3キャリアの低容量プランは「次元が違う」、モバイルは2016年度に200万回線を目指す――IIJ決算会見

» 2016年02月09日 20時19分 公開
[田中聡ITmedia]
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 IIJ(インターネットイニシアティブ)が2月9日、2015年度第3四半期の決算会見を開催。売上高は993億8000万円で前期比13.1%増、営業利益は40億7000万円で前期比7.6%増となり、増収増益となった。

 好調を継続している要因について勝栄二郎社長は「2015年にインターネットのトラフィックが増えたこと」を挙げる。「ブロードバンドでのダウンロードが5割以上、モバイルネットワークでのダウンロードが4割以上増えている。また、2015年はインターネットの新しいサービス商品が次々と提供された。動画や音楽の定額サービスが普及し、IoT(ネット接続できる機器)も広がりっている。企業も徐々にクラウド化にかじを切っていることを実感する。こういう傾向はこれからも加速するのではと思っている」(勝氏)

IIJ IIJの2015年度第3四半期決算の総括

モバイルサービスは107.3万回線に

 モバイルサービスは、以前から目標にしていた「2015年内までに100万回線」を突破し、107万3000回線に到達した。第2四半期からの純増数は13万9000となった。個人向け(IIJmio)と法人向け(IIJモバイル)の内訳は、個人向けが68万5000回線(8万の純増)、法人向けが33万5000回線(6万の純増)。

IIJ モバイルサービスも堅調に契約数を伸ばしている

 勝氏は「IIJmioは満足度調査で常に上位にランクインしており、品質が高いこと」「ファミリーマートでの販売や即日MNPができる店舗を増やしたこと(販路拡大)」を、好調の主な要因に挙げる。また、訪日外国人向けのプリペイドSIMも、駅中コンビニや空港で販売するなど、販路を広げている。

 MVNOのサービスを支援する「MVNE」としての事業も拡大しており、ケーブルテレビ事業者をはじめとするパートナー企業は100社を超える。M2Mにも注力し、渡井昭久CFOは「バスの位置情報サービスや防災のサイネージなどを提供している。大きなものから中型小型まで、ニーズは多々ある」と説明する。IIJは今後も個人と法人の両輪でモバイルサービスを展開していく。

IIJIIJ IIJ 勝社長(写真=左)と渡井CFO(写真=右)

タスクフォースが与える影響は?

 2015年10〜12月に総務省が実施した携帯料金に関するタスクフォースの影響については、「MVNOの認知度を高めた」効果があったと勝氏はみる。一方で話し合いの対象となったのは大手キャリアのトピックが中心で、MVNOに直接関連する議論は少なかった。

 また、タスクフォースでの話し合いを受け、3キャリアが月5000円未満で1GBのデータ通信を利用できるなどの低容量プランを発表したが、「われわれの商品(IIJmioの音声サービス)は2000円台で3GB(から)なので、次元が違う」(勝氏)とし、低容量プランの影響は少ないとの見方を示した。

 タスクフォースでは、「HLR/HSS」と呼ばれる加入者管理機能をMNOがMVNOに開放することを、事業者間で協議すべきとの意見も出た。この点については「(HLR/HSSを持って)フルMVNOのサービスを提供することで、多様なニーズに応じたシーンを提供できるのではないか。注目すべき分野だと思っているが、いつ始めるか、関係がどうなっているかは検討しないといけない」(勝氏)と述べるにとどめた。

IIJ IIJ 鈴木会長

 鈴木幸一会長は「タスクフォースで、総務省がそういったこと(HLR/HSSの開放)を推進することをあえて言っているし、私どもとしては今後十分に検討していきたい。やはりベースとなるのはワイヤレスネットワークだ。多様なSIMカードのニーズは潜在的だけどある。海外ローミングなど、いろいろな面で新しいサービスを作れる可能性があるだけに、十分検討していきたい」と前向きな姿勢を示した。


次は「2016年度までに200万回線」を目指す

 モバイル回線100万契約という大きな目標を達成したIIJ。次は「2016年度(2017年3月)までに200万契約を目指す」と勝氏は意気込む。2015年度はここまで四半期ごとの純増数は、個人+法人で10万〜15万ほどだったが、あと1年と少々でもう100万を上乗せするには、さらにペースアップをする必要がある。勝氏も「スピードを上げないといけない」と話す。

 2016年、MVNOの回線数はさらに加速すると勝氏は予測するが、一方でMVNO/格安SIMの知名度が低いという課題も残っている。IIJmioの知名度をさらに上げるためには、「品質を保つこと」「(タスクフォースなど)いろいろな要因でMVNOへの注目度が高まること」「販路を多様化すること」が重要だと同氏は考える。またSIMだけでなく「端末の需要も強い」(勝氏)ため、端末のラインアップ拡充にも努めていくとした。

 現在はMVNOが乱立しているともいえる状態だが、勝氏は近い将来、MVNOは淘汰されていくとみる。「IIJは(他の事業も含めた)粗利率(売上総利益率)で17〜8%を保っているが、あまりそういう会社はないと思う。その意味で、ある程度淘汰されていくのではないか。最終的にはIIJのシェアが拡大していくと願っている」とした。

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