KDDIが6月10日、一連のLTE通信障害の原因と対策について説明をする中で、iPhone 5やiPadで使われている2.1GHz帯の「4G LTE」おける実人口カバー率を公表した。
auのLTEサービスは、800MHz帯と1.5GHz帯をAndroid端末、2.1GHz帯をiPhone 5やiPadがサポートしている。KDDIは以前、4G LTEの実人口カバー率を「96%」と説明していたが、これに該当するのはAndroid端末のみで、iPhone 5とiPadで使われている2.1GHz帯の実人口カバー率は公表していなかった。
ところが、iPhone 5のLTEの実人口カバー率を誤記していた問題に伴い、2.1GHz帯の下り最大75Mbpsの対応エリアが14%であることを5月21日に公表した。そして今回、2.1GHz帯のLTEにて、2013年5月末時点で下り最大37.5Mbpsを含めた実人口カバー率が71%であることを公表した。下り最大75Mbpsの実人口カバー率は、3月末の14%から20%に拡大している。また、KDDIは2013年夏モデルから、2.1GHz帯の15MHz幅を使って下り最大100Mbps(今後登場するLTE Category4の端末では下り最大112.5Mbps)のサービスを順次開始しているが、こちらの実人口カバー率は5月末時点で1%以下。
2014年3月末には、下り最大37.5Mbpsを含む実人口カバー率は80%に拡大する予定。下り最大75Mbpsと112.5Mbpsのエリアは「3Gのトラフィックにもとづいて精査する」(KDDI 代表取締役社長 田中孝司氏)ため、まだ数字は出していない。Android(800MHz帯)の5月末における実人口カバー率は97%で、2014年3月末には99%となる予定。
KDDIの実人口カバー率は、全国を500メートル四方に区分したメッシュのうち、該当するメッシュに含まれる人口の、総人口に対する割合から算出している。ちなみに、同様の基準で算出しているソフトバンクモバイルのLTEサービス(SoftBank 4G LTE)の実人口カバー率は、2013年3月末に91%を達成している。
今後、総合カタログやWebサイトなどで実人口カバー率をどのように表記していくのか(対応する周波数や端末ごとに分けて表記するのかなど)は、「お客様の声を踏まえて検討したい」(KDDI)とのこと。またエリアカバー率の算出方法については、「総務省における研究会や業界団体における表示方法を検討する議論などを踏まえて対応する」(田中氏)としている。
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