ここまで紹介してきた3社に近いプランを提供しているのが、MVNOの先駆け的な存在である日本通信となる。よくいえばアグレッシブな、悪くいえばそのままコピーしたプランを用意しており、プラン名にもそれぞれの会社の頭文字が付けられている。BIGLOBE風のプランが「プランB」、IIJ風のプランが「プランI」、NTTコミュニケーションズ風のプランが「Nプラン」というわけだ。
もちろん、そっくりそのまま真似しているわけではなく、他社よりもわずかながらお得になるような工夫も見受けられる。例えば、IIJ風のプランIは、本家が月945円(税込)で500Mバイトなのに対し、日本通信は945円(税込)で600Mバイトに設定している。同様に、プランNも、本家の1日30Mバイト、月945円(税込)に対し、1日40Mバイト、月980円(税込)と10Mバイトほど多くデータを使える。プランBの月2.2Gバイトは、BIGLOBEより1カ月あたり200Mバイトほど使えるデータ量が多い。
料金 | データ量 | 通信速度(制限なし) | 通信速度(制限あり) | SMS対応費用 | データ量の追加費用 | |
---|---|---|---|---|---|---|
プランI | 945円 | 600Mバイト/月 | 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps | 下り/上り最大200Kbps | 非対応 | 315円/100Mバイト 1260円/500Mバイト |
プランN | 980円 | 40Mバイト/日 | ||||
プランB | 1580円 | 2.2Gバイト/月 | ||||
※価格はすべて税込 |
一方で、各社の特徴まで完全にコピーできているわけではない点には、注意が必要だ。例えば、プランIは月600Mバイトで、IIJとは異なり手動で通信速度を制御できるわけではない。そのため、価格帯の近いBIGLOBEのエントリープランとプランIを比較すると、どうしても割高になる。プランBについても、基準になっているのはBIGLOBEのライトSプランで、それ以外の選択肢はない。仮に月3Gバイト程度使いたいときは、「Tubrbo Charge」でデータ量を買う必要があり、その場合は500Mバイトごとに1260円(税込)と少々割高だ。
とはいえ、日本通信を選ぶメリットももちろんある。同社はMVNOとしては珍しく、音声通話に対応した格安SIMも販売している。スマートフォンを1台持ちして音声通話まで使いたいというときの、有力な選択肢になるだろう。既存回線からのMNPにも対応しているため、今までの電話番号をそのまま使うこともできる。
月額基本料 | 通話料 | データ量通信料 | 通信速度 | SMS対応費用 | |
---|---|---|---|---|---|
スマホ電話SIM フリーData | 1638円 | 21円/30秒 | 無制限/0円 | 下り/上り200Kbps(チャージ時は下り最大150Mbps/上り最大50Mbps) | 非対応 |
3Gバイト/1560円 | 下り最大150Mbps/上り最大50Mbps(3Gバイト超過後は下り/上り最大200Kbps) | ||||
※価格はすべて税込 |
ここまでMVNOの代表的な4社の料金プランを紹介してきたが、ほかにも面白い特徴を備えた格安SIMは多い。次回は、そうした会社の料金プランを取り上げていきたい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.