2006年、最も売れた端末は?2006年 総合携帯販売ランキング(2/2 ページ)

» 2007年02月23日 13時50分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
前のページへ 1|2       

MNPを軸にしたauとソフトバンクの躍進

 2006年の下半期──10月24日に始まった番号ポータビリティ制度を契機に、ソフトバンクモバイルはボーダフォンからのブランド切り替えをはじめ、大量・多色の端末投入新たな料金制度の導入など、さまざまな施策を行い、積極的に契約者流入を図った。705SHと905SHがランクインしたのは、その効果が端的に表れたと言える。

 年間総合のランクインはW41CAのみだったauも、下半期は「ウォークマンケータイ W42S」と「W43S」、2機種のソニー・エリクソン・モバイル製端末がそれぞれ7位と10位に入った。これらは2006年のau夏モデル秋冬モデルで人気を得た端末の1つで、こちらも番号ポータビリティを機に契約数が大きく躍進した結果の相乗効果と考えられる。

 なお2006年の上半期にドコモは、流通在庫が増加したため、後の調達総数を絞る在庫調整を行った。このことも、下半期に他社に販売シェアを奪われた大きな理由の1つとして挙げられる。また、2006年の冬商戦でトレンドとなった“ワンセグ”端末の投入の遅れも気になるところ。2006年冬商戦向けの主力機種「FOMA 903i」シリーズは、シャープ製の「SH903i」(2006年10月発売/ドコモ下半期6位)を筆頭に2007年2月現在も人気だが、これらにワンセグ機能はない。同日に発表されたワンセグ対応の「903iTV」シリーズや高速通信対応の「903iX HIGH-SPEED」シリーズは、例年契約者が急増する傾向のある春商戦向けとして2007年になって、ようやく発売される。

 2007年は、昨年末に「家電のように多品種少量生産体制になる」(KDDIの小野寺社長)、「来年も約50機種を投入する」(ドコモの中村社長)と両社のトップが述べたように、過去最多となった2006年並みの量の端末が登場すると予想される。すでに1月に発表された春商戦向けモデルも、ワンセグやデザイナーズ携帯、ほぼ全部入りの高機能機種、多色展開、薄型など、さまざまな特徴を持つ端末が多く登場している。

 追い上げるauやソフトバンクモバイルに対し、ワンセグ・高速通信対応端末などを含めたラインアップも拡充され、在庫調整の足かせも解消されるであろうドコモがどのような動きを見せるか。イー・モバイルなどの新規参入キャリアはどうか。インセンティブモデルやSIMロックのあり方(関連記事参照)などを含め、携帯電話のビジネスモデルに変化が生じるのか。これらが2007年の携帯市場の動向を占ううえで重要になるポイントの1つといえそうだ。


2006年 携帯販売数ランキング

 2006年総合 2006年下半期
 総合ドコモauソフトバンクウィルコム総合ドコモauソフトバンクウィルコム
1WX300K(ウィルコム)P902iW41CA705SHWX300KSH902iS(ドコモ)SH902iSウォークマンケータイ
W42S
705SHWX300K
2P902i(ドコモ)SH902iA5517T905SHWX310SAWX300K(ウィルコム)N702iDW43S905SHnico.
3SH902i(ドコモ)N702iDW41S803Tnico.N702iD(ドコモ)P902iA5521K911SHWX310SA
4W41CA(au)N902iW42SV502TWX310K705SH(ソフトバンク)SH903iW42K810SHW-ZERO3[es]
5N702iD(ドコモ)SH902iSA5518SAV604SHW-ZERO3
(WS003SH)
P902i(ドコモ)P902iSW43H705PWX310K
6N902i(ドコモ)D902iW43S911SHW-ZERO3[es]SH903i(ドコモ)N902iW41CA811SH9(nine)
7SH902iS(ドコモ)FOMAらくらくホンIIA5521K904SHH-SA3001Vウォークマンケータイ W42S(au)FOMAらくらくホンIIIW44T910SHW-ZERO3
(WS004SH)
8D902i(ドコモ)P701iDW42K804SHWX310JP902iS(ドコモ)N902iSA1406PT904SHWX310J
9FOMAらくらくホンII(ドコモ)N901iSW41SA903SHAH-J3003S905SH(ソフトバンク)SH902iW45TV502TW-ZERO3
(WS003SH)
10P701iD(ドコモ)N701iW43T810SHAH-K3001VW43S(au)F902iSW33SA II803TW-ZERO3 Premium version
(WS004SHP)

2006年、最も売れたケータイは?


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年07月27日 更新
  1. 小型スマホを使っている理由は? 選択肢のなさを嘆く声も:読者アンケート結果発表 (2024年07月26日)
  2. 「ハンディファン」「ネッククーラー」の選び方とやってはいけないこと 炎天下での利用は要注意 (2024年07月23日)
  3. IIJ×OPPO、Xiaomi、モトローラが語るスマホ戦術 おサイフケータイは「永遠の悩み」、IIJmioは「モバイル業界の宝石箱」 (2024年07月26日)
  4. 貼らない保護フィルムケース「スマハラ」、iPhone 15シリーズ向けに発売 丸洗いもOK (2024年07月26日)
  5. スマホの充電でやってはいけないこと 夏に気を付けたいNG行為は? (2024年07月26日)
  6. OPPOがFindシリーズを2024年内に国内発売へ 競合メーカー担当者の前でサプライズ告知 (2024年07月26日)
  7. 約2万円の折りたたみケータイ「Orbic JOURNEY Pro 4G」を試す シンプルで使いやすいがローカライズに課題も (2024年07月27日)
  8. 外出先から自宅のエアコンを遠隔操作、部屋を先に涼しくして“真夏の天国”を作っておく方法 (2024年07月25日)
  9. KDDIは通信障害をどのように検知してインフラを守っているのか ネットワークセンターに潜入 (2024年07月24日)
  10. 中国の“音楽特化スマホ”「MOONDROP MIAD01」を試す 重厚なサウンドに驚き、作り手のエゴを存分に感じた (2024年07月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー