さてさて、どうもうまく撮れないシーンの代表が逆光である。撮りたい被写体より背景の方が明るすぎるとメインの被写体が暗く写ってしまってよくない。
そこでiPhoneで撮り慣れている人は、さっと反射的に主被写体のあたりをタップする。すると指で触ったあたりにピントと露出(要するに明るさ)を合わせてくれるので、逆光でも暗くなりすぎずにちゃんと撮れるわけだ。もう反射的にやっちゃう。
さらに、被写体が明るくなりすぎてもHDRを使えばバランスよく整えてくれたりするのがありがたい。iOS 7.1ならHDR自動モードもあることだしね(HDR自動モードについてはiPhoneで桜の花びらをピシッと撮る方法の回をご覧ください)。
ここまでは「おさらい」というか、iPhoneカメラ利用時の基礎の基礎。
でも、それだけじゃあ解決しない問題ってのがあるのだ。
逆光が厄介なのは、こんなとき。
うぎゃあって感じですな。
ここには2つの問題が含まれてるのである。
ひとつは強い光源から出る光の筋問題。iPhone5からiPhone5sになってかなりレンズが改良されたけれども、光の位置関係によってはどうしても出ちゃう。もうひとつは逆光時のコントラスト低下問題。要するに全体に白っぽくなっちゃうのだ。
そもそもカメラは、こういう光に弱い。本来不必要な光が斜めからレンズに入り込んであれこれ悪さしちゃうのである。
さあどうするか。
人間、逆光でまぶしいときに手をかざすじゃないですか。麦わら帽子のつばがでかいのは陽射しを遮るためじゃないですか。
あれである。
不必要な強い光を遮ってやるのだ。
というわけで黒い板で遮ってみた。
そうすると光源が遮られるのみならず、背景が白っぽくなった感じも消えたかと思う。
まあ黒い板が写ってしまっては元も子もないわけで、「スクエア」で撮り直したのがこちら。
スッキリしてきれいな写りになったのがわかるかと思う。これ、写真の世界では「ハレ切り」という。「晴れ」じゃなくて「ハレーション」の略。ハレーションはフィルム時代の用語なのだけど、今でもそのまま使われております。まあ、余計な光をカットする小技と思っていい。
実はカメラ用品店へ行くとこんなアイテムを売ってるのだ。
強い光源が写ってないときも、ハレ切りをするのとしないのでは写りが変わってくる。
太陽が写り込んでなくても、逆光だと全体にコントラストが低くて黒いところが締まってないし、左下隅がほわっと明るくなってるし、色もなんだかイマイチでしょう。でも斜め上にある太陽からの光をちょっと遮ってやるだけで、緑が鮮やかな色になり、暗部がぎゅっと締まってくれるのだ。
もちろん、光を遮ることができればいいので、カメラ店へ走る必要なんかないのである。iPhoneのレンズは小さいので、実は財布に入ってる適当なカードでいいのだ。
こういう誰でも持っているものでよし。
慣れてきたら、片手でiPhoneを持ち、もう片方の手で画面を見ながらカードなりなんなりをかざしてやるだけでいいのである。手をかざすひともいるけど、手はけっこう凸凹してるし指の隙間から光が入ったりもするので、カード類の方が簡単です。
どの方向からの光を遮ればいいかは、レンズと光源の位置関係によるので一番いい方向を探してカードをかざすのがいい。
お手軽単純な割に有用度は高いので、行楽先で写真をばしばし撮りたい方はぜひお試しを。なおちゃんとしたデジカメで撮る時は、カードだと小さすぎるのでそれなりの大きさのものをご用意ください。
今回のネタは晴れてないとおいしくないので、GWが全国的に荒天に、じゃない、好天にめぐまれますように。
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