NTTドコモが、直近3日間で1Gバイトを超えて通信した際に速度を制限する場合があるルールを撤廃したこと(→ドコモ、“直近3日間で1Gバイトの速度制限”を撤廃――他キャリアのルールは?)が話題を集めているが、MVNOはどんなルールを設けているのだろうか。MVNOの場合、プランにもよるが、「直近3日間で366Mバイト」を条件にしているところが多い。例えば月2Gバイトのプランを契約していても、3日で366Mバイトを超えて通信すると、翌1日の速度を制限されることがある。毎月利用できるデータ通信量(ここでは2Gバイト)を超えていなくても、速度を落とされてしまうことがあるので注意したい。
また、3日間の合計通信量が規定の量(366Mバイトなど)を超えた際に当日か翌日に通信速度を制限するケースでは、制限される期間は1日や当日23時59分まででは済まない場合もある。例えば翌日制限されるルールでは、1月15日だけで366Mバイトを超えて通信した場合、16日が制限されるのに加え、14〜16日の3日間でも366Mバイトを超えているので、17日も制限されてしまう。あくまで3日間の期間で判定されるので、1日に大量に通信しないよう注意したい。
各社の状況を調べていくうちに、さまざまなケースがあることが分かった。主に「3日間の制限を設けていない」「低速通信のみ設けている」「3日の容量を超えると確実に制限する」「制限する場合がある」「条件は公表していないが制限する場合がある」の5つだ。月の容量は超えていないのに、速度が低下してしまった――という事態に陥らないためにも、事前に把握しておきたい。
ここでは、主なMVNOの速度制限ルールをまとめた。調査内容は2015年1月15日時点のもの。
データ通信が使い放題または月3Gバイトの「b-mobile SIM 高速定額」と、月7Gバイト〜8Gバイトの「Platinum SIM」は、3日間の速度制限は行っていない。
どのプランも、直近3日間の速度制限は行っていない。200kbpsの低速通信時の制限も行っていない。
3Mbps通信が使い放題の「定額無制限プラン」を含め、どのプランも直近3日間の速度制限は行っていない。その他プランの低速(200kbps)通信時にも制限していない。
どのプランも、直近3日間の速度制限は行っていない。300kbpsの低速通信時の制限も行っていない。
月間の通信容量を超過した場合は、月末まで128kbpsに制限されるが、直近3日間の速度制限は行っていない。
2015年1月までは、直近3日間の合計通信量が500Mバイトを超えると、翌日13時から24時間、通信速度を最大200kbpsに制限していたが、2月からはこの規制を撤廃する。KDDIは3日間の規制を実施しているだけに、うれしい措置だといえる。
月10Gバイトの「Platinum Data SIM」は、高速通信時には速度制限を課していないが、低速通信時に3日の合計通信量が1Gバイトを超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
下り最大150Mbpsの通信ができる「クーポン」を利用しているときは直近3日間の速度制限はかからないが、クーポンを利用していない200kbps通信時には、直近3日間の通信量が300万パケット相当(366Mバイト)を超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
下り最大150Mbpsの通信時には直近3日間の速度制限はかからないが、200kbps通信時には、直近3日間の通信量が300万パケット相当(366Mバイト)を超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
下り最大150Mbpsの通信時には、直近3日間の速度制限は行っていないが、200kbps通信時には、直近3日間の通信量が300万パケット相当(約366Mバイト)を超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
月1Gバイト〜7Gバイトの「スマホ電話SIM フリーData」と、月7Gバイトの「b-mobile X SIM」の「プランFlat」は、直近3日間の通信量が1Gバイトを超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
「b-mobile X SIM」の「プランI、N、B」と、「PairGB SIM」「基本料0円SIM」「アマゾン限定 高速定額、b-mobile 3GB定額」は、直近3日間の通信量が合計300万パケット相当(約366Mバイト)を超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
月2Gバイトの「エントリープラン」は、直近72時間で360Mバイト、月5Gバイトの「ライトSプラン」は直近72時間で合計600Mバイト、月8Gバイトの「ライトMプラン」と月10Gバイトの「スタンダードプラン」は直近72時間で合計1Gバイトを超えると、その後1時間以上、速度を制限する場合がある(ビッグローブは1〜2時間ごとを目安に72時間あたりの容量をチェックしているとのこと)。また、200kbpsの通信時も同様に制限される場合がある。
直近3日間の通信量が合計300万パケット相当(約366Mバイト)を超えると、翌日24時間、速度を制限する場合がある。
直近3日間の通信量が合計100Mバイトを超えると、当日の23時59分まで、速度が200kbpsに制限される。
300kbpsの「フリーデータコース」と、月4Gバイトの「マンスリーコース」は、直近3日間の通信量が合計366Mバイトを超えると、翌日24時間、100kbpsに制限する場合がある。1日70Mバイトの「デイリーコース」は、1日70Mバイト以外の制限はない。
直近3日間の合計通信量が1Gバイトを超えると、翌日13時から24時間、通信速度を制限する場合がある。
直近3日間の合計通信量が「ライト」「ハイスピードV」「ハイスピード」「+Talk」は500Mバイト、「ハイスピードM」「+Talk S2」「+Talk S2 (E)プラン」は360Mバイトを超えると、当日の通信速度を制限する。制限は翌深夜〜朝方に解除される。
直近3日の合計通信量が2.1GBプランは360Mバイト、4GBプラは800Mバイト、7GBプランは1.2Gバイトを超えると、当日の23時59分まで、通信速度を200kbpsに制限する。
楽天ブロードバンドは、高速と低速それぞれ3日間の制限を設けており、2段階で制限する形にしている。
高速通信は、直近3日の合計通信量が、月2.1Gバイトの「エントリープラスプラン」「エントリープラス SMSプラン」が400Mバイト、月5Gバイトの「ライトプラスプラン」「ライトプラス SMSプラン」は800Mバイトを超えると、翌日24時間、300kbpsに通信速度を制限する。
300kbpsの低速通信は、「エントリー2!プラン」は直近3日の合計通信量が5Gバイトを超えるとさらに制限する場合がある。「エントリープラスプラン」「エントリープラス SMSプラン」は3.1Gバイト、「ライトプラスプラン」「ライトプラス SMSプラン」は6Gバイトを3日間で超えると、翌日24時間、速度を確実に制限する。制限後の速度は公表していないが、「使用に耐えられないほどではない」(フュージョン・コミュニケーションズ)とのこと。
直近3日間の合計通信量が2GBプランは400Mバイト、4Gバイトプランは600Mバイト、7GBプランは1Gバイトを超えると、当日の23時59分まで、通信速度を最大200kbpsに制限する。
ネットワークの状況と利用状況を勘案し、ほかのユーザーの利用に影響が出た場合は、一時的に制限をかける場合があるが、その基準値は公表していない。これは「LTE使い放題プラン」でも同様だ。また、回線が混み合った場合、全てのユーザーに等しく制限をかける場合もある、としている。
250kbpsの通信が基本的に使い放題だが、短期間で一定容量の通信量を超えた場合や帯域を継続的かつ大量に占有する通信を行うと、制御する場合がある。
500〜600kbpsの通信が基本的に使い放題だが、短期間に大量の通信をしたり、長時間通信をしたりする場合は、制限する場合がある。
帯域を継続的かつ大量に占有するデータ通信や、ほかのユーザーの利用に影響を与えるような短期間かつ大容量のダウンロードを行うと、通信速度を250kbps以下に制限するか、通信の利用自体を制限する場合がある。個別に判断して対応しているため、制限する期間は翌日1日の場合もあれば、そうでない場合もあるとのこと。
ドコモも2014年12月21日までは3日間の制限を行っていたので、その回線を借りているMVNOは、より厳しく制限をかけているイメージがあったが、意外にも3日間の制限をかけていない事業者が多かったという印象だ。b-mobileやNTTぷららの無制限プランや、7Gバイト以上を使える大容量プランなどでは特にありがたい措置だろう。ドコモやMVNOの設備増強に伴い、このあたりの規制も緩和されていく可能性は高いので、今後も定期的にチェックしていきたい。
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