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» 2013年06月22日 10時36分 公開

ドコモ、ソフトバンク、KDDI――三者三様の株主総会で見えたもの石野純也のMobile Eye(6月10日〜22日)(2/3 ページ)

[石野純也,ITmedia]

ソフトバンクは、イー・モバイル、ウィルコムとのグループ間通話定額を「やりましょう」

photo ソフトバンクの決算会見では、おなじみの「やりましょう」も飛び出した。なお、会場内での撮影が禁止されていたため、写真は5月7日の決算説明会時のもの

 大きなサプライズがあったのが、21日に開催されたソフトバンクの株主総会だ。同社の代表取締役社長兼CEO 孫正義氏は、株主の「グループ(イー・モバイルやウィルコム)間の通話を無料にすれば、他社からユーザーがもっと来るのでは」という要望に対し、Twitterでおなじみのスタイルで「やりましょう」と回答。現場にいた関係者も「初耳」とのことで、時期や詳細な料金についてはこれから検討される模様だが、3社間の無料通話が約束された。

 もっとも、すでにイー・モバイル、ウィルコムともに、他社への発信が10分間、月500回まで無料になるプランを用意している。イー・モバイルは月1400円の「通話定額オプション」、ウィルコムは月980円の「だれとでも定額」がそれにあたる。つまり、オプションへの加入は必要なものの、すでにイー・モバイルとウィルコムからの発信は無料になっているというわけだ。とすると、残る検討材料は、ソフトバンクから発信した際の料金や、オプションなしでのグループ間通話定額ということになる。

 また、孫氏はソフトバンクが買収を目指している米Sprintと、その子会社である米Clearwireを巡る、米DISHとの戦いにも進展があったと株主に報告した。DISHはSprintに買収提案を持ちかけていたが、18日に断念。代わりに、Sprintの子会社 Clearwireに株式公開買い付け(TOB)を仕掛けていた。このTOBはClearwireの取締役会の支持を取り付けていたものだが、これが撤回された。孫氏は状況を次のように説明する。

 「先ほど大きな進展があった。Clearwireの取締役会が先日、DISHの提案を支持すると表明したが、それを撤回する。Sprintとの合併に提案を切り替えると、正式にアメリカで発表された。無事に行けば、来月上旬には(Sprintの)買収が完了する。もちろん、まだ油断はできないが、形成はかなり逆転して、我々が大きく前進した」

 Clearwireは現在、2.5GHz帯でWiMAXの高速通信サービスを提供しており、これをAXGPと完全互換のTD-LTEに切り替える方針を打ち出している。このClearwireが持つ周波数帯が、ソフトバンクやSprintにとっての魅力だ。孫氏はClearwireを「電波をたくさん持っている」と評しつつ、「仮にSprintの買収がうまくいっても、別の暗雲が立ち込める」と語っている。こうした懸念が、株主総会直前にようやく払しょくできたというわけだ。Sprint買収の承認は、残すところ米連邦通信委員会(FCC)を残すのみ。ソフトバンクにとっては、リーチのかかった状態といえるだろう。

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