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» 2015年02月19日 19時45分 UPDATE

「手のひらにライフスタイルを提案したい」――CCCがフリービットと提携した理由

フリービットがCCCグループと提携し、「freebit mobile」とCCCが持つカルチュア・インフラを統合したモバイル通信サービスを提供する。両社が提携した背景とは? フリービット石田会長とCCC増田社長が語った。

[田中聡,ITmedia]

 2月18日に、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループ(CCCとCCCモバイル)との戦略的資本・業務提携を発表したフリービット。3月1日には合弁会社「フリービットモバイル」にMVNO事業を移管し、フリービットモバイルは、CCCとCCCモバイルを割当先とする第三者割当増資を実施する。また今回の提携を受け、フリービットモバイルは3月1日付で「トーンモバイル株式会社」に社名を変更する。

 フリービットはMVNEとなり、CCCグループにネットワークや端末調達などの支援を行うほか、freebit mobileの店舗運営ノウハウを提供するフランチャイズプログラムのマスターライセンスを譲渡。freebit mobileと、CCCグループの持つTSUTAYA、Tカード、T-SITE、エンタメコンテンツなどのカルチュア・インフラを統合したMVNO事業を展開する。

 トーンモバイルの通信サービスはfreebit mobileが母体となるが、端末はfreebit mobileと同じく「PandA」を使うのか、料金体系がどうなるのか、といった詳細は今後発表される。なお、CCCモバイルは「TSUTAYA mobile」ブランドを立ち上げ、TSUTAYA店内に出店。2015年秋をめどにオリジナルスマートフォンを発売する予定だが、今回の提携とは別のプロジェクトとなる(同じTSUTAYA店内でTSUTAYA mobileとトーンモバイルの商品が販売される可能性はある)。

photo CCCのマーケティングや販売、フリービットの技術や商品開発を生かした提携となる
photo 提携のスキーム。CCCとCCCモバイルがフリービットとトーンモバイルへ出資をする

 フリービットは19日に記者説明会を開催し、代表取締役会長の石田宏樹氏と、カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長兼 CEOの増田宗昭氏が提携の狙いを語った。

CCCの知的資本、顧客基盤、加盟企業とのネットワークを生かす

photo フリービット 代表取締役会長 石田宏樹氏

 フリービットのフランチャイズプログラムは、2014年11月の発表後「約1カ月で100件ほどのお問い合わせをいただいた」(石田氏)というほど引き合いが多い。その中でCCCからもオファーがあったので、2014年11月3日から21日まで、函館の蔦谷書店で試験的に出店。freebit mobileを販売したところ、30日換算で172台が売れたという。「使ったのは5坪のスペース。(freebit mobileの)知名度はゼロで、ここでモバイルを買うとは思っていない人たちに対して販売したところ、日に日にお客さんが口コミで増えていった」と石田氏は振り返る。

 「言ってみればマリアージュ(結婚)」(石田氏)という形で実現したCCCとの提携。「CCCはライフスタイルの提案力を持っている。我々はスマートフォンやサービスを作り、シンプルに運用できるプロだ」と石田氏は話し、双方が持っている強みを生かしていく考えだ。会社名のトーンモバイルに含まれる「Tone」は、TSUTAYAの「T」に「One」を掛け合わせたもの。この「One」は、「フリービットが、テクノロジーや要素を1つに組み合わせて、シンプルに作ることにこだわってきた」(石田氏)ことにちなむ。

photo カルチュア・コンビニエンス・クラブ 代表取締役社長兼 CEO 増田宗昭氏

 増田氏は「映画、音楽、本の提供=ライフスタイルの提供」であることがTSUTAYA事業の理念であり、この考え方は今も変わっていないことを強調する。

 「テレビ、インターネットに続いて、どうもスマートフォンが世の中を変えそうだと。単に情報でライフスタイルを提案するのではなく、モノによってライフスタイルが変えられるものがスマートフォンにあるのではないか。周辺のデジタルテクノロジーの変化やビッグデータの活用などを考えたときに、僕らが作ってきた知的資本、顧客基盤、加盟企業とのネットワークが生きると感じていたときに、石田さんと出会い、フリービットの(フランチャイズプログラムの)計画を知った」と増田氏は提携の背景を話す。

 今回のフリービットとの協業により、「手のひらにTSUTAYA(がある)。手のひらにライフスタイルを提案できるのではと思っている」と期待を寄せた。

まずは二子玉川の蔦谷家電で販売

 トーンモバイルのスマートフォンと通信サービスは、2015年春にオープンする新しい商業施設「二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット」内の家電量販店「蔦谷家電」にて扱う予定。そのほかの販路は未定だが、「販路については、面白い戦略を採っていく。4〜5月にご期待いただきたい」(石田氏)とのこと。

photophoto 二子玉川の蔦谷家電でトーンモバイルの商品を扱う

 二子玉川での展開を決めたのは、東京で最も人口の多い世田谷区にあり、日本で一番裕福な人が多く、日本で一番住みたい街とされており、人口増加も最も高いことに着目したため。その反面、世田谷区には店舗が少なく、映画館に次いで家電店に対するニーズが高いという。蔦谷家電には書店も併設されており、ブックとカフェの「生活提案力」を活用した家電店にしていく。「目指すのは家電博物館、美術館、万博。その核になるのはスマートフォンだ」(増田氏)

 通信サービスを提供するうえで、ユーザーとの接点である「店舗」の戦略は重要になってくる。freebit mobileも「300店舗あれば(目標としている)100万契約を達成できる」(石田氏)ほどだ。サービスの核となる端末と料金は見えていないが、CCCグループが展開する「生活提案型の家電店」でどのようなサービスが生まれるのか、注目したい。

photo 今回の提携は、フリービット本体にも好影響を及ぼす
photo フリービットの石田会長とCCCの増田社長

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