インタビュー
» 2011年11月02日 22時57分 公開

開発陣に聞く「Yahoo! Phone 009SH Y」:ガチガチに閉じた世界ではない――Yahoo! Phoneに込めた“世の中の最大公約数” (2/2)

[田中聡,ITmedia]
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Androidアプリはまだ出し切れていない

 アプリについては、「Yahoo!カレンダー」「Yahoo!ファイナンス 株価チェック」「Yahoo!ロコ 地図」「Yahoo!ヘッドライン」「ヤフオク」「電気予報」「Yahoo!天気情報」「Yahoo!トピックス」「Yahoo!検索」「Yahoo!辞書」「Yahoo!クリップ」「Yahoo!ロコ 路線情報」「GyaO!」をプリインストールしている。これらはいずれもAndroid マーケットで配信されているが、ダウンロードの手間を省いた形だ。Androidユーザーに人気が高いのがYahoo!ヘッドラインで、Yahoo!トピックスから知恵袋まで幅広いニュースをカバーしているほか、Yahoo!ホームと同様にキャッシュを使ってスムーズに記事を閲覧できることが特長だ。なお、Yahoo!関連のアプリは現在はiPhone向けの方が数が多く、「Androidはまだ出し切れていない」(坂本氏)という。10月3日にYahoo! JAPANアプリを配信するなど、Android向けアプリは今後も増やしていく意向だ。

 ハードウェアについては、「開発のタイミングが一致した」(菊地氏)ことから、「AQUOS PHONE THE PREMIUM 009SH」をベースモデルに採用した。「009SHは、ケータイでは一般的なおサイフケータイや赤外線通信を搭載していて、端末も安い。“機能もあってエントリー向け”なので、コンセプト的にも近いですね」と菊地氏は話す。外観のデザインはYahoo! JAPANのロゴ以外は変更していない。

これまで実施していなかった“2年間”の特典

photo 長田健二氏

 ソフトウェアだけでなく、Yahoo! JAPANの特典が受けられるのもYahoo! Phoneならではの魅力だ。まず、月額346円のYahoo!プレミアム会員費が2年間無料になる。これにより、入札制限なしのYahoo!オークションや最大50GバイトのYahoo!ボックスなどを無料で利用できる。さらに、Yahoo!ショッピングで買い物をするとたまるポイント倍率が決まる「スターランク」が、Yahoo! Phoneユーザーは2年間「ゴールド(最大10倍)」になる。ゴールドに昇格するには6カ月以内に合計5万円以上買い物をする必要があるだけに、お得な措置といえる。「スマートフォンからYahoo!ショッピングで買い物をする方も多いです。より買い物を楽しんでほしいですね」と長田氏は話す。ちなみに、2年間の特典はYahoo!IDとひも付いているので、2年以内に機種変更をしても特典が無効になることはない(IDを変更したら無効になる)。

 こうしたキャンペーンはこれまでも実施してきたが、期間を「2年間」と比較的長くしたのは今回が初めてだという。「Yahoo! JAPANはPCのポータルサイトというイメージが強いのですが、最近はスマートフォンが主戦場になってきているので、スマートフォンでもYahoo! JAPANをしっかり使ってもらえるよう頑張ります。プロダクトとマーケティングの観点からメッセージを伝えていきます」と長田氏は力を込める。

 余談だが、端末名は当初「Yahoo! Phone」にするか「Yahoo! JAPAN Phone」にするか検討したという。「日本ではYahoo! JAPANブランドなので。米国のYahoo!と調整して、Yahoo! Phoneに決まりました。Yahoo! JAPAN Phoneだと長いだろうと(笑)」

世の中の最大公約数的な情報はYahoo!に来れば一通り分かる

 今回はソフトバンクモバイル、シャープと提携したが、「反響がよければ他のキャリアやメーカーとも組んでいく」(坂本)という。同じグループ会社のソフトバンク向けのみに提供するというわけではなく、「スマートフォン初心者に分かりやすいものを提供すること」が重要だと考える。

 ディズニー・モバイルのようにMVNOとして回線を借りて端末を提供する方法もあるが、「それは考えていません。あくまでソフトとアプリを提供します」と坂本氏。「我々はユーザーを囲い込みたいわけではありません。インターネットが使えるデバイスが変わるのなら、そこに使いやすいものを提供していきたい。インターネットのNHK的なところを求められるのがYahoo!だと思っていますので」

 Yahoo!のライバル企業でもあるGoogleが提供するAndroid OSにYahoo!のサービスが内蔵されている、というのは不思議な感もあるが、Yahoo!の優位性はどこにあるのか。坂本氏は「情報のアグリゲーション(集約)」だと考える。「Yahoo!はインターネットの情報をアグリゲートすることで、PCでナンバーワンの実績を築いてきました。インターネットを使っているデバイスが変わろうとも、そのニーズは変わらないでしょう。ユーザーが(取得する情報を)カスタマイズするのではなく、世の中の最大公約数的な情報はYahoo!に来れば一通り分かる――ここがGoogleとは違うところですね」

 Yahoo!の魅力は、インターネット利用のハードルが低いこと。これはYahoo! Phoneのコンセプトにも当てはまる。本格的なスマートフォンシフトに比例して、スマートフォン初心者も増加する。この初心者にどれだけ快適に使ってもらえるかがキャリアやメーカーにとっては悩みどころだが、Yahoo! Phoneの取り組みは、1つの解だといえる。

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