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» 2010年10月06日 12時41分 UPDATE

5分で分かった気になる、9月のアキバ事情:FF14が圧倒的な影響力を示した9月のアキバ (1/2)

ついに発売されたFF14がグラフィックスカードやショップブランドPCの売れ行きを大きく左右し、キラーコンテンツぶりを発揮。最初の波が去ったあとの変化も小さくなく、1カ月を通して存在感を放っていた。

[古田雄介,ITmedia]

「購入前提の人の数が異例なレベルでした」――電気街に特需を起こしたFF14

og_akibam_001.jpg T-ZONE.PC DIY SHOP前に掲げられたFF14のポスター

 9月中、アキバで最も注目を集めたのは、なんと言ってもスクウェア・エニックスのMMOPRG「ファイナルファンタジー XIV」(以下、FF14)だ。PS3版よりもPC版の発売が早く、通常版は9月30日に、ゲーム内アイテムなどの特典を同梱した「コレクターズエディション」は9月22日に販売されることが決まっていた。

 7月、8月の間もグラフィックスカードの売れ行きに大きな影響を及ぼしており、ツートップ秋葉原本店は「ベンチマークが公開されたときは平均的にスコアが高かったRadeon勢がヒットしましたね。その後、FF14側の改良を経て、GeForce GTX 460あたりが定番化しました。それでもRadeon HD 5800シリーズなどのハイエンドカードは順調に売れています。とにかく、ミドルレンジ以上のグラフィックスカードがこれだけ長い間かけて大量に売れるのは滅多にないことです」と振り返る。

 グラフィックスカード以外にも、FF14推奨環境をそろえたショップブランドPCのヒットが目立っており、コレクターズエディションの発売が近づくにつれて“特需”は加速していった。どこのショップでもFF14のポスターやFF14にからめたPOPがみられる状況で、9月22日0時にはソフマップ秋葉原アミューズメント館とアソビットシティが深夜販売を実行するまでに至る。ソフマップ秋葉原本館の店員氏は「ウチだけでも300人近くの人が集まりました。システムの始動が22日からということもあり、好みの名前を登録したり、いち早くレベルを上げたい人が集結したようです」と語る。

 ただし、同日を頂点にして、特需は一旦落ち着いた様子だ。9月後半、コレクターズエディションを店頭に並べたクレバリー1号店は「お一人様1個までで販売していましたが、あまり動きがないので個数制限を外しました。予約販売と深夜販売で初回に絶対買うというコア層の需要がいったん満たされた感がありますね。現在は、FF14のシステムの粗がネットで話題になったりしているので、それらが改善されたあとからプレイしようと様子見している人が多いようです」と推測していた。

 9月30日に通常版が発売されたあとも状況に大きな変化はなく、FF14同梱で話題を呼んだGeForce GTX 460カード「ENGTX460 DIRECTCU/2DI/1G/FF14」が同日に発売されるも、複数のショップがヒットとはいかない状況と話していた。それでも、約3カ月間も圧倒的な影響力を持ったソフトに対して「まさしくキラーコンテンツといえるでしょう。下手なOSよりも期待感が高く、求められるスペックも高いので、我々としてはかなりありがたい存在でした。現在も潜在的なニーズは相当あると思います」(某ショップ)と、今後の盛り上がりを期待する声は根強い。

og_akibam_002.jpgog_akibam_003.jpgog_akibam_004.jpg 9月中旬、ソフマップ秋葉原本館に張られていた深夜販売の告知ポスター(写真=左)。1万円前後で売られているスクウェア・エニックス「ファイナルファンタジー XIV コレクターズエディション」(写真=中央)。3万円弱で登場したASUSTeKの「ENGTX460 DIRECTCU/2DI/1G/FF14」(写真=右)

「目立たないけど重要なラインでしょう」――GeForce GTS 450カードが登場

og_akibam_005.jpg クレバリー1号店の月間人気トップモデル

 FF14特需により、GDDR5 1Gバイトメモリを搭載したGeForce GTX 460カードが多くのショップで人気ナンバーワンのグラフィックスカードとなっていた。クレバリー1号店は「LOW設定なら十分なパフォーマンスで遊べますし、オーバークロックモデルでも2万5000円程度で買えるというコストパフォーマンスの良さが定番化の理由だと思います。また、SLIを構築しても高性能が期待できるということで、FF14以外の目的で購入する方もかなりいらっしゃいますね」と語る。

 そうした本数の出るラインに加え、9月中旬にはGeForce 400シリーズで最下位となる「GTS450」を搭載したカードも登場した。上位の400シリーズと同じくFermiアーキテクチャを採用しており、6ピン補助電源1つで稼働する。CUDAコアは192基で、標準仕様のメモリはGDDR5 1Gバイトとなる。平均的な価格は1万5000円強から1万円強。ドスパラ秋葉原本店は「コストパフォーマンスに優れたラインで、GTX 460はちょっと高いと感じる人にぴったりのカードといえるでしょう。初回からロープロファイル対応カードも出回っているので、ケースに制限がある人にも魅力的な選択肢になると思います」と話していた。

 発売から1週間経過した月後半に売れ行きを聞いて回ったところ、目立った売れ行きをみせたショップはなかった。ただし、その状態を期待通りとみる店員さんも多い。TSUKUMO eX.は「1万円台前半はRadeonの天下という感じが続いていますが、そこにGeForceが切り込んできたのは大きい。GeForce 200系のローエンドは1万円以下のラインになるので、この部分だけすっぽり空いていたんですよ。目立った売れ行きがなくても、ゲームのライト層やデュアルディスプレイでAV鑑賞する人など、ちょうどこのあたりのグラフィックスを求める人は確かにいるので、重要なラインだと思いますよ」と評価していた。

og_akibam_006.jpgog_akibam_007.jpgog_akibam_008.jpg ツートップ秋葉原本店に並んだGeForce GTS 450カード(写真=左)。ドスパラ秋葉原本店に入荷したPalit製のGeForce GTS 450カード。2段スロット占有のロープロファイルモデルも用意している(写真=中央/右)

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