Windows Phone 7が“ゲーム市場”で有利な理由――Windows Phone 7の戦略を聞く(後編)神尾寿のMobile+Views(1/2 ページ)

» 2010年05月07日 11時00分 公開
[神尾寿,ITmedia]

 スマートフォン分野の草分けながら、iPhoneやAndroidの攻勢に押され気味のMicrosoft。同社が起死回生の策として繰り出すのが、コンシューマー市場に向けて新たに作り直された「Windows Phone 7」だ。同OSではWindows Mobileから続く過去のしがらみを裁ち切り、UIを筆頭に新たなテクノロジーを注ぎ込む。ITビジネスの世界でモバイルの重要性が増す中で、Windows Phone 7は、Microsoftの今後の成長にとっても重要な戦略商品に位置づけられる。

 Windows Phone 7はどのようなものなのか。強力なライバルに対して、どのように優位性を得るのか。前編に引き続き、マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部長の越川慎司氏に話を聞いていく。

Market Placeの現状と今後

――(聞き手:神尾寿) Windows Phone 7は「コンシューマー」をターゲットにして、UIも抜本的に改善されるわけですが、ひと言でコンシューマーといっても裾野は広いです。Windows Phone 7として、最初にアプローチするのはどのようなユーザー層になるのでしょうか。

Photo マイクロソフト モバイルコミュニケーション本部長の越川慎司氏

越川慎司氏(以下敬称略) これまでのWindows phoneでは、残念ながらピュアコンシューマーと呼ばれるF1層(20〜34歳の女性)が取り込めていませんでした。ここがiPhoneに大きく出遅れてしまったところですので、Windows Phone 7では是非とも狙っていきたい。

 その上で、Windows Phone 7では多層的にさまざまなユーザー層にアプローチしていきたいと考えています。女性層向けのモデルはもちろん、現在ケータイのヘビーユーザーであるティーンエイジャー向けなども考えていきたいですね。

―― Windows phoneがiPhoneに比べて有利なのは、開発メーカーが増やしやすいので、端末ラインアップが拡大できるというところ。Windows Phone 7でOSのUIデザインやコンセプトがコンシューマー指向になれば、ユーザー層の多様さに合わせて最適なモデルを投入することも可能になりそうですね。

越川 Windows phoneがコンシューマー市場向けになってきているというのは、実はWindows Mobile 6.5.3でも少しずつ見られている傾向で、すでに法人向けの直販よりも量販店での販売の方が主流になっています。

 またWindows Marketplace for Mobileの導入も、コンシューマー層への展開で着実な効果を上げはじめています。登録アプリ数ということでは、コンセプトが「セレクトショップ」といえども少ないのですが、ユーザーの声を聞きながらUIデザインや使い勝手をよくすることで、Windows phoneが誰でも使いやすい環境を整えています。

―― アプリやコンテンツ配信のシステムというと、AppleのiTunes StoreやGoogleのAndroidマーケットの勢力が強いですが、Marketplace for Mobileではどのようなポイントに注力しているのでしょうか。

越川 我々のMarketplaceは2月に改訂を行ったのですが、そこでは日本も含めて多くのユーザーの声を反映しました。その代表的なものがリムーバブルストレージのサポートで、MicroSDにアプリがダウンロードできるようになりました。

 それからユーザーの皆さんに評価していただけたのが「World View」という機能です。これは国ごとにアプリのランキングやリコメンド画面を変えるというもので、「日本のユーザーには、日本語のアプリが最初に表示されるべき」という考え方で作りました。しかし、これだけで終わりではなくて、プルダウンメニューで各国ごとのトップ画面が見られるようになっています。これは「旅行」をイメージしていまして、海外旅行をして市場で買い物をするような体験を味わってもらいたいと作りました。各国の画面ではそれぞれの国で人気のあるアプリやお勧めのアプリが表示されますので、これをお土産を選ぶ感覚でダウンロードしていただけたらと思っています。これからさらに登録アプリ数が増えていきますので、こうした掘り出し物を探す、アプリ選びの楽しさもいれていきたいですね。

―― それらは「今すぐに利用できるWindows phoneの楽しさ」というわけですね。

越川 ええ。先日発表された東芝の「IS02」やサムスン電子の「SC-01B」など、Windows Mobile 6.5.3搭載機でも楽しんでいただけるものになっています。

Windows Phone 7のゲーム戦略

―― 前回のインタビューでは、Microsoftのコンテンツ/アプリ戦略の基本は、PCとXbox 360にスマートフォンを加えた「3スクリーンへの展開」にあるとおっしゃっていました。Windows Phone 7投入に向けて、この(3スクリーン戦略の)準備は進んでいるのでしょうか。

越川 まず我々の戦略を整理しますと、Windows Mobile 6シリーズ向けは従来どおりのアプリ開発支援体制を取っていきます。開発者事務局を通じて無償で企業や一般個人のアプリ開発者を支援し、オープンに多くのアプリが開発される体制を強化していきます。また我々は個人開発者の方々を支援したいと考えており、Marketplaceへの登録・公開にかかる初期費用99ドル相当をキャッシュバックするキャンペーンも用意したいと考えています。

―― Windows Phone 7向けの取り組みはどうなるのでしょうか。

越川 Windows Phone 7のアプリはゲーム色が強くなりますので、日本の大手ゲームメーカー6社ほどと、かなり前から交渉や準備を進めています。我々としては、Xbox 360やWindows phoneなど単体のプラットフォーム向けにゲーム開発をしていただくのではなく、是非とも“3スクリーンのシナリオ”を作ってもらいたい。そうお願いしましたところ、かなり前向きに捉えていただき、準備を進めているところです。

―― iPhoneのゲーム市場は、当初はかなりバタ臭いといいますか、海外メーカー製の輸入ゲームが大半だったわけですが、Windows Phone 7では“日本メーカーの日本市場向けゲームが用意される”ということでしょうか。

越川 日本のゲームメーカーに活躍していただきたいと考えていますが、かといって日本市場に限定した展開ではありません。海外市場も含めて、グローバルにゲームを投入してくださいとお願いしています。日本のゲームメーカーの方々にも我々の方針は理解していただいており、準備は順調に進んでいます。

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