NTTドコモから2月に発売予定のソニー・エリクソン製スマートフォン「Xperia NX SO-02D」は、透明素材の「Floating Prism」を採用したボディに4.3インチHD液晶、1.5GHzデュアルコアCPU、1210万画素カメラなどを搭載したハイエンドなモデルだ。短期間ながら試作機を使用する機会を得られたので、主な見どころや進化した部分などをレビューしていきたい。
Xperia NXの外観の大きな特徴が、ボディ下部に配置された透明素材「Floating Prism」だ。文字どおり透明なので、この素材越しにあるものが透けて見える。NXの“後ろにあるもの”によって、さまざまな表情を見せてくれるので、いろいろなものを重ね合わせてみると面白い。
ディスプレイ点灯時や着信時などには透明素材の中にある白色LEDが点灯し、戻る/ホーム/MENUのアイコン3つが光る。この点灯色は白1色のみ。前モデル「Xperia arc SO-01C」の反り返ったボディと同様、他のスマートフォンにはないソニエリらしさが感じられる部分だ。
Xperia NXの裏面はXperia arcのように反り返ってはいないが、中央から左右の外側にかけてカーブがかけられており、立体的な印象を受ける。ソニー・エリクソンが掲げるデザイン哲学の1つ「Human Curvature(ヒューマンカーバチャー:人間的な曲線)」が感じられる部分だ。
質感も独特だ。ソニー・エリクソンのWebサイト(外部リンク)には「しっとりとマットな質感」と説明されている。マット感は「Xperia SO-01B」のSensuous Blackや「Xperia acro」のBlackでもおなじみだが、これら2モデルにはない“艶”のようなものが感じられる。マットな素材に触れて指を滑らせるとザラザラと感じることが多いが、Xperia NXのボディに指を滑らせると、より滑らかに動く。マットでありながら、表面がツルツル、スベスベしているのだ。もちろん指紋も目立たず、「汚れが付いても拭き取ればすぐに取れるよう特殊な塗装を施している」(ソニー・エリクソン)という。個人差があるだろうが、筆者はXperia(S0-01B)やXperia arcよりも触り心地が良いと感じた。
手のフィット感についてはどうだろう。Xperia arcの裏側は弓のように大きなカーブを描いており、裏側4隅の角も削ぎ落とされている。普段手に触れるところで尖っているところがないというほどラウンド形状が徹底されている。一方、Xperia NXの裏側面の角はarcに比べるとラウンド感が少ない。握って気になるほどではないが、NXに触れてからarcを手にすると、arcの方がフィット感は高いと思われる。
本体サイズは高さがXperia arcの125ミリから128ミリに、幅はarcの63ミリから64ミリに大きくなっている。ボディ下端部から画面最上部までの距離はXperia NXの方が10ミリほど長くなっており(編集部調べ)、例えばホームキーを押してから画面上部をタップして通知バーを呼び出すなどの操作は、arcなら片手でも容易だが、NXでは持ち手の位置を変えずに行うのは難しかった。
Xperia NXでは、日本で発売された他のXperiaシリーズと異なり、ディスプレイ下のキーは物理キーではなくセンサーキーが採用されている。透明素材にキーアイコンが浮かび上がるので、ここを押してしまいがちだが、実際にキーとして動作するのは透明素材の上にある“点”の部分だ。慣れの問題と試作機のためかもしれないが、このセンサーキーの正しいポイントにタッチできず、うまく動作しないことが何度かあった。個人的には、クリック感が得られて押し間違いの少ない物理キーの方が使いやすいと思う。キー配列はXperia arcやacroなどと同じく、左から戻る/ホーム/MENU。多くのAndroidスマートフォンが左からMENU/ホーム/戻るの配列なので、できればこれに合わせてほしいが、これもソニエリらしさなのかもしれない。
また、ディスプレイ下のキーがセンサー型となったことで、スリープ時から復帰するには、上端部の電源キーを押す必要がある。arcやacroではホームキーから復帰するので指の移動量が少ないが、NXではボディが長い(縦幅がある)ので、片手だと少々辛い。電源キーを側面に備えるか、側面のカメラキーからも復帰できるといった仕様にしてほしかった。
電話の不在着信や新着メールなどを知らせてくれる通知ランプは、ディスプレイ左上に点滅する。点滅カラーやパターンを手動で変更する項目はなく、不在着信後やSMS受信後は青色、Gmailのメール受信後は緑色に点滅する。
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