NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの夏商戦向けの新モデルが出そろった。新たに発表された携帯電話やタブレットの新機種はドコモが11機種、auが8機種、ソフトバンクが2機種だ(2014年5月26日時点)。2014年夏モデルは例年よりも機種数が絞られているとはいえ、3キャリア合わせると21機種に及ぶ。どれを選ぶべきか迷ってしまう人も多いと思うので、発表されている情報をもとに、目的別にオススメ機種をピックアップしたい。
なお、カメラやバッテリーなど、実際の性能については後日詳しくレビューを行う予定なのでご期待いただきたい。
ドコモの加藤薫社長は、5月14日の発表会で「オススメは全部」と話していたが、機能で選ぶのなら、スマホは「Xperia Z2 SO-03F」「GALAXY S5 SC-04F」「AQUOS ZETA SH-04F」「ARROWS NX F-05F」の4機種をオススメしたい。これらの機種は、LTEの通信網を使った高品質な通話サービス「VoLTE」に対応しているためだ。「Xperia A2 SO-04F」と「Disney Mobile on docomo SH-05F」は2013年冬モデルがベースになっていることもあり、VoLTEは利用できない。
なお、タブレットの「Xperia Z2 Tablet SO-05F」「AQUOS PAD SH-06F」もVoLTEに対応しているので、10型か7型という画面サイズが大きな判断材料になりそうだ。
KDDIは夏モデルから、2つの周波数帯を重ねて下り最大150Mbpsの通信を実現する「キャリアアグリゲーション」と、UQコミュニケーションズが提供する下り最大110Mbpsの「WiMAX 2+」が利用可能になる。これら2つの通信サービスに対応しているのは「isai FL LGL24」「Xperia ZL2 SOL25」「GALAXY S5 SCL23」「AQUOS SERIE SHL25」「URBANO L03」「Xperia Z2 Tablet SOT21」。高速通信を利用したければ、まずこれら6機種の中から選ぶことになるだろう。
夜景や薄暗い場所での撮影が多い人は、ノイズ軽減に優れている「Xperia Z1」(→ドコモおすすめ3機種レビュー(後編)――バッテリー、カメラ、CPUの性能を比較する)をベースに、さらに画質をブラッシュアップさせた「Xperia Z2 SO-03F」と「Xperia ZL2 SOL25」を推したい。富士通の「ARROWS NX F-05F」も、Xperia Z1/Z2と同様に有効約2070万画素のCMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載しているので、暗い場所での画質アップが期待できる。
プロのような上手な写真を撮りたいという人は、「フレーミングアドバイザー」で被写体ごとに最適な構図を提案してくれる、シャープの「AQUOS ZETA SH-04F」「AQUOS SERIE SHL25」「AQUOS Xx 304SH」をオススメしたい。
シャッターチャンスを逃さず素早く撮影したいという人は、約0.3秒の高速オートフォーカスが可能な「GALAXY S5 SC-04F」をオススメしたい。
ドコモの夏モデルで最長の実使用時間(約101.7時間)を実現したAQUOS ZETAをはじめ、AQUOS ZETAと同じく省電力性に優れた「IGZO」をディスプレイに搭載したAQUOS SERIEとAQUOS Xxも満足できるはずだ。
なお、ドコモの新機種ではほかにARROWS NX、Xperia Z2、Disney Mobile on docomoも実使用時間で3日以上持つことが確認されている(Xperia A2、らくらくスマートフォン3、タブレット2機種は未定)(→ドコモ夏モデルの“実使用時間”はどれくらい?)。auの夏モデルも、KDDI調べでは8機種とも3日以上バッテリーが持つという。ソフトバンクのAQUOS Xxも、シャープ調べで3日以上持つことが確認されている。測定基準はそれぞれで異なるが、これらの機種を選んでおけば、バッテリーで不満を持つことは少ないだろう。
文字入力のしやすさなら、富士通が「スマホ史上最高」とうたう「Super ATOK ULTIAS」を搭載するARROWS NX F-05Fをオススメしたい。PC版ATOKと同等のエンジンを搭載しており、予測や変換の精度が高いのが特徴だ。旬なキーワードを毎週無料で辞書に自動追加してくれる「キーワードExpress」、郵便番号からの住所変換、各地方の方言辞書、誤変換の補正、最大100文字の単語登録など、「スマホでここまでやるか」といえるほど機能を充実させた。
スマートフォン夏モデルのディスプレイ解像度はフルHD(1080×1920ピクセル)が大半だが、auの「isai FL LGL24」のみ、WQHD(2560×1440ピクセル)というさらに高解像度なディスプレイを搭載している。4K動画や高解像度の写真を堪能したければ選択肢に入れておきたい。
より美しい画質で写真や動画を楽しみたければ、赤を鮮やかに表現するバックライト「PureLED」を搭載するシャープのAQUOS ZETA/SERIE/Xxと、赤と緑の色域を広げた「Live Color LED」を搭載するXperia Z2/ZL2がオススメだ。
屋外での見やすさを重視するなら、最大1000カンデラもの輝度を実現するARROWS NXを選びたい。
京セラ製の「TORQUE G01」は、防水や防塵はもちろん、米軍の物資調達規格「MIL-STD-810G」に準拠した耐久性の高さがウリだ。仕事やアウトドアでハードに使う人は注目しておきたい。
全体的に5型以上の大きなスマートフォンが目立った夏モデル。中でも小型なのは、4.3型ディスプレイを搭載して幅65ミリを実現したドコモの「Xperia A2 SO-04F」だ。春モデルまでさかのぼれば、4.5型ディスプレイながら狭額縁設計によって幅を63ミリまで狭めた「AQUOS PHONE SERIE mini SHL24」と「AQUOS PHONE Xx mini 303SH」も選択肢に入れたい。
年々フィーチャーフォン(従来のケータイ)はリリース数が減っているが、ドコモは富士通製の「F-07F」とシャープ製の「SH-07F」を発表した。中でもF-07Fは、3.3型のフルワイドVGA液晶、有効約1310万画素の裏面照射型CMOSセンサー、1000mAhのバッテリー、テザリング、FMトランスミッター、ワンセグ、防水、Bluetoothなど、多彩な機能を備える。指紋センサーがないのは残念だが、ケータイでも機能を妥協したくない人に勧められる。
夏モデルは一通り出そろった形になったが、未発表のモデルもある。その1つが、KDDIの田中孝司社長が予告したHTC Jシリーズの新モデル。発売時期は「少し遅れるが、乞うご期待」とのことなので、8〜9月の登場が予想される。
ヤフーのイー・アクセス子会社化は中止となったが、予定どおりイー・アクセスとウィルコムは合併し、新会社「ワイモバイル」となる見通し。ワイモバイルの詳細は現時点では明かされておらず、近々新端末が発表されるだろう。イー・アクセスに端末を供給しているHuaweiのモデルがワイモバイルでも登場するかもしれない。
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