「F-12C」を1週間ほど使ってみたが、レスポンスに不満を持ったことは特になかった。画面の切り替えやスクロールも思い通りに動き、ストレスなく操作できる。ちなみに「Quadrant Standard Edition」でベンチマークのスコアを調べてみたところ、今回は1496というスコアを記録した。他の端末と比べても遜色ない数値だ。
また、タッチ操作のフィードバックが、これまで経験したバイブレーションのフィードバックにはない繊細さなのが印象的。通常のタッチ操作や文字入力のときだけでなく、画面を左右にフリックして切り替えたときなどにもフィードバックがあるが、実にさりげない。個人的には、この画面切り替えの際のフィードバックが、まるでレールに乗った板がスーッと動いてカツッと止まるような感覚で心地よかった。
文字入力システムは「NX! input powered by ATOK」を採用。フリック入力も可能なテンキー入力、QWERTY入力のほか、ATOKならではのジェスチャー入力や手書き入力にも対応している。ユニークなのは、通常のキーボードを表示して入力している最中に、いきなりキーボードの上に手書き入力を始めてもそれを認識してくれる「上書き手書き入力」だ。英字が混じった文章を入力する際に、いちいちモードを切り替える必要がなく便利で、認識率も高かった。
なお、文字のフォントは、ユニバーサルデザインフォントのモリサワUD新丸ゴに設定されている。非常に見やすいフォントで実用性に問題はないが、明朝体のフォントもあれば選ぶのが楽しかったかもしれない。
F-12Cには、周囲の環境や使う人に合わせて通話時の音声を聞きやすくする「スーパーはっきりボイス3」のほか、歩いているときや走っているときなどに身体の揺れを考慮して適切な音量制御を自動で行う「ぴったりボイス」、ユーザーの年齢に合わせて高音部を調整する「あわせるボイス」機能が搭載されている。これらは、富士通製の「らくらくホン」シリーズで開発・採用された技術をフィードバックしたものだ。
はっきりボイスとあわせるボイスについては、通話中の画面でオン/オフを設定することが可能。また、あわせるボイスについては、端末の初期設定時に年齢を設定するようになっている。駅のホームで電車が入ってくるときに通話したが、特に不都合なく通話できた。
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