auスマホを格安スマホとして使う場合の方法と、その際気をつけるポイントを紹介します。
「格安スマホ」「格安SIM」の用語や、ドコモ系MVNOについては、ドコモ編で解説しているのでそちらを参照してください。
auも基本的にはドコモ同様です。au系MVNOサービスのSIMカードをauのスマホに挿すことで格安スマホ化することが可能です。auのネットワークで展開しているMVNOサービスは2つあり、ケイ・オプティコムが提供する「mineo」と、KDDIバリューイネイブラーの提供する「UQ mobile」から選ぶことが可能です。
mineoは月額700円から、UQ mobileは月額980円からと、本家auと比べると非常に低料金でデータ通信が利用できます。MVNO事業者はauの回線を借りてサービスを提供しているため、自前で大規模な設備投資が不要なことからコストを抑えられ、auと同じネットワークサービスを安く提供できるため価格メリットがありますが、気をつけるべき注意点もあります。
注意点は、「(格安化できるのは)LTE対応端末限定」です。au系MVNOは3G回線でのデータ通信ができず、LTE回線だけで通信を行います。つまり、手持ちのauスマホがLTEに対応した端末でないとMVNOのSIMサービスが利用できないのです。
山間部や地方など、一部LTE回線の整備が手薄な場所では、インターネットそのものができない危険性があります。ちなみに、音声通話を利用する際には3G回線でやり取りを行うので問題はなさそうです。
もう一つ注意したいのが「VoLTE」。VoLTEはLTE回線を利用した高音質通話サービスのことですが、最新の「Galaxy S6 edge SCV31」や「Xperia Z4 SOV31」のようなVoLTE対応端末では、au系MVNOのSIMカードは利用できません(2015年7月現在)。もし、最新端末をMVNOで使おうと考えているなら気をつけましょう。
利用者数の多いiPhoneでも注意点があります。それは、au系MVNOのSIMではiOS8.0以降のiPhone・iPadを利用することができません。この問題については対応が進んでいますが、mineoを運営するケイ・オプティコムは、現時点ではiOS7.Xにてmineoを利用しているユーザに向けて「iOS8へのアップデートは避けてもらいたい」としています。UQ Mobileを運営するKDDIバリューイネイブラーも同様です。
2015年7月13日にIIJのエンジニアによる公式ブログ「てくろぐ」にて、「APN構成プロファイルの変更でiPhone・iPadの通信が安定?」という記事がアップされており、その記事内に新たな「構成プロファイル」が公開されていました。
公開されたプロファイルを利用することでドコモ網を使ったMVNOサービスが安定するだけでなく、従来iPhone・iPadでは一切利用できなかった「KDDI au LTE網を使ったMVNOサービスが使用可能となった」と記載されています。
※IIJは法人向けにau LTE網を用いたデータプランを提供しています。
これを受け、mineoの公式ファンサイト「マイネ王(β版)」で、公開されたプロファイルを使用し、mineoでの動作テストを実施し、そのテスト詳細について公開しています。
◆iPhone・iPadのAPN構成プロファイルの変更による動作確認テストについて(第3報)
なお、本文内で公開している「テスト用mineoAPN構成プロファイル」は、あくまでテストに使用しているものなので、どのような問題が発生するかわからず、サポートの対象外になるとのこと。問題が発生した時に自分で対処できる人以外は、現在のところ静観していたほうが得策かもしれません。
しかし、これまでiOS8.X以降での利用が諦められていたau網を利用したMVNO SIMの利用に関して一筋の光明が見えました。近い未来、より良い知らせがやってくるかもしれませんね。
※文中の価格は税抜きです。
(文:アスカ)
Copyright:(C) NTT Resonant Inc. All Rights Reserved.