MVNOが提供している「格安SIM」を選ぶうえで、料金はもちろんだが、「通信速度」も重要な決め手になる。料金は各社のWebサイトやカタログに表示されていて比較しやすいが、通信速度は各社一律「下り最大150Mbps」「下り最大225Mbps」などと表記されており、実際のところどれだけの速度が出るのかが分からない。
そこで、本企画では各社が提供している格安SIMの“実効速度”を毎月調査し、その結果を横並びで紹介している。前回は9月編のドコモ系MVNOの通信速度をリポートしたが、今回はau系MVNOだ。本企画がMVNOサービスを選択する際の一助になると幸いだ。
今回、テストを行ったのは以下のau回線を使った3サービス。
いずれも下り最大150MbpsのLTEサービスに対応したものを使っている。このうちauのLTE NETはMVNOではなく、auのスマホに通常提供されているインターネット接続サービス。いわば“本家”の通信速度となる。
調査条件は以下の通り。
なお通信測定のエラー、明らかにありえない速度(理論値超え)が表示された場合は再測定とした。
本企画で紹介する通信速度は、時間帯や場所によって大きく変化するので、記事で紹介されている数値を100%うのみにせず、あくまで参考値としてご覧いただきたい。
ドコモ回線と違い、au回線の測定は1台のURBANO L03を使って順番に行ったため、測定時間は分単位では異なる。すべてのサービスを同時に測定したわけではないこともご理解いただきたい。
今回の測定は9月28日(月)にJR横浜駅西口前、9月29日(火)に東京港区のアイティメディア社内で行った。まずは横浜駅での午前中(9時27分〜9時37分)の測定結果をお伝えする。
最速はUQ mobileで下り平均71Mbpsを超えた。先月の8月編でもmineoが60Mbpsを超えていたが、それよりもさらに速くなった。続くau本家のLTE NETも64Mbps。ワーストはmineoだが、それでも下り38Mbpsと、ドコモのMVNOよりもさらに高速なのが、au系MVNOの明らかなメリットだ。
一方で上りの通信速度はこれまた相変わらずというか、前回までと同じく5Mbpsほど。上りは下りと比べてあまり速度が出ないのもau系MVNOの特徴だ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 9:27 | 71.35 | 5.42 |
mineo | 9:31 | 38.06 | 5.35 |
au(LTE NET) | 9:23 | 64.82 | 5.67 |
続いて横浜駅での午後(13時26分〜13時34分)の測定結果を見ていこう。
またもUQ mobileの勝ち。ランチタイムが終わっているとはいえ、60Mbps超えだ。そして順位も変わらず、au LTE NET、mineoが続く。この中では遅いmineoでも下り23Mbpsなので、実際に使う分には問題はないだろう。
上りの通信速度は今回も5Mbps台で“安定”していた。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 13:34 | 63.89 | 5.29 |
mineo | 13:30 | 23.65 | 5.34 |
au(LTE NET) | 13:26 | 59.72 | 5.16 |
昼よりも明らかにネットワークが混雑していたであろう、横浜駅の夕方(18時29分〜18時36分)に計測。8月に計測したときと同じく、大きな変化が起きた。
mineoが下り平均6Mbpsまでに急降下した。8月もMVNOの2社は急落したので、夕方は鬼門だ。ただしUQ mobileは克服したようで、なんと3連続トップに。もうほとんど50Mbpsという下り平均49.98Mbpsだ。混雑して遅くてもここまでの速度が出るとは恐れ入る。本家au(LTE NET)は、トップと僅差の48Mbpsだった。一方、下り6.55Mbpsのmineoは、ほか2つと比べると低調だった。
上りの通信速度はここにきて低下し、3サービスとも2〜3Mbpsだった。これは8月とほぼ同じ傾向だ。
計測開始時刻 | 下り平均(Mbps) | 上り平均(Mbps) | |
---|---|---|---|
UQ mobile | 18:32 | 49.98 | 3.85 |
mineo | 18:36 | 6.55 | 2.85 |
au(LTE NET) | 18:29 | 48.62 | 2.71 |
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