最終回 ニッポンの小型軽量ノートはどれが“買い”か?モバイルノート08年春モデル徹底検証(3/4 ページ)

» 2008年03月24日 11時45分 公開
[前橋豪,ITmedia]

質実剛健なビジネスモバイル機――Let'snote LIGHT CF-W7(パナソニック)

「Let'snote LIGHT CF-W7」

 パナソニックのLet'snote Wシリーズは、日本のビジネス向けモバイルノートPCで定番となっているモデルだ。Let'snote LIGHT CF-W7は2007年秋冬モデルでフルモデルチェンジを果たし、ボディの堅牢性を高めつつ、チップセットをIntel 945GMS ExpressからSanta Rosa世代のIntel GM965 Expressに移行している(冷却ファンも追加された)。

 最大の特徴はやはり頑丈そのもののボディだろう。耐久テストの結果を積極的に公開しているだけでなく、見た目にも触れた印象にも“硬さ”と“強さ”を感じるボディは、Let'snoteならではと言える。Intel GM965 Expressチップセットと2.5インチHDDの採用により、パフォーマンスが良好なことに加えて、ボディサイズに余裕があるため、発熱の少なさや静音性も及第点だ。

分厚いぶんだけ頑丈なボディ

 一方、頑丈さを追求したボディは大ぶりで、特に厚さが気になる。また、オープントップ式のDVDスーパーマルチドライブがDVD±R DLの書き出しに対応しない点や、指紋センサやFeliCaポートがない点、ビジネス市場での長期運用を想定して1024×768ドット表示の12.1インチスクエア液晶ディスプレイを採用し続けている点など、割り切りが必要な部分も少なくない。

 Let'snote LIGHT CF-W7は、ボディの堅牢性を最優先したうえで、パフォーマンスやバッテリー駆動時間も高いレベルを求める人に向いている。中でも、無意識のうちにモバイルノートPCをラフに扱ってしまうようなユーザーは、少しでもボディが頑丈なほうが安心できるだろう。

Let'snote LIGHT CF-W7の検証結果
項目 評価 説明
本体サイズ フットプリントは標準的だが、6台の中で最も厚い
重量 約1.249キロで下から3番目に重い
ボディの頑丈さ 加圧振動試験100kgfをクリア。防滴キーボードを採用。天板はたわむが、ボディに剛性感がある
光学ドライブ オープントップ式のDVDスーパーマルチドライブ(DVD±R DLは読み込みのみ)
拡張端子 USBポートを3基装備
通信機能 1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、FAXモデムを装備
付加機能 特になし
セキュリティ&認証機能 セキュリティチップ(TPM)搭載
液晶ディスプレイ 1024×768ドット表示の12.1インチスクエア液晶(非光沢)を搭載。6台の中では解像度が低い
キーボード たわみがなく、打ち心地はよい。縦方向のキーピッチが少し狭く、半角/全角キーの位置が特殊
タッチパッド 面積は小さめ。円形のデザインは好みが分かれるところ
ワンタッチボタン 特になし
パフォーマンス Intel GM965 Expressチップセットと2.5インチHDDの採用で良好
メモリの拡張性 スロットは1基だが、オンボードで1Gバイトを実装。2Gバイトまで拡張可能
発熱の少なさ 表面の発熱は抑えられているが、底面の中央部が熱くなる
静音性 ファンの風切り音に低音がわずかに混じる
バッテリー駆動時間 VAIOの2台に次いで長時間駆動が可能だった
バッテリーオプション 公称約5時間動作の軽量バッテリーを用意
ACアダプタの携帯性 VAIOの2台に次いで小型軽量


半歩先行くアーキテクチャで快適化――FMV-BIBLO LOOX R70Y(富士通)

「FMV-BIBLO LOOX R70Y」

 富士通のFMV-BIBLO LOOX R70Yは、今回取り上げた6台の中ではLaVie J LJ750/LHに次いで新しいモバイルノートPCだ。2007年12月18日に製品概要が発表され、2008年1月16日にCPUやチップセットの詳細が明らかになるなど、段階的に情報が公開された経緯がある。

 段階的な情報開示となった理由は、インテルの新しいCPUとチップセットを搭載しているからだ。CPUに低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)、チップセットにIntel GS965 Expressを採用しており、これらはアップルの「MacBook Air」と同様、通常のCore 2 DuoとIntel 965 Expressファミリーに比べて小型のパッケージを用いている。

小型パッケージの低電圧版Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)

 FMV-BIBLO LOOX R70Yの特徴は、まさにこのCPUとチップセットによる恩恵と言える。6台の中で頭1つ抜け出るパフォーマンスを発揮しつつ、冷却性能や静音性も高い。3基のUSB 2.0ポートやBluetooth 2.0+EDR、4個のワンタッチボタンを備えるなど、機能もなかなか豊富だ。1280×800ドット表示に対応した12.1インチワイド液晶ディスプレイの視認性やキーボードの操作性なども手堅くまとまっている。

 基本性能が高く、目立った弱点もないFMV-BIBLO LOOX R70Yは、幅広いユーザーにおすすめしやすいオールラウンダーだ。従来機種に相当するLOOX Tで重視されてきたポイント(フラットな天板の薄型ボディ、着脱式ベイ構造、ワンセグチューナーをはじめとする付加機能など)が失われた点は賛否両論だろうが、実用性は高い。

FMV-BIBLO LOOX R70Yの検証結果
項目 評価 説明
本体サイズ 画面サイズが大きい割にフットプリントは2番目に小さい。後方部は厚みがある
重量 約1.27キロでLaVie J LJ750/LHに次いで重い
ボディの頑丈さ 加圧試験200kgfをクリア。天板と右パームレスト周辺部がたわむ
光学ドライブ 9ミリ厚のDVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブ
拡張端子 USBポートは3基、IEEE1394を装備
通信機能 1000BASE-Tの有線LAN、IEEE802.11a/g/bの無線LAN、Bluetooth 2.0+EDR、FAXモデムを装備
付加機能 特になし
セキュリティ&認証機能 指紋センサ搭載
液晶ディスプレイ 1280×800ドット表示の12.1インチワイド液晶(光沢)を搭載。高解像度でサイズが大きい。狭額縁を採用
キーボード レイアウトは自然。縦方向のキーピッチが少し狭く、底つき感はイマイチ
タッチパッド サイズは大きめだが、ボタンが少し押しにくい
ワンタッチボタン 4個のボタンを搭載(いずれもプログラマブル)
パフォーマンス Core 2 Duo SL7100(1.2GHz)、Intel GS965 Expressチップセット、2.5インチHDDの採用で良好
メモリの拡張性 スロットは2基で、1Gバイトのモジュールを標準搭載。4Gバイトまで拡張可能
発熱の少なさ 全体的に温度が低く優秀
静音性 アイドル中でもたまにファンが少し高速になるが、比較的静か
バッテリー駆動時間 大容量のバッテリーを装備しているが、6台の中では標準的な駆動時間だった
バッテリーオプション 公称約7.5時間動作の軽量バッテリーを用意
ACアダプタの携帯性 6台の中で唯一、スティック型を採用。重量は標準的だ


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