ソフトバンクモバイルが自信を見せる「つながりやすさ」については、決算会見でも具体例を挙げながら時間を割いて説明した。このつながりやすさの改善は、「プラチナバンド」と呼ばれる900MHz帯の割り当て以降、急速に基地局を整備したことが大きく貢献している。2012年7月の免許取得から10カ月弱しか経ていないが、基地局を2万2000局開設。孫氏は「ギネスブック並みのスピード。大雪の台風の日も、いいわけを言わずに基地局を作ってきた」とその努力を自賛した。
テレビCMなどでもアピールしている、パケット通信や音声通話の接続率も、改めてグラフで解説。ヤフーが提供する「防災速報」とAgoopの「ラーメンチェッカー」がインストールされた各社の800MHz帯もしくは900MHz帯に対応したスマートフォン計10万8000台(内訳はソフトバンク 3万6000台、NTTドコモ 3万6000台、KDDI 3万6000台を無作為に抽出)のデータを個別に分析して統計処理した「パケット通信の接続率」でソフトバンクがトップであること、スマートフォンを利用するモニター1万4100人(内訳はソフトバンク 約5700人、NTTドコモ 約4000人、KDDI 約4400人)に対し、実際に発呼して接続率を測定した結果もソフトバンクがトップだったことを示した。
孫氏は「毎日、コンスタントにあらゆる局面に置いてよりつながることが確認できた」と力説し、「ソフトバンクはつながりにくい」というイメージはもはや過去のものであると認識を示した。
多くのiPhone 5ユーザーが関心を示す“LTEエリアの差”については、ソフトバンクモバイルがKDDIを圧倒していると言わんばかりに「エリアマップ」を作成して図示。通信を始めてからダウンロード開始までの時間が0.1秒未満の通信ログをLTE相当と定義し、調査の結果を地図にプロットしてソフトバンクのLTEエリアの広さを強調した。3月21日に開始した、iPhone 5など「SoftBank 4G LTE」対応機種でイー・アクセスのLTEネットワークを併用する「ダブルLTE」は、4月初旬に山手線圏内のカバーを完了。パケット接続率が大きく改善しているとする。
決算説明会のあと、急遽開催されたSprint Nextel買収についての説明会では、米国で衛星放送サービスを展開するDish Networkが、ソフトバンクに対抗して提示したSprint買収提案に対し、ソフトバンクの提案の優位性を説明。当初の条件は変更する予定はなく、諸条件を勘案すれば依然としてソフトバンクが優位であることを強調し、買収の成功に自信を見せた。
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