次はノートPCを検証してみよう。モバイル用に使用している古めのLet's noteを使用してシャットダウン、スタンバイ、休止を起動、終了を比較してみた。測定方法は、バッテリーを満充電状態にしACアダプターの消費電力を測定した。
起動は、スタンバイからの起動が圧倒的に速く、電力が落ち着くまでは32秒掛かっているが、実際に作業に入れるのは8秒と極めて短時間だ。休止も34秒ほどで作業に入れる状態になり消費電力が落ち着くには50秒ほど必要だった。シャットダウンからの起動は2分ほどで作業に入れる状態にはなるが、消費電力はやや高めで推移した。
終了作業はスタンバイが7秒、休止が29秒、シャットダウンが47秒で消費電力がゼロになった。デスクトップPCと違い待機電力は測定限界以下となった。筆者はノートPCはスタンバイが常用なのでこのまま継続しようと思っている。
ベースとなる消費電力はデスクトップが液晶モニターと合わせて100ワットくらい、モバイルノートPCは13ワットくらいなので圧倒的に省エネとなっている。当然アプリを立ち上げれば消費電力は増えるので、実使用の消費電力はこの値よりも多くなる。
動作 | 消費電力 |
---|---|
起動時 | 最大30ワット |
安定時 | 6〜7ワット |
印刷時 | 20〜30ワット |
スキャナー使用時 | 15ワット |
他のIT機器も一応検証をしてみた。まずはプリンタ。エプソンはページプリンタをインクジェットプリンタに変更すれば93%消費電力が下がると言っている。筆者宅にあるスキャナー付きインクジェットプリンタの消費電力を測定してみた。起動時、印刷時は20〜30ワットを消費するが、待機時は6〜7ワットとそれほど多くない。
機器 | 消費電力 |
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Aterm BL170HV単体 | 4〜5ワット |
Aterm BL170HV+無線LANカード | 6ワット |
VDSL単体 | 6ワット |
合計 | 11ワット |
筆者宅はKDDIの光回線を使用していて、マンションなのでVDSLアダプターとルータ「Aterm BL170HV」を使用している。24時間稼働なので消費電力を調べてみた。Aterm BL170HV単体では4〜5ワット、無線LANカードを使用すると1ワットほど増え6ワットを消費している。VDSLアダプターも6ワットほどで合計11ワットほどとなっている(ワットチェッカーの最低単位が1ワットなので誤差あり)。
筆者の場合は自宅で仕事をしているし、固定電話もつながっているし、家族もいるので24時間稼働しているが、独身の方は使用しないときはコンセントを抜くとそこそこの節電になりそうだ。11ワットで年間の電気料金計算すると2120円となる。
機器 | 消費電力 |
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SW08GTRB | 6〜7ワット |
LSW4-GT-8NS(7ポート使用) | 3ワット |
LSW4-GT-8NS(4ポート使用) | 0 or 3ワット |
最後はルータと同様24時間通電しているハブだ。有線LAN用のハブは数年前から節電対応の製品が出ている。使用していないポートの通電を止め消費電力を少なくするハブだ。発売された当時は、「それほど節電になるのか?」と思った程度だったが、この機会に検証してみることにした。
筆者が従来から使用していたハブはコレガの8ポートのギガビットハブ「SW08GTRB」、これとBUFFALOの「LSW4-GT-8NS」を比較してみた。8ポートのうち、空きポートは1つ。接続先の7つはルータ、アクセスポイント、他のハブ、NAS、PC3台となっている。ハブのランプを見るとPC以外の4ポートは常時使用、PCは主に使用中のCore2Quadはスタンバイ状態でオフとなるが、残りの2台はPCが古いせいか主電源を切らないとLANはオフにならない。待機電力もあるので、古いPCはコンセントでオフにしているのでPCを使用しないときは4ポートを使用してることになる。
従来のハブは常時6〜7ワットを消費。LSW4-GT-8NSは7ポート使用時で半分の3ワット、4ポート使用時には0ワットの表示が続き、時々3ワットと表示された。4ポート使用時の消費電力は平均1〜2ワットになっていると思われ、従来のハブと比較し5ワットほど節電になっている。5ワットは年間で1000円弱の電気料金となる。1台ではそれほど大きな節電ではないが、企業で数十台、数百台を使用していれば大きな節電だ。
IT機器は季節に関係なく使用するので、小さな節電も積み上げれば大きな節電となる。ハブ以外にも節電と謳われる周辺機器が増えているので、興味のある人は検討していただきたい。
震災以降、多くの方がこれほど節電を意識したことはなかったであろう。今回の電力不足をきっかけに、原発、自然エネルギー、発送電分離など色々なことを見直すという視点では、今回の震災が日本の将来に対しプラスになる面もありそうだ。
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