同質化の戦いから新しい価値の訴求へ――KDDI田中社長に聞く、2014年度の戦略(2/2 ページ)

» 2014年04月04日 10時11分 公開
[田中聡(撮影:市原達也),ITmedia]
前のページへ 1|2       

LTE-Advanced、VoLTE、au WALLETで“価値”を訴求する

photo

―― LTEや端末の差は、3社でなくなりつつあると感じています。そうした中で、KDDIとしてはどう差別化を図っていくのでしょうか。

田中氏 2014年は、いくつか価値を訴求できる技術の導入があります。1つはLTE-Advancedに向かっていくこと。もう1つは「VoLTE」が始まること。それに合わせて料金も(変えていく)。アッパーレイヤーでは、「au WALLET」を始める(→KDDI、電子マネー“カード”「au WALLET」構想を発表)。これはどんどん進化していきます。2013年度は、同質化の中でキャッシュバックなどの戦いになったけど、バリューをちゃんと訴求して、次の世代のスタートになるんじゃないかと思う。面白いんじゃないですかね。各社さん違いが出てくると思いますよ。

櫻井氏 先日小山ネットワークセンターで実施した3.5GHz帯での実証実験(→KDDI、小山ネットワークセンターで3.5GHz帯活用技術をアピール)は、見る人が見れば、かなり実用化に近いレベルの実験です。他社さんよりも、一歩先に次のネットワークに行けるだろうという自負を持っています。

 auスマートバリューは全国125社213局と、auスマートパスは全国303社1069タイトルと提携しています。これは利用者が多いというだけではなく、パートナーにとってのメリットがあります。お客さんに失礼な言い方をしてしまうと、お客さんをパートナーに送客できるということ。パートナーにとって価値がある基盤を構築できたことが、他社のサービスと違うところです。月額372円(税別)でCP(コンテンツプロバイダー)さんとレベニューシェアするので、KDDIのもうけは、実は大したことがないんです。でもお客さんが増えることで、パートナーにメリットがある。そういう基盤を整備できたと思っています。

 2014年は、基盤の上に新たな価値を加えていきます。その第1弾がau WALLETです。au WALLETは、ポイントカードと電子マネーから成るサービスですが、リアルな生活の中でメリットを作って、そこの消費活動が通信に返ってくるという還元を目指します。auスマートパスではバーチャルの世界(コンテンツプロバイダー)がパートナーですが、au WALLETではリアルな世界の人たちとも広げていきます。スマパスで作った世界をリアルな世界でも作っていこうと。(発表会で)流通規模1兆円と言っていましたけど、本音を言うと、auのもうけは大したことないんです。auスマートパスと同様、パートナーと一緒に、お客さんが使いやすい世界を広げていきたいですね。

―― VoLTEの開始時期はいつごろいなるのでしょう。

田中氏 みんなに聞かれるけど言っていない。ドコモさんが一番最初に発表されるんじゃないかな?

―― VoLTEの開始に伴い、通話料金の見直しも期待されます。

田中氏 選択肢が出る方向にいくんじゃないですかね。3G(ケータイやスマートフォン)のころは、選択肢だらけだったのでよく分からん、ということで、ソフトバンクさんがホワイトプランで音声を1本にされて、データ(パケット定額サービス)も3つくらいあった。これも(LTEになって)1本になった。シンプルな方がいいとなったけど、最近の議論で、7Gバイト制限がある中で3Gバイトしか使っていないという人もいるので、(7Gバイトと3Gバイトに)分けるべきだという話もある。でも、データ量ってどんどん上がってきていますよね。

 社内に韓国の女性がいるんですが、1カ月に(スマートフォンで)12Gバイト使っていると話している。韓国の利活用が先に行っている。

―― LTE-Advancedが導入されると、7Gバイトなどの通信制限は緩和されるのでしょうか。

田中氏 あまりそれはリンクしていないですね。料金体系がたくさんあると、みんな説明しないといけない義務があります。そうなると説明時間が長くなる面もあって、そのへんの折り合いもありますね。社内の中ではまだ検討段階、フィックスしていないですね。

―― 最後に、2014年度をどのような年にしたいか、教えてください。

田中氏 次のステージの初年度にしたい。やっと新たなテクノロジーや、au WALLETにもチャレンジできるので、これを恐れることなく推進していきたいと思っています。ガツンと行くよ。応援をよろしくお願いします。

photo
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月05日 更新
  1. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  2. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  3. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  4. ドコモがRCSで同意未取得の不備 約1万6000件に影響、対象ユーザーは利用停止に (2026年10月04日)
  5. ahamoがついに料金プランを改定。段階制へ――「40GB」が業界の新たなスタンダードになるのか (2026年10月04日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  8. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  9. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【10月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年10月04日)
  10. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー