2006年は10月24日の番号ポータビリティ開始に向け、携帯3キャリアが激しい戦いを繰り広げた1年だった。いずれのキャリアも例年にない数の新端末を投入するとともに、“他社にあって自社にない”サービスの穴を埋めるべく、新たなサービスを続々と開始した。
そんな2006年、どんな記事が多く読まれたのか──。キャリア別にまとめた。
ドコモは番号ポータビリティに伴うシェア争奪戦に向け、“王者のプライド”をかなぐり捨てて挑んだが(5月12日の記事参照)、903iシリーズ投入の遅れなどの影響からスタートダッシュでつまずいてしまった。11月の契約者数ではドコモ始まって以来の純減となるなど(12月7日の記事参照)、苦戦を強いられている。
しかしそうはいってもドコモのシェアは、依然55.2%と半数以上を占める。2007年前半には、既に発表している「D903iTV」「P903iTV」「SH903iTV」のワンセグ端末3モデル、「F903iX HIGH-SPEED」「P903iX HIGH-SPEED」のHSDPA端末2モデルに加え、夏野氏がチラ見せした超スリム端末を含む703iシリーズも登場すると見られる。春商戦に向けてどんな端末やサービスを仕込んで巻き返しを図るのかに注目だ。
番号ポータビリティで好スタートを切ったのがau(KDDI)。ドコモが先行したHTMLメールやニュースのプッシュ配信、テレビ電話などのサービスを(8月29日の記事参照)、対応する秋冬モデルの投入とともに開始(8月28日の記事参照)。Googleとの提携による携帯検索の強化や、グリーとの提携でサービスを開始した携帯SNSサービス「EZ GREE」など、“auならでは”のサービスを矢継ぎばやに打ち出した。
2007年、目標とする「シェア30%獲得」に向けてどんな手を打ってくるのか、また、元祖デザインケータイのセカンドモデルとなる「INFOBAR 2」はいつ登場するのか──など、その動向から目が離せない。
携帯業界激変の台風の目ともいえるのが、ソフトバンクモバイルの“予想外”の動きだ。3月17日のボーダフォン買収に始まり(3月17日の記事参照)、10月1日のソフトバンクモバイル誕生を期に(7月27日の記事参照)、13機種54色(9月28日時点)の新端末投入(9月28日の記事参照)、ソフトバンクモバイルユーザー同士なら通話とメールが0円になる「ゴールドプラン」の提供など(12月8日の記事参照)、次々と新たな施策を打ち出した。
また“携帯電話ビジネスのプロ中のプロ”といわれるクアルコムの松本徹三氏を引き抜くなど(10月6日の記事参照)、人材面の補強もぬかりない。
ソフトバンクの真の強みが発揮されるのは、固定と移動の連携(FMC)が現実のものとなったときだ。グループ内に固定通信で実績のあるソフトバンクテレコムやYahoo!BB、日本最大級のポータルサイトYahoo!JAPANを持ち、これらがモバイルとの連携を強めた時が、逆転のチャンスになると見る関係者も多い。2007年、どんな“突然の予想外”で驚かせ、業界を賑わすのか。孫正義社長の用意する“サプライズ”が楽しみでもあり、恐ろしくもある。
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