2015年後半から2016年初頭に発売された、3万円台の要注目SIMロックフリースマートフォンの比較レビュー。前編では外観や特徴となる機能、持ちやすさについて見てきたが、後半ではバッテリーの持ちや処理性能に関するベンチマークテスト、対応する周波数帯について見ていこう。
前編同様、FREETEL「KIWAMI」、ASUS「ZenFone Selfie」、Huawei「HUAWEI GR5」、TCL「ALCATEL ONETOUCH IDOL 3」、ZTE「AXON mini」、富士通「arrows M02」、シャープ「AQUOS SH-M02」の7機種についてテストを実施した。
普段の利用で一番気になるバッテリーの持ちだが、多くの場合はスペック上の画面が小さく、バッテリー容量が大きいほど長く動作することが多い。これに加えて、アプリのバックグラウンド処理や定期的な通信、各種センサーをいかに効率よく省電力で処理できるのか、という点でも端末やメーカーによって違いが出てくる。
機種名 | OS | 画面サイズ | 画面解像度 | バッテリー容量 | 実売価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|
KIWAMI | Android 5.1 | 6型(IPS液晶) | WQHD(1440×2560ピクセル) | 3400mAh | 3万9800円 |
ZenFone Selfie | Android 5.0 | 5.5型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 3000mAh | 3万2800円 |
Huawei GR5 | Android 5.1 | 5.5型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 3000mAh | 3万4800円 |
IDOL 3 | Android 5.0 | 5.5型(IPS液晶) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 2910mAh | 3万9800円 |
AXON mini | Android 5.1 | 5.2型(有機EL) | フルHD(1080×1920ピクセル) | 2800mAh | 3万9760円 |
arrows M02 | Android 5.1 | 5型(有機EL) | HD(720×1280ピクセル) | 2330mAh | 2万9800円 |
AQUOS SH-M02 | Android 5.0 | 5型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 2450mAh | 3万8800円 |
※価格は2016年3月14日時点。KIWAMI、ZenFone Selfie、HUAWEI GR5、IDOL 3は、公式オンラインショップ調べ。AXON miniはビックカメラ調べ。arrows M02はIIJmio、DMM mobile調べ。AQUOS SH-M02はNTTコムストア調べ |
バッテリー持ちについては2015年夏の記事と同様に、YouTubeの動画の連続再生と静止画の連続表示時間をテストした。条件は以下の通りだ。
YouTubeの動画再生テストでは、HDサイズの動画リストを連続再生し、スピーカーの音量はオフにしてバッテリー切れになるまで計測した。
結果、動画再生ではAQUOS SH-M02が8時間2分、HUAWEI GR5が7時間47分と長く再生できた。この2機種以外もおおむね5時間から6時間ほど再生できており、極端に再生時間が短い機種は見られなかった。
HUAWEI GR5は3000mAHのバッテリーに加えて動作中の温度が他の5.5型モデルと比べやや低い。放熱性能や処理効率がよかった可能性がある。AQUOS SH-M02はarrows M02と比べてバッテリー容量がやや多いほか、標準の省電力機能やディスプレイがIPS液晶と有機ELという違いも影響したと考えられる。KIWAMIが5時間19分とやや短いのは、大画面の6型という点が消費電力に大きく影響したのだろう。
再生時間 | バッテリー容量 | |
---|---|---|
KIWAMI | 5時間19分 | 3400mAh |
ZenFone Selfie | 5時間29分 | 3000mAh |
Huawei GR5 | 7時間47分 | 3000mAh |
IDOL 3 | 5時間42分 | 2910mAh |
AXON mini | 6時間03分 | 2800mAh |
arrows M02 | 6時間12分 | 2330mAh |
AQUOS SH-M02 | 8時間02分 | 2450mAh |
次に、画面に標準の「ギャラリー」アプリでフルHDサイズの画像を表示したまま10時間置いてバッテリー残量の減り具合を確認した。なお、バックライトを常時点灯させるために「Backlight Switch」というアプリもインストールしている。
結果、AXON miniの待ち受けが長く、他のモデルもおおむね40%前後バッテリーが残っている。だが、KIWAMIとIDOL 3だけバッテリー残量の消費が激しかった。この2機種は他の端末と比べて本体温度が数度ほど高く、本体設定でも省電力機能がほとんどない。そのため、同期通信やバックグラウンドで動作するアプリがバッテリー持ちに大きく影響した可能性がある。
AXON miniのバッテリー残量は本機の省電力技術や有機ELをうまく制御しているものと思われる。ただ、AXON miniやarrows M02などの有機EL採用モデルは、ディスプレイの表示内容に白や明るい色が多いと消費電力が増えるので、結果も変わってくる。これらの機種を省電力で使いたい場合は、ホーム画面の背景などをなるべく低消費電力で表示できる暗いものに設定することをオススメしておく。
バッテリー残量 | バッテリー容量 | |
---|---|---|
KIWAMI | 0% | 3400mAh |
ZenFone Selfie | 47% | 3000mAh |
Huawei GR5 | 44% | 3000mAh |
IDOL 3 | 7% | 2910mAh |
AXON mini | 59% | 2800mAh |
arrows M02 | 36% | 2330mAh |
AQUOS SH-M02 | 42% | 2450mAh |
スタミナについては、ZenFone Selfie、HUAWEI GR5、AXON mini、arrows M02、AQUOS SH-M02のいずれかなら、あまりバッテリー切れを気にせず利用できるといってよさそうだ。
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