してシェアできるSNS「Vine」アプリがプリセットされた。「+アプリ」からほかのカメラアプリを追加することも可能だ。
まず注目したいのが動画撮影機能。Xperia Z2/ZL2では、従来のフルHD(1080×1920ピクセル)よりもさらに高精細な4K(2160×3840ピクセル)サイズの動画が撮影できるようになった。4K動画の撮影中にも電子式手ブレ補正が働いてブレを抑えてくれる。
ただしXperia Z2/ZL2のディスプレイ解像度は1080×1920ピクセルなので、スマホ上でそのまま再生しただけでは4Kの美しさは堪能できない。そこで活用したいのが、再生中の動画をピンチアウトで拡大できる機能。2倍ズームをしてもフルHDの解像度で視聴できるというわけだ。
さらに、Xperia Z2/ZL2と4K対応テレビ(BRAVIAなど)をMHL3.0対応ケーブルで接続すれば、4K動画をテレビに出力することもできる。
「タイムシフトビデオ」は、120fpsで撮影した動画の中から、スローモーションで再生したい場所を指定できる機能。iPhone 5sの「スローモーション」動画と同様の機能だ。子どもやペット、スポーツの1シーンなど、動きの大きなものを撮影するときに使うと楽しそうだ。
従来から利用できた「ピクチャーエフェクト」は、動画でも利用できるようになり、「クリエイティブエフェクト」という名前に変更された。撮影効果はピクチャーエフェクトの9種類から18種類に増え、「オールドフィルム」「残像」「ミニチュア」「コミック」「モザイク」などが新たに利用可能になっている。効果の選択画面は、従来は1画面に9つの効果がサムネイルで表示されるが、Xperia Z2/ZL2では左側に撮影画面、右側に4つの効果がサムネイル表示される形に変更された。
被写体に合わせて、幼生や恐竜などの動くエフェクトがリアルタイムに表れる「ARエフェクト」は、Xperia Z2/ZL2では動画でも利用可能になったほか、効果音が加わった。
一眼レフで撮ったかのようなボケ味のある写真を撮影できる機能が「背景ぼかし」だ。強調したい被写体をタップして撮影した後に、背景のぼかし具合を調節できる。ぼかしの効果は3種類から選べ、個別にぼかし具合の調節が可能だ。
撮影環境に合わせて自動で最適な設定を選んで撮影できる「プレミアムおまかせオート」も改善された。Xperia Z2/ZL2では、暗い場所でさらにノイズを軽減できるようになったほか、解像感や色合いも向上しているという。
ホワイトバランスのかけ方も改善し、料理の写真もおいしく撮れるようになっているという。実際にXperia Z1で撮り比べたところ、青みがかった写りになっているXperia Z1に対して、Xperia Z2/ZL2ではやや赤みが強調されていることが分かった。確かにこれなら料理もおいしく撮れそうだ。ただ、撮影モードをマニュアルにしてシーンセレクションで「料理」を選べば、料理に適した一枚を撮れるが、プレミアムおまかせオートに「料理」のシーンが含まれていないのは、少々不思議な感もある。
上記の画質については、au発表会のXperia ZL2のタッチ&トライにて確認したところ、Xperia Z1でも後日アップデートで改善される予定とのこと(ドコモ向けXperia Z1については確認中)なので、既存ユーザーには朗報だろう。
Xperia Z1 SO-01F/Xperia Z1 f SO-02Fからのちょっとした変更点をもう1つ。SO-01FとSO-02Fは、カメラのフォーカスロックとシャッターの音が大きいが、Xperia Z2 SO-03Fではやや控えめな音量に変更されている。これを改善ととらえるかは人によるだろうが、静かな飲食店で料理を撮影するときに、「ピピッ!」という異様に大きいなフォーカス音が鳴り響き、よく気まずい思いをした筆者のような人には、うれしい変更点ではないだろうか。
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