新型「MacBook Pro」を眺めて思う本当のすごさ驚くべきは中身か外見か(3/3 ページ)

» 2011年03月01日 11時46分 公開
[林信行,ITmedia]
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アルミ板に凝縮された次世代の性能

 それでは次に、2年前から変わらない円熟なボディに埋め込まれた、まったく新しい頭脳、まったく新しい魂のほうに注目をしてみよう。まずは最新の頭脳とでも言うべき新世代のCoreプロセッサーから。

 Sandy Bridgeのコード名で開発されていた第2世代Coreプロセッサーファミリーの最大の特徴はGPU、つまりグラフィックスの実行エンジンがCPUコアと同じチップに統合されたことだ。そしてそこに最大8Mバイトの3次キャッシュが内蔵されたことで、相互に外部のメモリを通したときよりも圧倒的に高速なデータのやりとりができるようになった。アップルの公式ホームページでは、新しいFaceTime HDによるハイビジョン画質での通話もこの統合によって可能になったと書かれている。

 ちなみにチップの中にはメモリコントローラも統合されており、そこに1333MHzで高速動作する外部メモリが直結できるようになっている。それに加え、従来のプロセッサ通りのHyper Threading Technology(各コアで2つのプログラム実行単位を同時に処理することで、コア数を実際の倍に見せる技術)も継承していれば、使用しているアプリケーションの負荷に応じてCPUの動作速度を自動的に調整するTurbo Boost機能もTurbo Boost 2.0に進化しており、より細かな調整が可能になった。

 こうしたことのおかげで、CPUのパフォーマンスは昨年のモデルと比べて最大2倍を達成。これまで1年後の新モデルの進化というのは数十%にとどまることが多かったが、触れば誰でも違いが分かるレベルに大幅に跳躍したのだ。

 製品担当者による説明会では、Modo 501という3Dレンダリングソフトによるデモが行われたが、ただのワイヤー状のモデルが、目の前でほんの数秒間で内蔵15インチディスプレイを埋め尽くす高精細な写真のようなスポーツカーと川(海?)と、そこにかかった橋の映像に変ぼうした。

 MacBook Proシリーズの15/17インチモデルは、この高性能なCPUに加え、AMD Radeon HD 6490Mまたは6750Mという独立したGPUを採用し、上位モデルでは1GバイトのGDDR5のグラフィックス専用メモリを搭載することで、3Dゲームなどを含むグラフィックスの性能が最大で3倍に達しているという。

 こうした内部の進化に加え、やはり今回最大の特徴となっているのが、Mini DisplayPortの機能を包括する形で搭載されたThunderboltの技術だが、これは最大10Gbps、なんとFireWire 800の12倍、USB 2.0の最大20倍、そして最新のWindows機に搭載されているUSB 3.0と比べても2倍のスピードでデータを転送できるのだ。

 これだけの高速接続をする周辺機器となると、かなり種類も絞られてくるが、製品説明では「PROMISE PEGASUS」と書かれたRAIDドライブと、LaCieが開発中というSSDドライブが紹介された(おそらく普通のHDDでは、Thunderboltの帯域を生かし切れないためSSDなのだろう)。

 Thunderboltは、FireWireのように機器の連携が可能で、今回の説明会ではMacBook Proから伸びたThunderboltケーブルがRAIDドライブの背面に入り、PROMISE PEGASUSに用意されたもう1つのポートにApple LED Displayが接続されていた。

 ちなみに今回、紹介されたRAIDドライブは、普通にコンセントから電源を取っていたが、Thunderboltポートは最大10ワットの電源を供給できる。今後、どんな周辺機器が登場してくるか、アップルの担当者も楽しみにしている、ということだった。

 これら最新技術を搭載したうえで、バッテリー動作時間も従来通り最大7時間になっている点もすばらしい。MacBook Pro説明会に関するもう1つの記事を読んでない人は、「どうして7時間で従来通り?」と思うかもしれないが、アップルは最も人気が高いWebページ数十個(Adobe Flashなどを利用したサイトを含む)を選び、現実の利用シーンにあわせたバッテリー動作時間のテストを、昨年秋のMacBook Air発売時から採用しているという。そしてこの新しいテストによる検証では、最大10時間動作といわれた昨年のMacBook Proでもほぼ同じ最大7時間の動作だったという。アップルは最先端の技術を同じボディに収め、それでいて同じバッテリー動作時間を保ったわけだ。

硬派なテクノロジーの凝縮が、血の通った成果を生み出す

 内蔵技術にしても、新世代の周辺機器接続技術にしても、硬派な魅力が満載の新型MacBook Proだが、ハードウェア、OS、そしてアプリケーションをも自ら開発するアップルが、この新世代の象徴として新たに開発しデビューさせたのがテレビ電話機能であるFaceTimeのHD版、「FaceTime HD」というのが非常に面白い。

 新MacBook Proでは、内蔵カメラの解像度が3倍になったことでハイビジョン画質での通話が可能になっている。このハイビジョンのカメラ、個人的には講演などでiPadのアプリケーションを紹介するときに非常に便利なので、ぜひプレゼンテーションソフトのKeynoteに、プレゼンテーションを終了せずにFacetime HDカメラの映像を映し出す機能を加えて欲しいと伝えたところ、担当者はKeynoteチームはすぐ近くにいるので要望を伝えておく、と約束してくれた。

 なお、MacBook Proの発売に合わせて、これまで無料でβテストされていたFaceTime HDのアプリケーションが、MacApp Storeにて115円で有料販売されることになったが、この件について担当者に聞くと、「無料で提供したいところだが、販売時に宣伝されていた以外の機能を商品に無料で追加できないとするサーベンス・オクスリー法に配慮して」の措置だということだった。

 ラセター氏の「アートはテクノロジーにインスパイヤされる」という言葉を思い起こさずにはいられない新型MacBook Proの登場で、どんな新しい映画が作られ(今回、惜しくもアカデミー賞を逃した「ソーシャルネットワーク」はアップルのFinal Cut Proで編集されている)、どんなテレビ番組、どんなCM、どんな写真や文章が生み出されるかを考えると楽しみでならない。

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価格は、13インチが10万8800円〜、15インチが15万 8800円〜、17インチが21万4,800円〜。


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