ソフトバンクモバイルが5月28日、同社の旗艦店であるソフトバンク表参道で午前8時に「iPad」の販売を開始した。販売に先立ち、同社はソフトバンク表参道でiPad発売セレモニーを開催し、ソフトバンクグループ代表の孫正義氏と、ゲストとして登場した藤井リナさんと一緒にカウントダウンが行われた。
孫氏は「iPadは素晴らしいマシン。スケジュール、写真、ビデオなどいろいろな機能を試しているが、毎日の生活が変わる。iPhoneと使い方が全く一緒なので、違和感なく使える。朝から晩までiPadだ」と話し、数日前に米国で購入して“合法的に”使っているというiPadに、早くも夢中になっている様子だった。また同氏は、iPadの大きな特長として「9.7インチの大画面」を挙げ、「iPhone用に落としたアプリが全く別物に感じるほど」と驚いていた。
iPadは電子ブックリーダーとしての利用も期待される。孫氏は、iPadと既存の電子ブックリーダーの違いについて「iPadは魔法のように、あらゆるアプリをダウンロードできる。これだけのアプリを集めて独自の世界観を構築している点が決定的に違う」と力説した。
また、iPadは3GモデルとWi-Fiモデルの2タイプが用意されているが、孫氏は「個人的には3Gモデルを使いたい」という。「Wi-Fiモデルにモバイルルーターを接続して使うのも1つの方法だが、3Gモデルはバッテリーが10時間ほど持つので、(モバイルルーターの)バッテリー残量を気にせずに使える」と3Gモデルのメリットを説明。一方で、iPadの3Gユーザーが増えることで、ソフトバンクのネットワークがさらにひっ迫される恐れがある。ソフトバンクモバイルは「いろいろなコーヒーショップやレストランなどでiPadを使えるよう、無線LANスポットも普及させる」構えだ。
日本で発売されるiPadにはSIMロックがかけられており、ソフトバンク以外のSIMカードは利用できないが、孫氏は「海外のSIMカードは利用できる」ことを明かした。また、iPadのみが関連する話ではないが、孫氏は7月末に海外利用時のパケット定額サービス開始を予定していることも告知。「海外パケット定額が始まれば、わざわざ海外のSIMを差し替える必要もなくなるだろう」と見ている。
ソフトバンク表参道には7時30分の時点で218人、最終的に250人の行列ができていた。最後尾は同ショップ付近にある原宿クエストホールまで伸びており、約200人が並んだiPhone 3GSの発売時よりもやや多かった。孫氏によると、「思いのほか3Gモデルの予約が多かった」という。行列には予約済みの人と予約をしていない人が混在しており、8時の販売開始後は、予約済みの人から購入や契約の手続きを進めていた。同店では、予約をしなかった分のiPadも5月28日に入荷しているが、台数は非公表。
ソフトバンク表参道では、5月28日から3日間はiPadのみを販売する。店内にはiPadを中心に展示しており、ほかに展示していた製品はディズニー・モバイル端末のみ。まさにiPad一色という印象だった。
iPadの予約をせず、前日の27日夜からソフトバンク表参道前に並んでいた弊社のスタッフによると、ショップ前に到着した22時半の時点で100人ほどの列ができていたという。その後、始発電車が動き始めた5時ごろから、再び列が伸び始めたようだ。8時に開店してから約2時間後、同スタッフは無事にiPad(3G+Wi-Fiモデル)を入手できたが、「始発で来てから並んでも、それほど変らなかったかも……」と話していた。ちなみに、並んでいる人たちに飲食物などの差し入れを配布するサービスはなかったようだ。
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