ドコモ新料金プランで「得する人損する人」――通話とパケット通信で検証してみた現行プランとの比較で探る

» 2014年04月14日 11時45分 公開
[小林誠,ITmedia]

 4月10日にドコモの新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」が発表され、現行の料金プランから大きく変わることとなった。通話し放題の「カケホーダイプラン」が基本プランとなり、パケット通信もシェアすることを前提に考えられている。そのため新料金プランになると「得をする人」もいれば、「損をする人」も……。Xiのスマホを例に検証してみた。なお、料金はいずれも税別だ。

ドコモ、固定や他社携帯もカケホーダイになる新料金を6月開始――スマホ向けは月額2700円から

毎月の通話時間は「49分」が損益分岐点

 まずは通話用の基本プランを比較する。現行プランでは「タイプXiにねん(月743円)」か「タイプXiにねん+Xiカケ・ホーダイ」(月743円+月667円=月1410円)という人が多いだろう。基本料金に加えて通話料が30秒20円。また「Xiカケ・ホーダイ」はドコモ同士の通話だけが無料だ。

 一方の新料金プランでは「カケホーダイプラン(2年/定期契約)」となり、国内なら他社、固定問わずどんなに通話をしても無料だ。ただし月2700円は、タイプXiにねん+Xiカケ・ホーダイの月1410円よりも高い。そこで、通話時間によってどちらが得になるのかを比較した。

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 ドコモユーザーとだけで通話をし続けるのなら、タイプXiにねん+Xiカケ・ホーダイが最もお得だ。「ドコモ契約の家族や友達とだけ通話をする」という場合は、こちらの方がよい。

 しかしほとんどの人は、他社ケータイや固定電話との通話があるだろう。となると「タイプXiにねん」が、月49分までの通話なら一番安い。待受専用や通話が少ない人は現行プランのほうがいいわけだ。

 ただし現行プランには無料通話分がなく、「通話料が青天井になる」というデメリットがある。話せば話すほど通話料が高くなってしまうので長電話はできない。月49分30秒以上の通話となると、カケホーダイプランの方が圧倒的にお得だ。いくら話しても月2700円なのだから、通話が多い人は迷わずカケホーダイプランを選びたい。

 なお新料金プランでは「U25応援割」があり、25歳以下の人は基本プランが毎月500円割引なので、毎月37分以上の通話で新しい「カケホーダイプラン」が得となる。

 さらに新料金プランには、通話をしない人向けの基本プラン「データプラン」もあるが、ここでは「Xiスマホで通話をする」ことを想定しているので省く。

1人で7Gバイトたっぷり通信するなら現行プランがお得

 続いてパケット定額のプランを比較する。現行プランにはデータ量の上限が3Gバイトと7Gバイトの「Xiパケ・ホーダイ ライト」「Xiパケ・ホーダイ フラット」がある。

 新料金プランでは、パケットを一人で複数台シェアすることを想定した「データS/Mパック」と、パケットを家族でシェアすることを想定した「シェアパック10/15/20/30」がある。

 家族や契約しているスマホ、タブレットの数で最適なプランは変わるものの、1Gバイトあたりの料金、データ量超過後の料金を踏まえて比較してみよう。

パケット通信料比較表
月額 利用可能データ量 1Gバイトあたりの料金 超過後追加 超過後1Gバイトあたり
Xiパケ・ホーダイ ライト 4700円 3Gバイト 1567円 2Gバイト2500円 1250円
Xiパケ・ホーダイ フラット 5700円 7Gバイト 814円 2Gバイト2500円 1250円
データSパック 3500円 2Gバイト 1750円 1Gバイト1000円 1000円
データMパック 5000円 5Gバイト 1000円 1Gバイト1000円 1000円
シェアパック10 9500円 10Gバイト 950円 1Gバイト1000円 1000円
シェアパック15 1万2500円 15Gバイト 833円 1Gバイト1000円 1000円
シェアパック20 1万6000円 20Gバイト 800円 1Gバイト1000円 1000円
シェアパック30 2万2500円 30Gバイト 750円 1Gバイト1000円 1000円
※小数点以下四捨五入

 「1台のスマホでたっぷりパケット通信を使いたい」という場合は現行のXiパケ・ホーダイ フラットがお得だ。月5700円で7Gバイトも使えるからだ。1Gバイトあたりの料金も814円と安い。スマホで動画をたくさん見る、といった人には現行プランの方がいいのだ。

 一方、「7Gバイト以上使う」「家族でうまく使い分けができる」というのなら新料金プランの「シェアパック」も魅力だ。データ量超過後に1Gバイトごと追加できるうえ、その追加料金も現行プランより安い。

 特にシェアパック20/30になると、1Gバイトあたりの料金が800/750円とコストパフォーマンスが良い。

 一方「とにかくパケット代を抑えたい」という人には新料金プランの「データSパック」がオススメ。月3500円で2Gバイトまで、1Gバイトあたり1750円とコスパは悪いのだが、現行プランのXiパケ・ホーダイ ライトよりも毎月1200円も安くなる。ブラウザとメール、Twitterなどのアプリくらいならこれで十分だろう。

 さらに、25歳以下の人は「U25応援割」が適用され、1Gバイトのデータがプレゼントされる。

 新しいパケット定額は長期契約者が優遇されており、シェアパックでは6年以上の契約で毎月300〜2000円(シェアパック30/16年以上の契約)が割引される。データS/Mパックの場合も、11年以上か16年以上の契約で月600〜800円の割引がある。

最安の組み合わせは現行プラン、通話重視、割引次第で新プランも◎

 最後にXiスマホの基本プランとパケット定額の最安の組み合わせを比較する。現行プランではタイプXiにねんとXiパケ・ホーダイ ライト、新料金プランではカケホーダイプラン(2年/定期契約)とデータSパックの場合とした。

最安の組み合わせ
現行プラン 新料金プラン
基本プラン タイプXiにねん:743円 カケホーダイプラン(定期契約):2700円
パケット定額 Xiパケ・ホーダイ ライト:4700円 データSパック:3500円
spモード 300円 300円
合計 5743円 6500円

※初出時に、編集時の作業ミスで「現行プラン」と「新料金プラン」が逆になっていました。おわびして訂正いたします(4/14 18:16)

 通話をしなければ、タイプXiにねん+Xiパケ・ホーダイ ライトの方が安い。利用できるデータ量も3Gバイトなので、「通話は待受専用か少ない」「通信がそこそこ」という人に向いている。

 新料金プランの場合、トータルで月700円以上高くなるが、通話はし放題だ。利用できるデータ量は2Gバイトでちょっと少ないが、新料金プランは25歳以下なら+1Gバイトであり、長期契約者なら割引があるので、現行プランとの料金差は縮む。

結論:家族で契約をしていて、スマホを使う人ほど新料金プランは得

 ここまで見てきたように、必ずしも新料金プランが得になるとは限らない。特に通話が少ない(49分未満の)人には新料金プランは割高なプランになってしまう。

 一方で、通話をたくさんする人、また通信が多い人でもパケットのシェアの仕方によっては現行プランより料金を節約できる。つまり「ドコモを家族で契約していて、スマホをよく使っている人ほど新料金プランは得」といえるだろう。

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