今回から少し、iPhone 5sの話をする。iPhone 5cやiPhone 5以前のユーザーの方すみません。
やっぱり新製品が出たからには、カメラ機能がどのくらい変わったか、新機能の使い方はどうか、って話をせねばなりますまい、ってことで、ざっくりまとめる。撮像素子がどうとかレンズの明るさがどうとかいう技術的な話はその辺のレビューを読んでいただくとして、この連載ではもっと大雑把に行くのである。
カメラ性能が全般的に高性能となった。具体的には以下の4点。
まあざっくりいえば、失敗が減ったという感じ。
実際、室内なんかで撮ってて「あ、手ブレしちゃったかな」というシーンでも大丈夫なことが多くなった。実感として、iPhone 5より手ブレしづらくなっております。
具体的には、シャッターボタンを長押しすると自動的に連写機能がオンになり(バーストモードという)、タタタタタッと秒10枚のスピードでいくらでも撮れる。いくらでも……ってのはいいすぎで、わたしは100枚ちょっとまでしかテストしてないけど、999枚は連写できるらしい。
じつはこれすごいことで、秒30枚で撮れますってスマホがあってもよく見ると、画像サイズが2Mくらいに固定されてたり、2〜3秒しか連写できなかったりするのが普通なのだけど、iPhone 5sは秒10枚に抑えた代わりに、フルサイズ(つまり8Mサイズ)で延々と撮り続けられるのだ。
スローモーションモードにすると、720pのHD動画で秒120枚の動画を録れる。一般にHD動画って、フルHDと呼ばれる「1920×1080」ピクセルサイズの動画と、単にHDと呼ぶことが多い「1280×720」ピクセルの動画があって、iPhone 5sで普通に動画を録るとフルHD、スローモーション動画だとHDサイズになる。
秒120枚というのは、一般的な動画は秒30枚のスピードで録るのでその4倍。4倍の速さで録ったものを通常の速度で再生すると、1/4のスローモーションになるという話。
これは面白い。
で、まずは高速連写機能から。バーストモードというんだけど、「高速連写」といった方がわかりやすいのでそういうことで。
iOS6までのカメラ機能は、シャッターボタンを押して、離した瞬間に撮影できた。だから……わたしもそのひとりだけど……タイミング良く撮る時はシャッターボタンを押したままにしてタイミングを見計らえ、と解説されてたわけだが、iOS7でそれが変わったのだ。
あれこれ調べてみたところ、「指を離したときに撮影する」という撮影タイミング自体は変わってない。今でも1枚だけ撮るときはそうだ。
ただ、一定時間以上押したままにすると、iOS7が「あ、この人は連写しようとしてるな」と判断して、連写をはじめるのである。それはどのくらいか、ストップウォッチの画面を撮りながらあれこれ試してみたのだ。
そしたら、どうも、0.5秒くらいなら連写にならない。だからほんのちょっとタイミングを計るくらいなら問題ない。長く押したらやばい、と神経質にならなくてもOKな感じ。逆に、押しっぱなしにして撮った写真を見たところ、1枚目は0.3秒目に撮影されてた。
その辺は多分、連写かどうか判断する前にいろいろiPhone内でややこしいことをしてるのである。内部的には0.3秒目くらいから撮影ははじまってるけど、速めに指を離したら、最初の離した瞬間の1枚だけしか記録しないけど、押し続けたら全部記録する、みたいな感じで。
えっと理屈はどうでもいいか。
要するに、シャッターボタンを押す時間が0.5秒くらいなら従来通り「指を離した瞬間に撮影される」けど、1秒押してると連写がはじまるのは確かっぽいという感じ。まあその辺は感覚的に使ってOKな範囲だと思うので気にしなくていい。
長押しして連写してるときはこんな画面になる。
この数字が表示されたら「あ、連写してるな」と思えばいい。
連写なんかいらなかったと思ったらすぐ指を離せばいいし、もうちょっといいタイミングを、と思ったら押し続ければOKである。
連写した写真は再生時にどうなるか。連写した中からiOS7が勝手に選んだ1枚目だけが表示される。写真が重なったようなアイコンになってるからすぐ分かる。
実は大量の写真を撮っているのだが、「写真」アプリからは、そのうち1枚しか見えない。おかげで、似たような写真がずらーっと並んで何がなんだか分からないという自体が避けられる。で、見たい写真をタップすると、こんな画面になる。「よく使う項目を選択」とあるのが違い。
この「よく使う項目を選択」をタップすると、下に小さなサムネイルがずらっと並び、上に大きな写真が並ぶ。連写した中から、気に入った写真を選ぶ画面に切り替わるのだ。
ここで、気に入った写真をタップしてチェックをいれていくのである。そして「完了」をタップすると、カメラロールに「選択した」写真が表示される。
大事なのは「他のアプリからは選択した写真しか見られない」ということ。連写した中から気に入ったものを他のアプリで編集して使いたいというときは、先に写真アプリで選んでおく必要があるのだ。
で、この選択画面がなかなか楽しい。何しろ秒10枚である。連続して表示すれば動いてみえるレベルである。よって何10枚も連写したときは、ミニサムネイルをフリックしてみると楽しい。絵が動いて見えます。
で、これがよさそうと思ったらそいつを選択して最後に「完了」をタップすると無事、その写真が抽出できました、と。
連写って「動き」を撮りたいときに使うものか、というと、実はそればかりじゃない。
例えば上の猫の写真、実はコレ、何10枚も連写した中で、唯一「空中で顔がぶれないで撮れてる写真」なのだ。その1枚のために、70枚ほど連写したのである。
動物でも遊んでいる子どもでも、あるいは風が吹いている時の花でも、相手が静止してないときは常に「被写体ブレ」の危険がつきまという。手ブレがなくても、被写体が動いてればブレて写るのは道理ってもんだ。
こんな風に。
だがしかし、ケヅメリクガメと一緒に動きながら連写しておけば、中にはこのように、ほぼ静止したキリッとした顔の写真がまじってるかもしれないのである。
このように、一発勝負では難しい一瞬を撮るのに向いてるのだ。
友だちを撮る時も、連写しておけば油断した表情がまじってるかもしれないのでぜひお試しを。
とはいえ、せっかく高速に動いてるものを連写したんだから、その連写な感じを写真で見せたいよね、ってことも当然あるわけで、そんなときは、アプリの出番。わたしが使ったのはPicFrame(AppStore)というアプリ。複数の写真をフレームにおさめて1枚にするアプリなのだ。
使い方は簡単。まず起動し、レイアウトと縦横比を選ぶ。今回はシンプルに動きを4コマで見せたかったので9:16(つまり縦長)で縦四分割にしてみた。
そして完成。
こんな風にフレームアプリを使えば連写写真をより楽しめるのでぜひ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.