「時短社会」「働き方改革」……。働く時間はどんどん短くなるなかで、時間に追われながら、毎日をがむしゃらに生きる。しかし成果主義のこれからの社会では、その努力は報われそうにない。そんな生きづらい社会のなかで、「遅刻はするけど、きちんと成果を出す」のがひろゆきこと西村博之氏だ。
ゼロからイチを生み出す独自のアイデアで“2ちゃんねる”“ニコニコ動画”を創出し、日本のインターネットメディアをけん引してきた。彼が考える仕事において「本当に頑張るべきこと」とは何なのか。
なまけるのが苦手で、頑張りすぎてしまうビジネスパーソンは、いったい何を意識して働けばいいのか。「成果社会で生き抜くための時間の使い方」を伝えた『なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23』(学研プラス)の中から、ひろゆき流の「なまけもの経営術」をお届けする。
仕事で重要なのは「あなたがいなくては止まってしまう」というボトルネックをなるべく減らして、現場の判断でどんどん回せるようにすることです。
僕が一兵卒だったらいいのですが、トップに立つ僕が権限を全て握っていると、僕の判断待ちで動けないということが必ず発生してしまいます。
もちろん、いつもトップが会社にいるとか、いつでも部下がトップの判断を仰げる状態にすればボトルネックは解決します。実際、そうしている経営者なども多いと聞きますし、上から命令を下すという行為自体にやりがいを感じる人もいるそうですが、僕はあまり好きではありません。基本的に、振れる仕事は全て人に振るようにしています。そうすることで、そのつど現場が判断するので、僕の拘束時間が減るというメリットもあります。
だけど何より、現場が自分たちで判断基準を持って決めたほうが、即座に最適解が出る場合が多いのです。
例えば、そのときどきの仕事相手との関係性とか、短期的に見てどうか、長期的に見てどうかとか、いろんなことを総合して判断しなければいけない場合、僕ひとりで状況を全て聞き出して判断するのでは、時間がかかりすぎるし、見誤ることもあります。
もし僕だったら「断る」と判断するところを、現場の担当者が「長期的に見て利益があるから引き受ける」と判断したなら、その判断に乗って任せてみたほうがいい。
もちろん担当の人間が見誤ったり間違えたりということもありますが、それならば、なぜ間違えたかを考えて判断基準を修正すればいいだけだし、そのほうが、会社としてのメリットはデカいわけです。
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