なんだかこの連載も1年間続いたようで(編:2013年2月からです)、読んでくださっているみなさまありがとうございます。にしても、寒いですな。で、今回は写真を合成して遊ぶのである。寒いので。
iPhone用の写真合成アプリというとフォトコラージュ的な、複数の写真をペタペタと貼り付けて作品を作るようなものはたくさんあるけれども、本格的に複数の写真を合成してみるのだ。
いくつか見つけたが、よさげだったのが、「PhotoLayers」と「PhotoCut」の2つ。似たアプリなのだが、ここではより解像度の高い写真を出力できるPhotoCutに登場願うことにした。
写真合成、つまりは背景写真にいくつもの前景写真を重ねて1枚の画像を作るアプリと思っていい。アニメのセル画を思い起こしてもらえるとわかりやすい(と思うんだがどうだろう)。背景の絵が1枚あり、それに透明なセル(この世界ではレイヤーと呼ぶのだが)を重ねて、セルに絵を描き、それをまとめて1枚の画像にするわけだ。
PhotoCutもPhotoLayersもその他のアプリも同じように、背景画像を1枚セットし、そこに重ねたい画像レイヤーを追加していく。で、重ねたい部分以外を消して透明にしてやればOK。
まあ画像であれば写真じゃなくてもいいんだけど、iPhoneカメラ講座なので写真を使うのである。
背景にするのは、先日撮影した池に落ちる夕日。よく見ると夕日が池に反射して、水中からぶくぶくと水が湧いてるとこに重なってる。ここを使うのだ。ちょうどいい具合に池があったもんである。
次はレイヤーをタップしてここに重ねる写真を選ぶ。
同じような感じで決定。
さっきの写真が重なった。この段階ではまだ重なっただけである。
ここからが本番。
追加したレイヤーをタップすると自由に動かせるが、まずは追加した写真の背景(青い部分ね)を消して招き猫だけにしたい。レイヤーをタップして合成用のメニューを出し、そこから「切り取り」を選ぶ。
切取りの方法はいくつかあるが、背景が単色の時は「自動削除」機能が便利。ひとつの色を選ぶと、同系色だけを自動的に消してくれる機能なのだ。一気にさくっと消したいので「影響範囲」を広めにして「自動削除」を実行すると、上のような感じにできる。
「切取り」が一番面倒くさいところなんだけど、大事なポイント。
で、池に合成するのだから、下半身はちょっと水に隠れてる感じにしたい。そこで「消しゴム」を使ってちょいと消してやる。消しすぎたら「修復」で戻したり、アンドゥ機能を使う。
終わったら完了をタップ。最初に読み込んだ背景画像と重なるので、大きさや位置や角度をドラッグで調整する。さらに、「スムース/透かし」を使ってほんの少しだけ周辺をぼかして馴染ませといい。
これでできあがり。ほんとは下半身部分を背景ともうちょっとうまく馴染ませたいところなのだが、まあこんなもんです。
あとは保存したり何なりすればOK。レイヤーは10個(モードによる。最高解像度モードだと5個になる)まで追加できるのでその気になればもうちょっと凝ったこともできる。
さてさて、これで合成して遊ぶときにキモになるのは、やはりレイヤー処理である。前景画像から必要な箇所だけ切り取る作業である。もし合成用に用意するのなら、単色の壁か何かの前で撮るのがいい。人物を撮るときに暗い色だと髪の毛と同化しちゃうので、なるべく被写体と背景の色がかぶらないようにすると簡単。
で、こんな風に合成出来た。ちなみに背景は昔デジカメで撮ったデンマークの写真。たまたまiPhoneに入ってたので使ってみた。
せっかくだからもう1枚重ねてみる。なんか面白い写真はないかなと、自分のiPhoneを探ったら、大仏の写真が出てきた。これにしよう。
こういう普通の写真から背景を抜くには「フリーハンド」機能が簡単。メインの被写体にかぶらないよう、ちょっと外側を指でなぞってやる。
うーむ。どう考えても大仏が浮いてるな。当たり前か。
よし、後ろの塔と大仏を合体させちゃえ。というわけで、塔と大仏の位置と形と角度を合わせ、大仏がはみでたところは削って透明度を下げてみた。
このように複数のレイヤーを重ねたときは、レイヤーメニューからレイヤーの上下関係を変更したり、間違っていじっちゃわないようロックしたりも可能だ。レイヤーの上下関係は大事。レイヤーが増えてもレイヤーリストで管理できる。
で、完成。
とまあ、iPhoneだけでもその気になればこのくらいできるのだ、って話でした。みなさまもぜひ面白いネタを思いついたらやってみてください。
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