インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が8月7日、2015年度第1四半期の連結業績説明会を開催した。
売上高は314億6000万円で前期比14.2%増、売上総利益は56億6000万円で前期比13.2%増、営業利益は11億4000万円で前期比48.5%増、純利益は7.2億円で前期比46.8%増で、増収増益となった。
「IIJmio 高速モバイル/Dサービス(以下、IIJmio)」の第1四半期末時点の契約数は、個人向けが15年3月末から9万7000増で52万7000契約を記録し、法人向けやMVNEとして運用している回線を含む総回線数は81万1000に到達。代表取締役社長の勝栄二郎氏は「2015年内に100万回線を突破するという目標へ順調に向かっている」と手応えを話す。常務取締役 CFO 渡井昭久氏によると、プリペイドSIMは月5000件強ほど獲得しており、累計は数万ほどとのこと。第1四半期におけるモバイルサービスの売上は29億8000万円に上る。
個人向けIIJmioの純増は、3期連続で9万台を記録。2015年4月以降も好調を継続できた要因について渡井氏は、4月から料金プランのデータを増量したことに加え、新生活を迎えることが関係しているとみる。
4月から実施しているデータの増量は、SIMカードを計3枚まで使える「ファミリーシェアプラン」の上げ幅が最も大きかった(7Gバイト→10Gバイト)ほか、同一名義の回線同士の通話料を20%割り引く「ファミリー通話割引」も開始。家族への訴求を強化したが、渡井氏によると、個人向けサービスで最も契約が多いのは、依然として月額900円(税別)のデータ通信サービス「ミニマムスタートプラン」で、7〜8割のユーザーが申し込んでいるという。「家族向けのサービスも伸びているが、(各プラン)それぞれが同じくらい伸びている」とのこと。
第1四半期には含まれないが、IIJは7月から
といった3つの軸でモバイル事業を強化している。
2015年5月から義務化されたSIMロック解除だが、実際にロック解除をできるのは半年後の11月以降であるため(ドコモの旧機種を除く)、その頃にIIJmioにも影響が出るとみる。勝氏は「うわさではあるが、9月に新しいiPhoneが出てから本格化するのではないかと思う」とした。ドコモのiPhoneはSIMロック解除せずともIIJmioのSIMカードは利用できるが、auやソフトバンクのiPhoneがSIMロック解除可能になれば、MVNOにとっては契約を増やすチャンスになるだろう。
総務省の有識者会議で携帯電話の「2年縛り」を見直す要請がなされた件については、代表取締役会長の鈴木幸一氏がコメント。「格安SIMを使ううえで2年縛りは大きな壁になることは間違いない。できるだけ早い時期に2年縛りを解除してほしい。(解消されればIIJmioの)伸びが上向きになると想定している。過去にも(大手キャリアの)2年契約が終わった方が(IIJmioを)使うというケースが多い」と期待を寄せた。
格安SIMの競争が激化している状況については、「モバイルは、売上も前年同期比で2倍強になった。格安SIM全体の中でIIJのシェアは非常に高く、IIJに対する満足度や信頼が高いという調査も出ている。競合企業がSIMを宣伝することで、結果的にIIJの満足度が高くなる。IIJにとっては追い風だと思っている」(勝氏)と前向きにとらえている。
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