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» 2015年06月03日 15時30分 UPDATE

ワイヤレスジャパン2015:「会いに行けるMVNO」を目指して――IIJ堂前氏が語るIIJmio meetingの狙い

インターネットイニシアティブ(IIJ)では、「IIJmio meeting」というユーザー参加型イベントを定期的に開催している。IIJがこのようなイベントを開催する意図はどこにあるのだろうか。

[井上翔,ITmedia]

 ワイヤレスジャパン2015の2日目にあたる5月28日に、インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が、個人向けMVNO(仮想移動体通信事業)サービスに関する講演を開催した。

 本稿では、IIJ プロダクト本部 プロダクト推進部 企画業務課 リードエンジニア 堂前清隆氏が行った講演「IIJmio meeting 〜 お客様とゼロ距離で向き合うイベント」の模様をお伝えする。

photo IIJの堂前氏

 「IIJmio meeting」は、「会いに行けるMVNO」(堂前氏)をキャッチフレーズに、2013年10月に初めて開催された。それ以来、東京・大阪で7回開催しており、回を重ねるごとに参加者が増えているという。第6回からは、当日会場に入りきれなかったユーザーのために、インターネットでのライブ配信も始めている。

photophoto 「会いに行けるMVNO」を目指して、IIJmio meetingは、IIJmioユーザーだけではなく、IIJmioやMVNOそのものに興味のある人も募って行われる

 IIJmio meetingでは、IIJmioやMVNOに関する知識がない人に向けた「初心者セッション」、IIJの“中の人”たちが技術や業界動向などを解説する「トークセッション」、来場者からの質問に答える「フリートーク」が行われるほか、IIJmioの導入相談を受け付ける「IIJmio相談会」、IIJmio関連の商品を展示する「展示コーナー」も用意される。会の終了後には、近くの居酒屋に移動して懇親会も行われる。一般客を募って行うイベントで、企業がここまでやることはまれだが、「お客さまとゼロ距離で向かい合う」(堂前氏)ための取り組みなのだという。

 「文化祭のような感覚」(堂前氏)のIIJmioミーティングは、当初、広告・マーケティング部門が無かったIIJmio(IIJの個人向けサービス)において、堂前氏たちエンジニアが「やってみよう!」と始めたイベントが起源となっている。会の企画・運営は、堂前氏や堂前氏の前に講演した佐々木氏だけではなく、サポートセンター担当者、Web製作担当者、ルーター・交換機の技術者、端末の動作確認担当者など、IIJmioの運営に「裏方」で携わっている人たちも一緒に行っている。

photophoto IIJmio meetingの会の構成(写真=左)。会の運営は、普段は裏方作業を行っている人たちが中心となって行う
photophoto 実際の会の様子(写真=左)。相談会の様子(写真=右)

 初心者セッションでは、「そもそも『MVNO』とは何か」「SIMフリースマホとは何か」「電話料金の節約方法」といった格安SIM(MVNO)に興味がありつつも知識がない人に照準を絞った講座を行っている。よく聞くけれど、その定義がよく分からない用語、格安スマホに切り替えることによる問題点や、購入時に注目すべきポイントなどを解説している。

photophotophoto 初心者セッションでは、予備知識のない人、少ない人向けに基礎知識を伝授する

 トークセッションでは、「IIJが考える『通信品質』」「端末の技術基準適合認定など(技適)と電波」「iPhoneで使うVoLTE」といった携帯電話に詳しい人向けの講座が行われている。世間に出回っているMVNOに関する誤解を解消する講座や、総務省の担当者を招いた講座も過去には開かれている。

photophotophoto トークセッションでは、やや薄めのネタから、濃すぎるネタまで、中上級者向けの講座が行われる

 来場者からの質問に答える「フリートーク」は、トークセッションの倍にあたる1時間の枠を用意しているが、それを超える時間が費やされるほど白熱するという。質問内容は「ゼロ距離ゆえに容赦ない」(堂前氏)ものが多く、最近行われたIIJmio meeting 7では「通信速度が最近遅い」という指摘が寄せられた。その前のIIJmio meeting 6では、「他社では『通信速度無制限』『通信量無制限』のプランがあるが、IIJmioではやらないのか」という質問も寄せられた。

 こういった厳しい指摘に対し、堂前氏をはじめとするIIJスタッフは、おわびするべきことはお詫びした上で、IIJとしての考え方や今後の対策を説明している。ゼロ距離でユーザーと向かい合う姿勢は、このようなところにも現れている。

photophotophoto フリートーク(質疑応答)では、容赦ない質問も飛んでくるが、真摯に答えている

 なぜ、手間と時間をかけてこのようなイベントを続けるのだろうか。堂前氏は、「(MVNOは)『安いですよ』と言えばある程度売れるかもしれない。でも、それでは『売り逃げ』になってしまい、良くない」とした上で、情報を公開することで、安心して使ってもらうこと、事業者(MVNO)として持っている情報を公開し、勘違い情報をなくしていくことで、MVNO市場全体を盛り上げる意図を持って開催していると説明した。

photophoto MVNO市場の裾野を広げるべく開催されるIIJmioミーティング

 筆者のように、日々、業界関係者に取材する機会に恵まれている記者はともかく、一般ユーザーにとって、サービスを提供する人と直接会って話をできる機会は非常に貴重だ。今後も、2けた回、3けた回……、と息の長いイベントになってほしいと思う筆者であった。

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