「決済の世界を変えていきたい」――QRコードで決済ができる「ZNAP」提供開始おサイフケータイとは競合しない

» 2014年01月25日 10時22分 公開
[田中聡,ITmedia]

 MPayMe Japanが、スマートフォン向け決済サービス「ZNAP(ズナップ)」を1月24日に開始。ダイヤモンドダイニングの協力で、ZNAPで支払いができる日本初の店舗「QRBAR」を六本木(東京都港区六本木6-1-23 ホテル アルカトーレ六本木B1)にオープンした。

photo 「ZNAP」を利用できる六本木の「QRBAR」

ZNAPとは? どうやって支払う?

 ZNAPは、スマートフォンのカメラでQRコードを読み取ることで決済ができるサービス。MPayme Limitedが開発したサービスで、海外では2013年11月にインドネシアと英国で提供を開始した。米国でも1月に提供予定で、以降は2月にイタリア、3月にスイス、4月に台湾とオーストラリア、5月にイスラエル、6月にドイツで提供する予定だ。iOSとAndroid用にアプリ(無料)が用意されており、iOS 5.0以上とAndroid 2.2以上のスマートフォンで利用できる。Blackberry7.0とWindows Phoneでも利用可能になる予定だ。

 ZNAPの支払いステップは以下の2つだ。まず、ZNAPアプリを立ち上げてQRコードを読み取ると、支払い情報を自動で認識。続いて、暗証番号を入力すれば支払いが完了する。利用開始時に電話番号や住所などの個人情報や、クレジットカード番号を登録しておけば、以降はそのクレジットカードで決済ができる。2014年内には銀行決済にも対応する予定だ。

photophotophoto ZNAPアプリを立ち上げて「ZNAP」をタップすると、カメラが起動してバーコードを読み取れる。QRBARでは、テーブルに貼られているQRコードを読み取って注文できる。「カタログ」からは店舗のメニューを確認できる
photophotophoto 注文したい料理を選択して暗証番号を入力すれば、あらかじめ登録しておいたクレジットカードで支払いができる(当日はレセプションパーティということで、全品0円だった)
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 ZNAPでは、店舗やバーチャルショッピングでの利用を想定している。店舗の場合、POSにZNAPを連動させ、レジにZNAP決済用のQRコードを提示。店員が商品のバーコードを読み取った後に、ユーザーがスマートフォンでQRコードを読み取り、暗証番号を入力すると決済が完了する。1人あたりの支払い手続きや、レジでの待ち時間が短縮されるのがメリットだ。

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photophoto レジでの支払いデモ。レジの読み取り機で商品のバーコードを読み取った後、QRコードにスマホをかざすと、支払いができる。写真のスマホではクーポンを使用している。支払いが完了したことはPOS側にも反映される
photophoto ユーザーがZNAPアプリから直接商品のバーコードを読み取り、店舗のスマートフォンで表示したQRコードを読み取れば、レジのない店舗でもスマホだけで決済が完結する

 レジのQRコードにはNFCタグを埋め込めるので、NFC対応スマートフォンの場合、スマホをQRコードにかざすだけでアプリが起動して決済ができる(支払い直前の画面が起動する)。ちなみに、QRBARのQRコードにもNFCタグが埋め込まれている。

photo NFC対応スマホなら、QRコードにかざすだけでアプリが起動する

 バーチャルショッピングでは、ポスターに表示された商品のQRコードを読み取ることで、その商品の購入手続きができる。こういったポスターを店頭に用意し、商品の購入から発送までの手続きを、アプリ上で完結することもできる。

 ほかに、Webサイトに表示されるQRコードを利用したオンライン決済、請求書に表示されるQRコードを利用した請求書払いもZNAPで行える。

 アプリ内で店舗のポイントをためたり、クーポンを受け取ったりする機能に加え、ユーザーの購入履歴から、オススメのクーポンを送付するといったサービスもあるという。ZNAP導入店には管理ツールが提供されるので、店舗側が決済情報や顧客の購買動向などをリアルタイムに把握でき、マーケティングツールとして活用できる。

photophoto アプリ上で「フォロー」した店舗のクーポンが配信され、クーポンの対象商品を購入すると、自動で適用される(写真=左)。現在配信されたクーポンの一覧を確認できる(写真=右)

 これだけの個人情報が含まれるので、スマートフォンを紛失した際のリスクが懸念されるが、ZNAPでは支払い前には必ず暗証番号を入力するので、第三者に不正利用される恐れはない。万が一紛失した際も、ZNAPに登録した情報はリセットして新たに登録できる。また、ZNAPに登録した個人情報は端末内には保存されず、ZNAPのサーバで管理される。こうしたZNAPのセキュリティは、VisaやMasterCardからPCI DSS Level 1 Service Providerの認証(クレジットカード情報と取引情報を保護するためのグローバルセキュリティ基準)を受けている。

日本市場には特別な思いを持っている――ガドッティCEO

 QRBARの一般営業に先駆け、1月22日と23日にレセプションパーティが行われた。MPayMe LimitedのグループCEOアレッサンドロ・ガドッティ氏は「ZNAP日本でのローンチが始まり、とてもワクワクした気持ちで迎えている。多くの国でローンチすることは、我々にとってもエキサイティングなことだが、特に日本に市場は、我々の今年1年間のフォーカスポイントとなるので、特別な思いを持っている。『ZNAPとはどんなサービスですか?』と聞かれることが多いが、そのときは『試してください』と答えている。ぜひ実際に触って体験してほしい。我々は"Change the world of payment"をZNAPのキャッチコピーにしているが、いろいろ煩雑なものをよりシンプルにしていくことで、世界を変えていきたいと考えている」と意気込みを語った。

photophoto MPayMe LimitedのグループCEOアレッサンドロ・ガドッティ氏(写真=左)。MPayMe JapanのCEO 酒匂隆雄氏。「百聞はワンタッチにしかず。実際にお使いいただいて、どれほど革新的なものかをお楽しみいただきたい」(写真=右)

 日本への展開を決めた理由は「日本な市場規模が大きく、所得水準も高いので、無視できない。企業側も現代的な仕組みで事業を展開している。また日本の消費者は、高い技術に関心が高く、煩雑な生活をシンプルにしたいと感じている方が多いと聞いている」とガドッティは話す。「日本は予想売上高のトップ5の中の一つに入る」と期待を寄せる。

ZNAPは単なる決済サービスではない

 モバイル決済サービスとしてはおサイフケータイ(FeliCa)との競合が考えられる。おサイフケータイならスマホをリーダーライターにタッチするだけでよいが、ZNAPではQRコードの読み取りに時間がかかる場合があり、暗証番号を入力する手間もかかる。しかしガドッティ氏はFeliCaについては「競合するとは考えていない」と言う。「ZNAPは単なる決済システムではなく、お店や企業がスムーズに事業を進めるための総合的なプラットフォームだ。クーポンの発行やホテルのチェックインもZNAPでできる。例えば英国では、クレジットカードは日本よりも多く使われているが、ZNAPの英国での業績は好調なので、クレジットカードと共存しているといえる」と同氏。つまりおサイフケータイとも共存できるという考えだ。

 専用カードリーダーで決済できる「PayPal Here」との競合については、「決済の面では競合するが、ZNAPの決済サービスは全体の10%に過ぎない。いろいろなサービスを一つのプラットフォーム上でご提供していくと考えている」とコメントした。

 MPayMe Japanは、六本木のQRBARを皮切りに、日本でも加盟店を増やしていく構えだ。日本での今後のZNAP導入については、実際に商談を進めている案件が3件あるという。ガドッティ氏は「これら3件の交渉が成立すれば、店舗数では1万件は軽く超えるだろう」と自信を見せる。

 飲食店以外の導入にも積極的だ。「ZNAPは、皆さんが生活で直面するものすべてに適応できると考えている。例えば公共料金のお支払いサービス(請求書)、飲食店、スーパー、スタジアム、スポーツイベント、航空券の購入など。英国ではスーパー、スタジアム、請求書、銀行、バー、レストランなど、さまざまな場所で使われている」(ガドッティ氏)


 ユーザーにとってはカードや現金がなくても、スマホでスムーズかつ安全に決済できること、店舗側にとってはインフラへの追加投資やセキュリティ対策などのコストを抑えられることが、ZNAPのメリットといえる。QRBARでは、ZNAPで支払いをすれば、2月28日までにドリンクを50%オフにするキャンペーンを実施しているので、六本木に立ち寄った際は、足を運んでみてはいかがだろうか。

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