NECカシオ、海外向けスマートフォンのコンセプトモデルを発表

» 2012年02月22日 23時53分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 NECカシオモバイルコミュニケーションズは、2月22日に行われた製品発表会にて、同社スマートフォンの「MEDIAS」を、タイ市場に投入することを発表した。現地の販売代理店を通じて、4月に発売される。また、各国の通信事業者に提案しているという現在開発中のグローバルモデルについても明らかにされた。

 これらは、CESで発表されたタフネスモデルと合わせて、スペイン・バルセロナで行われる「Mobile World Congress 2012」に出展する。

海外進出は慎重に再開

 NECカシオが、スマートフォンの海外進出を表明したのは、2011年10月のこと。その際、同社代表取締役社長の田村義春氏は、「2012年早々には、(採用事業者などについて)なんらかのご報告ができると思う」と述べていたが、今回、タイにMEDIASを投入することが発表された。

photophoto 海外向けのMEDIASシリーズ

 タイ向けのMEDIASは、防水仕様のMEDIAS WP N-06Cをベースにしたもの。正式な製品名や型番などはまだ未定で、タイの大手IT販売代理店であるSiS Distributionを通じて4月に発売される。タイは日本や米国のようなキャリア主導の市場ではなく、端末とモバイル回線の組み合わせが自由なオープンマーケットだ。そのためNECカシオでは、タイ国内に1000店舗以上の販売店網を持つSiSと提携し、現地の事情に沿ったマーケティングを展開する。具体的にどのオペレーターで利用できるかはまだ不明だが、「原則としてW-CDMAでサービスしているオペレーターであれば利用できる」(NECカシオ)という。

 田村氏は、「タイは高温多湿な国であり、MEDIASの防水ボディは1つのセールスポイントとして高い評価を得た。また小型で軽量な点も受けている。キャリアが主導する市場ではないので、代理店を通じて需要を見ながらの展開になる。当初は年2〜3万台程度になると思うが、需要があれば、タイの周辺国にも販路を拡大したい」と、慎重な船出であることを明かした。

 NECカシオの製品では、北米で「G'z One」シリーズが人気だ。これを足がかりに、米国や中南米の各通信事業者にもMEDIASを売り込んでいるが、まだ採用には至っていないという。同社では新たなコンセプトのグローバルマスターモデルを用意し、MEDIASとともに提案を重ねている。

photophotophoto 左から、「Best Cloud UX Device」「Large Screen in One-hand」「The most Stylish」

 今回発表されたグローバルマスターモデルは3機種。国内ではすべてモックアップの展示だったが、Mobile World Congress2012では一部の機種が動作する状態で展示されるという。いずれも、LTEと最新OSへの対応が検討されている。

 1つ目の「Best Cloud UX Device」は、クラウドサービスの利用を意識した2つ折り・2画面ボディの端末。2つ折り状態のスマートフォンスタイル、大画面のタブレットスタイル、1面をキーボードにするインプットスタイル、左右で違う画面を表示するクラウドコネクトスタイルと、4つのスタイルを使い分けられる。

 2つ目の「Large Screen in One-hand」は、その名の通り片手で持てる5インチの大画面モデル。狭額縁構造を採用し、片手サイズのボディに大画面かつ高解像度のディスプレイを実装する。そして「The most Stylish」は、MEDIASの直系ともいえるスリムでスタイリッシュなモデルだ。

構造改革で“体力作り”

 タイへのMEDIAS投入で、再び海外展開の道を歩み始めたNECカシオ。国内市場では“黒船”とも呼ばれるグローバルモデル勢の前に、シェアを落とし続けている。NECは1月下旬、2012年3月期の連結決算を下方修正し、業績予想が1000億円の赤字になると発表した。特に携帯電話事業が不調で、人員削減のリストラも発表された。

 田村氏は「スマートフォンでは検討したと思うが、フィーチャーフォンが予想以上に冷え込んだ」と振り返り、「いろんな方法論があると思うが、この業界は商品力の世界。キャリアやユーザーが『これは欲しい』と思うものを開発しないとならない」と延べた。

 リストラについては、「開発力のための体力強化を図る構造改革。リストラというと後ろ向きのイメージだが、前向きな決断」と説明した。グローバル市場で競争力を付けるため、今後はスマートフォンの製造と部品の選定、一部設計を海外のパートナー企業に移転。国内工場では、フィーチャーフォンやハイエンドモデルの製造に特化する。企画・設計は国内に残るため、国内キャリアのサービスには引き続き対応する。

 「日本の携帯電話市場はビジネスモデルが変わり、すべてを社内で手がけることが大事な価値ではなくなった。グローバルな戦いでは、コスト構造で手を抜くと競争にならない。構造改革を行って、商品力のある製品を開発する体力を付けなければならない。商品力がすべての源であり、まずは国内でシェアを取り戻したいと考えている」(田村氏)

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