さておき、IdeaPad Yoga 11Sにおける機能・仕様の決め手は通常のノートPCスタイルはもちろん、使用状況に合わせて4つのスタイルに「変形」できること。
“コンテンツを作成”する作業では、キーボードを使う通常のノートPCモード。出先や机上で写真・動画を再生したり、ながらWebチェックするといった“コンテンツを見る・読む”ときはテントモードかスタンドモード。そして手にして立ったまま使う、あるいは人に見せながら説明するときはタブレットモードに変形して。作業内容、使用場所、利用シーンに応じてディスプレイを“グニッ”と回転させるだけでそれに適した形で使用できる。また、そんな多機能な面を持ちながら重量も実測1.36キロで、T430sよりもかなり軽量。バッグへの収まりもけっこう良好なのである。
ThinkPadユーザーとして非常に気になる、キーボードの打ち心地はどうか。筆者がThinkPadを選び続けている最大の理由は、キーボードの打鍵感と省略・縮小されているキーの少なさにある。配列は2013年7月現在のThinkPadシリーズで採用される6列プレシジション・キーボードに極めて近く、日本語JIS配列は右端のキーが若干縮小されているものの、戸惑うことはほぼない。薄型化が著しいUltrabookの中には打ち心地がペラペラ、あるいは剛性が低くキー入力でボディやキーボードユニットがたわんでしまうような“残念キーボード”となったモデルもいくつかあるが、Yoga 11Sは底面がカッチリ堅く、剛性感も上々だ。一方、ポインティングデバイスはいわゆる普通のクリックパッドのみで、ThinkPadではなくIdeaPadのため、トラックポイントは残念ながら実装しない。また、Home/EndキーがFnキーとのコンビネーションになっていることや、キーストロークもちょっと浅めなのだが、これは“最高クラス”と名高いT430sのそれと比べてのこと。逆に、想像より打ちやすかったのに驚いた。これなら常用できる範囲だ。
さて、OSの入れ替えはクリーンインストールすることが多い筆者としては、デバイスドライバやユーティリティーソフトウェアがサポートサイトでしっかり公開されているのも、これまでThinkPadシリーズを選び続けていた理由であった。この点IdeaPadであるYoga 11Sも、ThinkPadシリーズと同様にレノボ・ジャパンのサポートサイトにデバイスドライバが公開されている。こういう体制であれば、例えばWindows 8.1がリリースされた時のクリーンインストールも(おそらく)安心である。
CPUはやはり予算が許す限りハイスペックに、ということでCore i7-3689Y構成を選択。CPUはやはり高速なほど個人的な満足度も高いというものである。
オレンジ、いいかも♪ こんなところをポイントにしたのはさておき、軽量サブマシンとして早速Yoga 11Sは出先で予想外に活躍している。仕事での打ち合わせ/プレゼンテーションやデジカメ画像整理をはじめとして、どんな処理もキビキビこなしてくれるのも好印象である。とてもよい相棒になりそうだ。
(続く)
次回より「では、どこがどのように便利なの?」の点について今後数回に分けて展開する予定です。
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