Androidな「G'zOne IS11CA」を“ギチギチ”な航海機器に育てる:勝手に連載!「海で使うIT」(4/4 ページ)

» 2011年08月30日 09時30分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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WindFinder Pro

 WindFinder Proは、ユーザーが指定したポイントを登録して、複数の天気現況を一覧できるだけでなく、指定したポイントで5日間分(3時間おき)の天気予想を表示する。もともと、ウィンドサーファー向けに沿岸の風予報を提供する企業が提供するWebサービスで、NOAAのGFSモデルによる27キロ格子数値予報で気象予報を行っている(欧州、北米など一部の区域では12キロ格子、なぜか、エジプトは7キロ格子による数値予報に対応する)。なお、WindFinder Proは180円前後と有料だが、無料のWindFinderもある。

Wind Finderでは、ユーザーが選んだポイントの風向風速(平均と最大)など、数値予報で求めた気象予測を5日間先まで表示する(写真=左)。また、ユーザーが選んだ複数のポイントにおける現況を並べて一覧することも可能だ(写真=右)

 表示するデータはポイントによって異なるが、沿岸であれば、風向、風速(平均と最大)、波高、波方向、波周期(波に関するデータは沿岸部の一部のポイント)、天候、気温、気圧を扱う。Wind Finderは全世界をカバーするため、日本のすべての地域でデータが表示されるわけでないが、それでも、リストアップされる場所は時がたつとともに増えている。

 より細かいポイントをチェックしたいならば、Yahoo天気予報のデータを利用する「ピンポイント予報」があって、こちらは、日本のあらゆる市町村の町名まで指定できるポイントごとに天気と気温、湿度、降水確率、そして、風向風速の予報を表示するが、風向風速予報は翌日までに限られる。また、Webサービスになるが、灯台で観測された風向風速データを提供する海上保安庁の「MICS」も海上の現況を把握する場合には便利だが、こちらは、将来の予測は提供しない。

 精度に制約があるものの、できるだけ先の状況を参照したい場合、Wind Finderが提供する予報データは有効な情報源となるはずだ。

Morse coder

 洋上で出会った船同士で連絡を取り合いたいとき、たとえ携帯電話の圏内でも、相手の電話番号を知らないことにはどうしようもない。このような場合、通常は船舶間の無線通信手段として“日本以外の”全世界で普及しているVHFを使うが、日本では法的制約が厳しいほか、最近になってようやく価格が下がってきたものの、長いこと高価な製品しか購入できなかったこともあって、まだまだ普及途上の段階にある。このようなとき、有効な連絡手段となりうるのが、国際信号旗であったり手旗信号であったり、そして、モールス信号であったりする。

 モールス信号は、トン(短音)、ツー(長音)の組み合わせで文字をあらわす、昔の無線で使われていた連絡手段だ。アマチュア無線でも昔は中級資格で取得が義務付けられていたが、今となっては使う人も少なく、業務上で訓練をうけるか自発的に練習をしていないと、まず、使えない。

 Morse Coderは、英文に限られるが、リストボックスに入力したテキストを、モールス信号に変換して、画面の明滅で送信するだけでなく、相手が送る発光信号に合わせて、短音と長音のアイコンをタップすることで、相当するアルファベットを表示するデコード機能も持つ。入力した文字列からモールス信号に変換するアプリは無料、有料合わせていくつかあるが、発光信号を前提としてユーザーがタップしてアルファベットに変換するアプリは珍しい(無線で受信したモールス信号の音からアルファベットにデコードするAndroidアプリは存在する)。

 本来なら、VHFを持っていたいところだが、何らかの理由でVHFが使えない状態で、目の前の船と連絡を取りたいとき、モールス信号アプリを入れておくと、命拾いできるかもしれない。Morse Coderはネットワーク接続は必要としないため、それこそ、VHFを持たない船にとって、携帯電話が使えない海域でも使える唯一の船舶間連絡手段となるかもしれない。

 なお、同種のAndroidアプリでは、内蔵するカメラのフラッシュを利用できる「FlashMorse」がある。こちらも、入力した文字列に合わせてフラッシュの明滅でモールス信号が送信できるほか、受信した発光信号を記録することで、文字列としてアルファベットを記録できる機能を備えるなど、無料ながらMorse Coderを超える機能を有する。しかし、G'zOne IS11CAで動作の確認ができなかったため、ここでは参考情報として紹介するにとどめる。

Morse Coderでは、発光信号の長短に合わせて画面下にある「ドット」と「ハイフン」をタップすると、相当するアルファベットが表示される(写真=左)。また、メニューで表示されるリストボックスに英文を入力すると、そのつづりに合わせたモールス信号を画面の明滅で送信できる


 Android端末となったことで、ユーザーの利用目的に適したアプリケーションを導入することで、機能を特化させること容易にできるようになった。スマートフォンの普及とともに、「スマートフォンにしてなにかいいことあるの?」という疑問も聞こえるようになったが、G'zOne IS11CAのように、アプリケーションの導入でユーザーの利用目的に合わせて機能を向上できることこそが、スマートフォンのメリットを典型的に示しているといえるだろう。

 そして、スマートフォンならiPhone、iPadがあれば十分でしょう、という声に対しては、やはり、G'zOne IS11CAのように、ユーザーの目的に合わせてハードウェアを自由に選択できることが、Androidデバイスのアドバンテージだと答えてみたい。

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