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» 2009年12月14日 17時30分 UPDATE

マルチタッチ×フルHD液晶×BD×3波ダブルチューナー:VAIO秋冬モデル“もう1つの目玉機種”――新生「VAIO L」を攻略する(前編) (1/3)

極薄軽量ノート「VAIO X」がよく目立つVAIO秋冬モデルだが、もう1つの要注目機種がマルチタッチ対応の液晶一体型PC「VAIO L」だ。その実力やいかに!?

[都築航一(撮影:矢野渉),ITmedia]

Windows 7発売に合わせてVAIOの“L”がフルモデルチェンジ

tm_0912vaiol01.jpg 「VAIO L」

 Windows 7とともに登場したソニーのVAIO秋冬モデルにおいて、デスクトップ機の目玉機種となるのが「VAIO L」だ。従来のラインアップでいえば「VAIO type L」の後継にあたる液晶一体型デスクトップPCだが、まるで新シリーズに思えるほど大幅なモデルチェンジを果たしている。

 店頭販売されるのは、VAIOで初めて光学式タッチパネルを液晶ディスプレイに組み込んだ上位機「VPCL119FJ/S」と、タッチパネルを省いた下位機の2モデル「VPCL118FJ/S」「VPCL118FJ/T」で、液晶ディスプレイ関連以外の仕様は両者でほぼ共通だ。今回は上位のVPCL119FJ/Sを評価機とした。一方、ソニースタイル直販のVAIOオーナーメードモデルでは、CPUをはじめとした基本スペックからソフトウェアにいたるまで、構成を細かく選択できる。

 今回は前・後編に分けての長編レビューになるため、最初に製品の特徴をかいつまんで紹介しておこう。まず、光学式タッチパネルも選択できる24型ワイドと大きな画面サイズのフルHD液晶ディスプレイ、地上・BS・110度CSのデジタル3波ダブルチューナー、記録型Blu-ray Discドライブなどをすべて盛り込んだ「全部入り」の構成が、ハードウェアとしての見どころだ。デジタルコンテンツの視聴を中心に、リビングルームでの利用を強く意識した作りになっている。

 ソフトウェアでは、Office Personal 2007など定番タイトルも用意するが、これまでと同様、自社開発のアプリケーション群が「VAIOらしさ」の核をなしており、とりわけ外部のデータベースやVAIO自身の生成したメタデータを活用するアプリケーションが際立っている。

 高度な解析機能をさらにパワーアップさせたテレビ視聴・録画ソフト「Giga Pocket Digital」はもちろんのこと、2009年秋冬モデルでは新開発のコンテンツ再生ソフト「Media Gallery」も追加された。これにより、静止画、動画、音楽といったデジタルコンテンツを単に管理・再生できるだけでなく、ユーザーが鑑賞したいだろうと思われるものをVAIOが自動的かつ積極的に選び出すようになった。いわば「提案する」機能を強化したわけで、これこそがVAIO Lの「新しい価値」といえる。

 なお、Media GalleryはノートPCの「VAIO C」にもプリインストールされているが、タッチオペレーションに対応したVAIO Lでの使い勝手が、やはり気になるところだろう。

ループデザインのボディに十分な基本スペックを凝縮

tm_0912vaiol02.jpg ループデザインと大画面ディスプレイを組み合わせたデザインは「VAIO J」の兄貴分といった印象だ。画面下の空いたスペースには、キーボードを収納できる

 液晶パネルを取り囲む額縁部の外枠が本体全体を支える「ループデザイン」は、従来からあるエントリー機「VAIO J」などに通じるもので、斬新さは感じないものの、シンプルで嫌みがないデザインといえる。ループデザインと24型ワイドという大きな液晶パネルの組み合わせは、なかなかの迫力だ。

 とはいえ、奥行きは最小で190ミリ、本体を最も寝かせた状態でも300ミリと、画面サイズの割にはコンパクトに設置できる。本体最小傾斜時のサイズは582.4(幅)×190(奥行き)×429(高さ)ミリ、重量は12.5キロだ。電源を本体に内蔵しており、巨大なACアダプタなどに悩まされずに済むのもありがたい。ただし、調整可能なチルト角は構造上6度から30度までと制約があり、スイベルもできない点はデザインとのトレードオフとして覚えておくべきだろう。

 なお、今回試用したVPCL119FJ/Sは外枠がシルバーの1モデルのみだが、下位機はシルバーのほかにブラウンも選べる。また、VAIOオーナーメードモデルには全体が黒で統一されたブラックも限定色として用意される。なお、ワイヤレスマウスも外枠と同色のものが付属する。

tm_0912vaiol03.jpgtm_0912vaiol04.jpgtm_0912vaiol05.jpg 左から、シルバー、ブラウン、ブラックのカラー。よく似たデザインのVAIO Jにはピンクやライムグリーンといったカジュアルな印象のカラーもあるが、VAIO Lは落ち着いた3色展開となっている

 PCとしての基本的なコンポーネントは、液晶パネルの裏側に実装している。液晶一体型デスクトップPCでは省スペース化のためにノートPC用デバイスを積極的に採用した製品も少なくないが、VAIO LはIntel P43 Expressチップセットをベースに、Core 2 Duo E7500(2.93GHz/2次キャッシュ3Mバイト)のCPU、1Tバイトの3.5インチSerial ATA HDD(7200rpm)を1台搭載したデータストレージ構成など、デスクトップPC向けのデバイスが目に付く。

 ただし、メモリの装着にはノートPC用のSO-DIMMスロットを4基使う仕様で、ユーザーが容易にアクセスできるのは2基の空きスロットに限られる。出荷時にはユーザーが容易にアクセスできないほうのスロット2基(露出させるには分解が必要となり、メモリの交換は非サポート)に2Gバイト×2のPC2-6400メモリモジュールが装着されており、空きスロット2基に4Gバイトのモジュールを2枚装着すれば、合計12Gバイトまで拡張できる仕組みだ。

 グラフィックス機能は外部GPUのNVIDIA GeForce G210M(グラフィックスメモリは512Mバイト)を採用しており、インテルのチップセット内蔵グラフィックスを超えた3D描画性能を備えている。光学ドライブは4倍速の1層BD-R書き込み(2層BD-Rは2倍速)に対応した、スリムタイプのBD-RE/DVDスーパーマルチ一体型ドライブだ。

tm_0912vaiol06.jpgtm_0912vaiol07.jpg 背面のネジ止めされた小さなカバーを開くと、2基の増設用SO-DIMMスロットにアクセスできる(写真=左)。光学ドライブはノートPC向けのスリムドライブを採用するため、コンパクトにまとまっている半面、書き込み速度はデスクトップPC向けの5インチドライブより遅くなる(写真=右)

 なお、VAIOオーナーメードモデルでは、CPUにCore 2 Duo E8500(3.16GHz/2次キャッシュ6Mバイト)やクアッドコアのCore 2 Quad Q9400S(2.66GHz/2次キャッシュ6Mバイト)、メインメモリに最大12Gバイト(4Gバイト×2+2Gバイト×2)のDDR2 SDRAM、GPUにNVIDIA GeForce GT 240M(グラフィックスメモリは1Gバイト)、データストレージに最大2TバイトのHDD(5400rpm)、光学ドライブにBD-ROM/DVDスーパーマルチ一体型ドライブなどが選べる。よりハイスペックな構成が可能なわけだが、Core i5やCore i7といった最新アーキテクチャの採用は見送られている。

タッチパネル搭載機はHDMI入力もサポート

 インタフェース類については、ボディサイズの割に拡張性がさほど充実していない。外部ストレージなどの接続は左側面に2基と背面に3基用意されたUSB 2.0、および左側面のIEEE1394(S400/4ピン)が担う。VAIO Lの強力なAV機能を考えると、外付けHDDなどを高速に接続できるeSATAのようなインタフェースがないのは少し物足りない気もする。

 そのほか、メモリースティック デュオスロット(PRO-HG対応)、SDメモリーカードスロット(SDHC対応)、FeliCa 2.0ポート、有効画素数約31万画素のWebカメラ、光デジタル音声出力(角型)などを用意している。

 また、タッチパネル搭載機に限り、HDMIとコンポジットの両ビデオ入力端子を備えているのは面白い。これらの端子はPCとは独立しているので、映像の取り込みには使えないものの、PCを起動しなくても外部ディスプレイとして活用できる。例えば、PCの電源はオフにしたまま、プレイステーション 3をHDMIで接続すれば、本体を24型フルHD液晶ディスプレイとして使えるというわけだ。子画面表示によるPCの画面との同時出力に対応するのも見逃せない。

 通信機能は1000BASE-Tの有線LAN、IEEE 802.11b/g/nの無線LAN(11nはドラフト準拠)、Bluetooth 2.1+EDRを完備し、ワイヤレスでネットワークや周辺機器に接続できる。

tm_0912vaiol08.jpgtm_0912vaiol09.jpgtm_0912vaiol10.jpg 主要なインタフェースは左側面に並ぶ(写真=左)。右側面には、光学ドライブをはじめ、HDMI/コンポジットビデオ入力切り替え、メニュー操作、音量調整などのボタンが並ぶ(写真=中央)。入力切り替えボタンは外部ディスプレイの電源ボタンを兼ねている。フレームの天面には、電源ボタンとディスプレイオン/オフ切り替えボタンが用意されている(写真=右)

 キーボードとマウスはデジタル無線方式によるワイヤレス接続なので、デスクやリビングテーブルで配線がちらかることはない。デザインもボディに合わせて、洗練されたものになっている。そのほか、後編で紹介するテレビ機能の操作に便利な赤外線リモコンも付属する。

tm_0912vaiol11.jpgtm_0912vaiol12.jpgtm_0912vaiol13.jpg キー間隔を離したアイソレーションタイプのテンキー付きキーボードと、スクロールホイール付き光学式マウスはいずれもワイヤレスで接続できる(写真=左)。テレビ機能の操作に欠かせないリモコンも付属する(写真=中央/右)

Sony Style(ソニースタイル)


Sony Style(ソニースタイル)

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