さて、ユーザーとしては比べたいのは、6sと7、6s Plusと7 Plusでしょう。ということで、最後にそれぞれについてコメントを。
iPhone 6sと7の一番の違いは、なんといっても光学式手ブレ補正の有無。細かいレンズの違いや絵作りの違いはあれど、使い勝手の差が出るのがここだ。
6sでも手ブレはあまりしなかったと思うが、それはシャッタースピードを高めに維持して手ブレしづらい作りになっていたからで、最終的にブレるブレないでいえば、7の方が手ブレしづらい。
また、暗所への対応力があがり、今までより暗い場所でもOKになった。手ブレを防ぎたい人なら買い換えの価値あり。
6s Plusと7 Plusの一番の違いはデュアルカメラ化したこと。
これによって、57mm相当のほんのちょっと望遠な画角で撮れるようになった。ズームのインタフェースもよくできているので、さっとカメラを向けて、もうちょっとと思ったらワンタップでさっと2倍になる。これは使っていて実に気持ちいい。
ズームレンズ搭載のカメラって、ズームレバーでうに〜〜とレンズをモーターで動かすので、ズーミングにちょっと時間を要する。
デュアルカメラで切り替えるだけなら一瞬で済む。意外に、ズームレンズよりデュアルカメラの方が有効なんじゃないかという気がするのである。
遠くのものを大きく撮るためより、アウトカメラでは画角が広すぎるときにいい。28mm相当の広角より、57mm相当の方が人や物の形をきれいに撮れるからだ。
最終的にどっちのカメラで撮影されるかはiOSにおまかせとなるものの(詳細は別記事参照のこと)、自分で使うカメラを決めたいならiPhone 7 Plusのカメラアプリ(すでにいくつか出ている)を使うという手もある。
広角とやや望遠をワンタップで切替ながら使える快適さはよい。ちなみに個人的にiPhone 7か7 Plusかと聞かれたら、7 Plusと答える。だって画面がでかいもの。
画面がデカいと撮影時も細かいところまでよく見えるし、鑑賞時も迫力あって見やすいし、何より「写真」アプリやフォトレタッチアプリで修正したいときに扱いやすい。他にも画面がでかくて解像度が高いことで用途が広がる。
メールの送受信やSNSやメッセージングがメインなら7でもいいんだけど、それ以上に何か新しいことをしたいなら7 Plusである。デカくて扱いづらいという難点以上に、利点が大きい。
7系の一番の欠点はすでに多くの場所で語られている通り、「シャッター音がデカい」こと。
無音にしたiOS9の6sよりiOS10の7の方が明らかにデカい。一緒に食事していた人(iPhone 5sユーザー)が「今の音ナニ!」とびっくりしたほどである。静かな場所で使うのははばかられるレベルなのだ。
音を消すわけにはいかないとしても、音量をここまで無理に上げることもあるまい。せめてiOS9時代の製品や他社スマホ並に戻していただきたい。連写なんてした日にはけたたましくて恐縮するレベルである。Live Photosをオンにしてちょっとかわいい音にする(それでもiOS9時代のLive Photos音より大きい)のが一番無難な策だ。裏技が発見されているけど、いつまで使えるか分からない技だしね。
さて最後になるが、今回の作例比較を見て、それほど違わないな、と思った人もいるかもしれない。
でも、6s Plusから7 Plusへ買い換えたユーザーとしては「ずいぶん画質がよくなったなあ」と感じている。それはたぶん、カメラに加えてディスプレイのクオリティーも上がったからだ。表示できる色域がsRGBよりちょっと広くなり、どの角度からでもくっきりと鮮やかに見えるようになったのである(「True Tone」ディスプレイと呼ばれている)。
だからすごく気持ちよく撮れるし、きれいに撮れた気になるわけである。いろいろと進化を続けているのだ。
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