筆者がiPhoneの標準アプリで愛用していたのが、電子コンパスとの連動機能だ。知らない土地に出向いた場合、道の名前や方角がよく分からないので、自分の向いている方向と地図の向きが連動してくれるのは非常にありがたい。
今回紹介するアプリの中で電子コンパスと連動した表示が可能なのは、NAVITIME、MapFan for iPhone、mapipo 6のみ。ブラウザ版のGoogle マップはほかの点ではほぼ死角がないが、電子コンパスとの連動ができない点は痛手に感じる。
対応している3つのアプリの中でも、mapipo 6は地図が回転すると、文字が表示される向きもそのまま回転するので視認性はイマイチ。使いやすさは、有料のNAVITIMEとMapFan for iPhoneに軍配が上がる。
多くのアプリがデータ通信をすることで地図情報を取得するなか、MapFan for iPhoneだけは地図データをアプリ内に収録しているので、オフライン時でも唯一使用できる。電波がつながりにくい地下鉄の車内や山道などでも気にせず閲覧できるのはありがたい。また、このアプリは東日本大震災直後に無料で配信されていたことからも分かるように、携帯電話の回線が使いにくくなる非常時にも役立ちそうだ。
iOS 6のマップでは音声でのルート案内が可能になったが、NAVITIMEとMapFan for iPhoneも音声案内に対応している。音声案内時にはバイブレーションでの通知もしてくれるので、歩きながらポケットに入れたりiPhoneを手に持っていたりすると、案内に気づきやすい。
iOS 6のマップアプリでは、メール、メッセージ、Twitter、Facebookで地図情報を共有することが可能だ。待ち合わせ場所などを知らせるのに便利なこの機能を使うなら、NAVITIMEがオススメ。メールとTwitterでの共有に対応している。現実的に考えればTwitterで共有することはあまりないので、このメール連携は重要だといえる。
ブックマーク登録は、いずれのアプリでも対応している。NAVITIMEでは自宅を登録しておくこともできるので、素早く自宅から目的地までの経路を検索できる。履歴からの検索についても今回紹介したすべてのアプリが対応しており、心配する必要はない。
地図アプリとして必要なあらゆる条件を考慮すると、NAVITIMEは有料チケットが必要でありながらもダウンロードするに値するアプリだといえるだろう。「タクシー優先」や「エレベータ優先」といった詳細な条件で絞り込める点に加え、電車の乗換の要/不要がきちんと表示されるのもうれしい。1年間フルに使い倒すのなら3000円の価値は十分にあるだろう。
「地図にお金を払うのは……」と思う人はmapipo 6を使ってみよう。Googleマップを使えることや、電子コンパスとの連動、乗換検索もできるなど、非常に高機能なアプリだといえる。だからこそ、操作性に関しては少々慣れが必要だ。しかし、普段使いするうえでは存分に恩恵に与れるはずだ。
今回紹介したアプリは地図 Yahoo!ロコ以外、すべて電車を使った乗り換え検索に対応したものばかりだが、乗り換えや徒歩ルートの検索は別のアプリでするというなら「地図マピオン」(無料)もオススメしたい。
電子コンパスとの連動には対応しないが、メールとTwitterでの共有は可能。また、最寄り駅をスピーディに表示し、指定した距離の範囲を円で表示して距離感が分かりやすいなどの利点がある。地図を「高精細」モードで表示できるのも地図マピオンならではの機能といえるだろう。
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