インタビュー
» 2017年04月10日 06時00分 UPDATE

SIMロックフリースマホメーカーに聞く:トリニティ星川社長が語る「NuAns NEO [Reloaded]」 Android採用の理由、おサイフケータイ搭載の苦労 (1/4)

Windows 10 Mobileを搭載した「NuAns NEO」の後継機「NuAns NEO [Reloaded]」が登場。デザインは初代を同じだが、OSをAndroidに変更し、防水やおサイフケータイにも対応。生まれ変わった新モデルの狙いを、トリニティの星川社長に聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 iPhoneなどのアクセサリーを開発するトリニティが、Windows 10 Mobileを搭載した「NuAns NEO」を発売してから、1年以上がたった。コアとカバーを分離し、ユーザーが好きな組み合わせを選べるというコンセプトや、あえて厚みを出し、持ちやすさを重視したデザインが話題を呼んだNuAns NEOだが、この後継機が満を持して登場する。それが、「NuAns NEO [Reloaded]」だ。

 NuAns NEO [Reloaded]の発表には、2つの意味でサプライズがあった。1つ目が、先代のNuAns NEOからOSを一新し、Windows 10 MobileからAndroidになったこと。しかもボディーはほぼそのままながら、プロセッサやメモリだけでなく、ディスプレイのサイズまでアップグレードしている。デザインを継承しながら、内部のパーツを変え、しかもOSまでまったく別物にしているというわけだ。

NuAns NEO [Reloaded] 左がAndroidを搭載した「NuAns NEO [Reloaded]」、右がWindows 10 Mobileを搭載した初代「NuAns NEO」
NuAns NEO [Reloaded] 本体サイズや背面のデザインは2機種とも同じで、初代のカバーはReloadedでも使える

 もう1つのサプライズが、おサイフケータイへの対応だ。おサイフケータイは大手キャリアに納入される端末では一般的だが、いわゆるSIMロックフリースマートフォンではまだ数が少ない。富士通やシャープなど、キャリアへの納入実績があるメーカーが、一部の端末に搭載している状況だ。このような中、NuAns NEOはおサイフケータイの運営を行うFeliCaネットワークスの協力を得て、正式にこれに対応することを表明した。

 大きな驚きを持って迎えられたトリニティのNuAns NEO [Reloaded]だが、このタイミングでOSにAndroidを採用することに、勝算はあるのだろうか。Androidの方が対象となるユーザーの母数が多い一方で、ライバルも多くなる。また、他のSIMロックフリースマートフォンメーカーが二の足を踏んでいたおサイフケータイに、いち早く対応できたのがなぜなのかというのも、気になるポイントだろう。こうした疑問を、トリニティの星川哲視社長にぶつけた。

NuAns NEO [Reloaded] トリニティの星川哲視社長

OSにAndroidを採用した理由

―― 最初に、NuAns NEO [Reloaded]のOSにAndroidを採用した理由を教えてください。同時期にVAIOから「VAIO Phone A」の発表もあったように、Windows 10 Mobileを採用していたメーカーが続々とAndroidに乗り換えています。これは何か決定打になるようなことがあったのでしょうか。

星川氏 (VAIO Phone Aとタイミングが合ったのは)偶然でしょうね。Microsoftさんの発表が何かあり、それに合わせて動いたというわけではありません。もともと、NuAns NEO [Reloaded]はリリースのタイミングを決めていたわけではなく、できるめどがこれくらいでした。今がいいというより、うちができるタイミングだったんです。

 われわれとして初めてのスマホはWindows 10 Mobileでした。新しいOSで、「Continuum」があって新しいワークスタイルも提案できる。新しいOSなので、スタートラインが他と一緒ということもありました。すでにみんながやっている中で後から参入するのではなく、Windows 10 Mobileなら同じタイミングで始められます。ビジネス的な知名度も考え、いろいろあってWindows 10 Mobileを選びました。

 ただ、販売においては、デザインやコンセプト、素材がいいとなっても、いざ買おうという段になると、「あのアプリは使えるのか」となってしまいます。当たり前のようにGoogleマップのようなアプリがないですし、そういうところがなかなか難しい。トリニティも、NuAns NEOを作る以前から「G Suite(Googleのグループウェア)」で全てを統一していて、Excelではなくスプレッドシート、Wordではなくドキュメントを使っていましたから。

 端末はビジネス(法人)ももちろん見ていましたが、販売チャネルが強かったわけでもなく、どちらかというと、コンシューマーからの反応が強かった。そうすると、Googleアプリもそうですし、遊びでいうとPokemon GO、Ingressもありませんし、マリオも配信されません。個人利用でいうと、銀行のアプリも出てきておらず、Kindleも日本語版がありません。スマートにいろいろ使おうとすると、どうしても足りないものが出てきてしまいます。

 これは時間がかかることで、これから増えていくのだとは思いますが、2作目を作るときにも同じOSだと、同じことができなくなってしまいます。われわれの目的は、Windowsを搭載したスマホを作ることではありません。かといって、今はFirefox OSやTizenもなく、もう1つの誰もが使っているメジャーなOSというとやはりAndroidです。Windows 10 Mobileと両方のOSを持つことで、それぞれにできること、できないことがあり提案もできます。ネガティブな意味でWindowsを見捨てたというより、幅広いお客さまにNuAns NEOを広げるには、両方持つのがベストだと判断しました。

―― とはいっても、もうちょっとMicrosoftにしっかりしてほしいと思ったことはないでしょうか。

星川氏 サービスやアプリは、Microsoftだけでは作れません。環境もありますし、今、Windows 10 Mobileのシェアがないところに、(アプリ、サービス開発者が)どのくらい投資してくれるのかというのはあると思います。もちろん、Microsoft自身もそれをやっていく必要はあります。私もそこまですぐに立ち上がるとは思っていませんでしたが、正直にお話すると、思っていた以上に立ち上がらなかったというのはありますね……。Googleぐらいはやる(アプリを出す)かなと思っていたので、そこは誤算でした。

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