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» 2016年08月18日 06時00分 公開

鈴木淳也の「Windowsフロントライン」:「Windows Holographic」の複合現実が2017年に一般PCへやって来る

2017年はWindows 10のアップデートにより、一般的なPCでも「Windows Holographic」が楽しめるようになるという。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

 8月16日(米国時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催された米Intelの開発者会議「Intel Developer Forum(IDF)」の基調講演に、ブライアン・クルザニッチCEOが登壇。ゲストとして招かれた米MicrosoftのWindows&デバイス部門担当であるテリー・マイヤーソン上級副社長は、「Windows Holographic」プラットフォームについてIntelとの提携を発表するとともに、同プラットフォームをWindows 10搭載の一般PCにも対応させる予定を明らかにした。

Windows Holographic 1 2017年、「Windows Holographic」がWindows 10搭載の一般的なPCでも利用可能になるという
Windows Holographic 2 米Intel CEOのブライアン・クルザニッチ氏と握手する米Microsoft Windows&デバイス部門のテリー・マイヤーソン氏

 2016年6月初旬に台湾の台北市で開催されたCOMPUTEX TAIPEI 2016において、マイヤーソン氏はWindows Holographicプラットフォームのサードパーティーへの開放を発表しており、今回はその情報のアップデートとなる。

一般PCでもWindows Holographicが利用可能に

 Microsoftは自社で開発中のヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイス「HoloLens」の技術によって、拡張現実(AR)より進んだ概念として、現実世界と仮想現実(VR)が融合した「複合現実(Mixed Reality)」の実現を目指している。

 この仕組みをHoloLensに限らず、他社のVR HMDでも体験可能にし、HoloLens装着者との共同作業も可能にする「Windows Holographicのサードパーティーへの開放」を発表したのが、前述したCOMPUTEXの会場だった。

 Windows Holographicに対応するOEMデバイスの登場は、2017年後半を見込んでいる。壇上のデモで披露された「HTC Vive」などのサードパーティー製品が、次回のCOMPUTEXが開かれる2017年半ばにはより詳しく紹介されることになるだろう。

 2016年のCOMPUTEXではDellの「Alienware」など各種ゲーミングPCブランドがWindows Holographicの提携パートナーとして紹介されていたが、今回のマイヤーソン氏の発表によれば、ゲーミングPCのような高性能マシンだけでなく、メインストリームと呼ばれる「一般向けの普及型PC」にまで拡大していく意向だという。

Windows Holographic 3 Microsoft HoloLensだけでなく、通常のメインストリームPCにもWindows Holographicの仕組みを提供。2017年のWindows 10アップデートで対応する予定だ

 ここで言うメインストリームPCとは、外部GPUを用いたデスクトップPCやノートPCだけでなく、手のひらサイズのNUC「Skull Canyon」(Iris Pro Graphics 580といったIntel CPU内蔵GPUではハイエンドなグラフィックスを装備)のようなデバイスもターゲットにしている。つまり、一般的なPCでも2017年にはWindows Holographicの複合現実が体験できるようになる。

Windows Holographic 4 ここで言うメインストリームPCとは、高性能なGPUを搭載したゲーミングノートPCではなく、マイヤーソン氏が手に持つようなNUC型デバイス(Skull Canyon)も含まれている
Windows Holographic 5 IntelのNUC「Skull Canyon」は、第6世代Core(開発コード名:Skylake)内蔵GPUのIris Pro Graphics 580を備えている。このNUCでも90fpsでWindows Holographicの体験が可能という

 Microsoftは、高品質な映像やユーザー体験よりも、多くのユーザーにWindows Holographicを身近に感じてもらい、利用してもらうことを優先している印象だ。

Windows 10のアップデートでWindows Holographicに対応

 Microsoftは2017年に行うWindows 10向けのアップデートで機能を強化し、こうしたメインストリームPCでもWindows Holographicの仕組みを利用可能にする。

 前回、Microsoftは2017年の春に「RS2」、夏から秋のタイミングに「RS3」という大規模アップデートを2回に分けて配信する計画があると紹介した。時期的に考えれば、このうちのRS3の目玉がWindows Holographic技術の追加となる可能性がある。

 マイヤーソン氏はWindows Holographicの提供スケジュールもアップデートし、このWindows Holographic対応に必要となるPCとHMDの最初のスペックを、2016年12月に中国の深センで開催されるWinHEC Shenzhenにて公開する予定だ。

 対応するOEMデバイスについては当初の予告通り、2017年後半の登場を見込んでいる。今回のIDFで発表されたIntelのRealSense搭載VR HMD「Project Alloy」もこのタイミングで投入されることになりそうだ。

 Project AlloyはWindowsベースHMDであり、HoloLensが半透過型ディスプレイを採用するのに対し、通常の透過しないディスプレイを用いているが、RealSenseカメラで撮影した現実世界にVRの世界を重ねて映し出せる。

 まずは2016年末のWinHECでのアップデートに注目したい。

Windows Holographic 6 2016年12月に中国の深センで行われるWinHEC Shenzhenにて、Windows Holographicの要求スペックに関する詳細が公開される。2017年後半には、対応デバイスの提供がOEMから開始される予定だ

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