2月29日、UPQは新製品発表会を開催した。
これまでの売れ筋製品であるスマホやカメラに新色として「ネイビー&レッド」を追加。また、4Kディスプレイやキーボードは後継機種を発売すると共に、カラーリングを「ネイビー&レッド」に変更する。
これにより、UPQでは全7カテゴリー、32種類、52製品が揃うことになった。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2016年3月5日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。
発表会では、これまでの経緯も明らかにされた。
UPQは2015年7月に設立され、8月に製品がリリースされた。記者会見がメディアに取り上げられた途端に、家電量販店などからの問い合わせが殺到。二子玉川・蔦谷家電、ビックカメラグループを筆頭に、いまではヤマダ電機、ヨドバシカメラなどでも取り扱われるようになった。UPQ製品が販売された実店舗数は231店舗にもなるという。
また、国内だけでなくシンガポールのECサイトでも販売され、3月からは中東でのECサイトでも発売の予定だ。
中澤優子社長によれば「ECサイトよりも、実際に手にとってもらえる実店舗のほうが売れ行きが良い。実店舗8割、オンライン2割という比率」という。
スマホ、4Kモニター、カメラ、キーボードなどは、完売もしくは在庫が2割程度しか残っていないものなどもあり、順調な売れ行きを示しているようだ。
UPQが強いのは、やはり家電量販店をいち早く味方につけたことだろう。「スマホを買いたい」と思っている人が家電量販店を訪れ、個性的な色使いのスマホを発見し、「人に自慢できるスマホを買う」というのは自然な流れであることは間違いない。
家電量販店側も「SIMフリースマホが増えているが、どれも似たようなデザインばかり」という不満を抱える中、UPQが出てきたことで、飛びついて調達に走ったという話を聞く。店頭で目を引くデザインによって、売る側からも喜ばれるし、買う方も目立っているので手に取りやすいという好循環が生まれている。
ここ最近、百貨店やインテリアショップなどでもスマホを売る傾向があるが、服や家具を買いに来た客が、その流れでスマホを買うというのはかなりハードルが高いように思える。スマホを買うには、安心し、納得して買いたいわけで、店員にもそれなりの商品知識やスキルが求められる。
例えば「iPhoneとの違いはどこにあるのか」という客からの質問に、店員がどこまでしっかりと答えられるかは結構、重要だと思える。
スマホは服やインテリアとは違い、説明商品だけに、それ相応の場所で売られる必要があるのではないか。
その点、UPQは「家電」であり、家電量販店の店頭で目立つことで、差別化に成功した。
中澤優子社長は業界向けの媒体だけでなく、ここ最近はテレビなどの一般媒体にも露出するようになっただけに、今後も勢いを増していきそうだ。
© DWANGO Co., Ltd.