「ひとめぼれの予感です。気持ちよすぎるHTC」――そんなキャッチコピーを持つのが、HTCが日本向けに開発したスマートフォンの第2弾「HTC J butterfly HTL21」だ。
auの2012年冬のスマートフォンの中では最大サイズの5インチディスプレイ、そして現行スマートフォンでは世界初と言ってもよいフルHD(1920×1080ピクセル)の液晶が圧倒的なインパクトを放っている。ディスプレイのppi(インチあたりのピクセル)は440ppiで、326ppiの「iPhone 5」や264ppiの「新しいiPad」をしのぐ。高解像度の写真や動画を見たり、ブラウジング中にテキストを読む際に、その恩恵を体感できそうだ。クアッドコアCPUを備え、au冬モデルでは唯一Android 4.1をプリインストールするなど、スペックでは頭ひとつ抜きん出ている。発表会場のタッチ&トライコーナーでは特に多くの記者が集まっており、注目度の高さがうかがえた。発売は12月中旬、「毎月割」の割引分を引いた価格は3万円台前半〜半ばの予定。
5インチディスプレイを搭載していることもあり、幅は71ミリと太いが、手にするとそれほど大柄には感じられない。もっとも、これは筆者が幅90ミリの「L-06D JOJO」を常用しているからかもしれないが……。ただ、同時発表された「GALAXY S III Progre SCL21」は4.8インチディスプレイで幅は同じ71ミリ。HTC J butterflyのディスプレイは左右端までの隙間がほとんどなく、極限まで狭額縁設計を施していることが分かる。背面から側面にかけてなだらかな傾斜がかかっており、ホールド感も良好だ。実際に使うと片手では操作しにくいこともあるだろうが、少なくとも(筆者の手では)片手で握ることは苦ではなかった。また厚さは約9.1ミリ(暫定値)と薄く、140グラム(暫定値)という数字以上に軽かった。前モデル「HTC J ISW13HT」(以下、HTC J)の142グラムよりも2グラム軽くなっていることも特筆すべき点だろう。
HTC Jで取り入れた、ディスプレイのガラス面(4隅)にカーブをかけたフォルムも健在。ディスプレイには丈夫なCorning Gorilla Glassを採用している。背面はレッドとホワイトが光沢感があり、ブラックがマットな仕上がりになっている。側面にはスピーカーのようなメッシュ状の模様があり、ブラックはこのメッシュが赤くなっている。この部分、「当初はスピーカーにしたかった」(説明員)そうだが、諸事情により見送られた(スピーカーはHTC Jと同じく背面の下にある)。穴が開いているようなデザインだが、特に放熱効果があるわけではないようだ。
本体色はHTC Jと同じくレッド、ホワイト、ブラックだが、いずれもHTC Jとは色味や塗装などが異なる。例えばレッドはHTC Jでは金色の上に赤を塗り、ラメを入れて深みのある赤を表現していたが、HTC J butterflyにはラメがなく、朱色に近いシンプルな印象。ホワイトはHTC J butterflyの方が明るい色になっている。
HTC J butterflyを手にすると、まるで1枚の薄い板を持っているような……とでも表現すればいいだろうか。ゴツくて重いイメージはほとんどなく、初代HTC Jからさらに洗練された印象を受けた。フルHD液晶の美しさとも相まって、「ひとめぼれの予感」というキャッチコピーも大げさではないと感じた。
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