――まずはMac miniから紹介をお願いします。
スメルツァ Mac miniは、最も安価にMac OS XとiLifeを手に入れられるソリューションです。価格だけでなく本体のサイズも小さいのですが、我々はこのコンパクトなサイズを保ったまま、よりよい製品へと進化させました。
製品構成は2種類で、下のモデルは6万2900円から購入できるのですが、このモデルがこれまでのMac miniの最高速プロセッサを搭載しています。メモリ容量も2倍の2Gバイト、しかも高速な1066MHzのメモリです。また、MacBookと同じNVIDIA GeForce 9400Mまで搭載しています。HDD容量は160Gバイトで、もちろんスロットローディングのSuperDriveも備えています。
8万4900円のモデルは、2.53GHzのCPU、4Gバイトのメモリ、320GバイトのHDDを搭載。同モデルは以前のMac miniに比べて25%速いパフォーマンスを実現しています。
――Mac miniといえばもう1つ新製品がありますよね。
スメルツァ その通りです。実は今回、Mac miniにもう1つ新しい構成を用意しました。この新しい構成を開発するにあたり、我々はまず、人々がMac miniをどうやって使っているかに着目しました。
ほとんどの人々はキーボードとマウス、ディスプレイをつないで、普通に使っていました。ちなみにアップル製のキーボード、マウス、ディスプレイか、他社製のものかはほぼ半々の比率です。
一方で、例えば車載コンピューターにするなど、普通ではない使い方をしているユーザーも大勢いました。そうした使い方の中でも、特に目立っていたのがMac OS X Serverを入れてサーバとして使っている事例です。このため我々もその利用法に着目し、サーバ向けのMac miniを開発することになりました。
新構成では、まず光学式ドライブを取り去りました。それによって本体内のスペースに余裕ができ、2台目のHDDを内蔵できるようになりました。500GバイトのHDDを2台内蔵して1Tバイトを内蔵できるようになったのです。2台のHDDどう使うかはユーザー次第で、Time Machine機能のバックアップ用に使うこともできれば、ディスクアレイとしてミラーリングやディスクパフォーマンスの向上に使うこともできます。
――CD-ROMやDVDの読み込みには外付けのSuperDriveを使うんですね。
スメルツァ そうです。あるいはネットワーク接続されたほかのマシンの光学式ドライブを使うことも可能です。ちょうどMacBook Airと同じだと考えてください。
この構成のMac miniはOSとして最初からMac OS X Server Snow Leopardがプリインストールされていて、箱から取り出すだけで、クライアントユーザー数無制限の高性能サーバとして活用できるのです。
Snow Leopard Serverは、例えば弁護士事務所のような中小規模の企業はもちろん、教育機関などにも向いた中小規模の組織でのワークグループ利用に向いたサーバになっています。価格は10万4900円です。
――これは素晴らしい製品ですね。実際にユーザーからのリクエストもあったのでしょうか?
スメルツァ 実は我々はMac OS X Serverユーザーについても調査をしていました。Mac OS X Serverを使っているユーザーで最も多かったのはXserveを使っている人とMac Proを使っている人で、この順で1位と2位でしたが、それに続いてMac miniを使っている人もそれなりの数いることが分かりました。つまり、これまでにもすでにMac miniをサーバとして活用していた人は、大勢いたのです。そこで、我々のほうからも歩み寄って、そうした人々が望んでいる構成を提供しよう、ということになったのです。
――実際にそうした使い方をしていたのは、どんな方たちなんでしょう?
スメルツァ さきほども行ったよう弁護士事務所クラスの小規模事務所や教育機関における教室内サーバのような使い方です。
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