腕時計で遊ぶとなるとカシオの独壇場だった。腕時計で対戦ゲームとか、誰が遊ぶんだ? と思った記憶がある。
トップを飾るのは、テレビやビデオのリモコン機能を搭載した「CMD-10」。いわゆる学習リモコンで、増田氏は「当時BMWの一部車種のキーレスエントリーに赤外線を使っており、これを使えば腕時計で車のキーを開けられると話題になった」と話す。手首をリモコンにして使う。
1994年には赤外線通信を使って対戦ゲームができるゲームウォッチ「サイバークロス」
2000年にはとうとう世界初の腕時計型MP3プレイヤーを開発。「当時はよい無線技術がなかったので腕時計にイヤフォンケーブルをつなぐ必要があり、手にケーブルがからまって使いにくかった」(増田氏)
同じく2000年には、世界初の腕時計型デジカメが登場。当初は画面もモノクロだったが、後継機ではカラー画面(とはいえ、今のものと比べるとかなり見づらいが)の製品も登場。専用のドッキングステーションでPCに撮った写真を転送できた。ただし、画像サイズは176×144ピクセルと非常に小さく、実用レベルかと言われると難があった。
2006年には手品ができる「MGC-10」が登場。これについてはもうどう突っ込んでいいのか分からない。
今なお有望なジャンルが「健康・フィットネス」部門。現代の主流といっても過言ではなく、腕時計としてもランナー用のさまざまな機能がついたものは、今でも当たり前のように出ている。
1986年、ラップメモリーを30個記録できるスポーツ用腕時計「SDB-300W」が登場。この四角い感じが80年代っぽい。1989年には加速度センサーで歩数や距離、速度を測る「EXW-50」、1991年には消費カロリーも算出する「JC-11」が発売。「当初は2軸のセンサーだったが、現在は6軸にまで進化している」(増田氏)
1993年はピッチを評価(上がっているか下がっているかなど)してくれるマラソン用腕時計「RPS-100も」登場。2006年にはGPSを利用した世界最小最軽量の腕時計型スピードメーター「GPR-100」も出た。
この先がカシオっぽい。1987年には脈拍計搭載の「JP-100」、1992年は腕時計型血圧計の「BP-100」、1993年には運動時に燃焼した脂肪量を算出できる「FBR-10W」、2005年には別途心拍センサーを使い、心拍数を時計に転送する「CHR-100」が登場した。
脈拍計測の原理はAppleWatchと同じで、光を当ててその反射を使ってカウントするもの。文字盤の右に指を置くと脈拍を測れるという仕組みだった。血圧は2本の指をセンサーに置き、脈波と血圧の相関関係を利用して算出していたという。
さらに、燃焼した脂肪量を算出してくれる「FBR-10W」(1993年)、体力を5段階で評価する「FIT-100B」(1994年)なども見られる。
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