横並びという点は、ソフトバンクも同じだ。基本使用料は通話定額込みで2700円。データパックは2Gバイト、5Gバイト、10Gバイト、15Gバイト、20Gバイト、30Gバイトの6種類が用意されており、ドコモと同様、家族で契約して1つのデータ量をシェアすることが可能だ。その際は、月額500円の「家族データシェア」を利用する必要がある。
一方で、KDDIの田中氏が指摘したように、家族でのデータシェアは個々人が均等にデータを使えるのかという問題が残る。ソフトバンクの新料金プランはこうした点にも配慮されており、家族で2回線以上契約するとデータパックに割引が適用される「家族おトク割」もある。この場合、家族間でデータ量はシェアされないので、1人1人が適切な量を選べる。
割引額は5Gバイトで324円、10Gバイトで1080円、15Gバイトで1620円、20Gバイトで2160円だ。ただし例外もあり、家族の合計が10Gバイトに満たない場合(3人で契約して2人が2Gバイト、1人が5Gバイトのようなとき)には、割引が適用されない。また、家族データシェアや25歳以下の割引特典である「U25ボーナス」の併用もできない。
ドコモの新料金プランを完全にコピーしたように見えるが、データパックの使い勝手を細かく改善しているのはソフトバンクならでは。いつの間にか家族の誰かがデータを使い切っている恐れのあるシェアと同様、毎月どの程度余るかをきちんと考え、残量を想定しながらデータ量を分け合うKDDIのデータギフトも、現実的にはシチュエーションが想像しにくい。ソフトバンクの割引が、地味ながら最も理にかなっているといえるだろう。
また、データパックの料金については、キャンペーンでKDDIに追随した。7月1日に「スマ放題『10Gバイトがおトクキャンペーン』」を発表、8月1日から10Gバイトのデータパックが9500円から8000円に値下げされる。キャンペーンという形だが、終了期間が設定されていない上に、自動適用でこの料金プランが続く限り永続的に8000円となるため、事実上の値下げと考えてよさそうだ。
ソフトバンクは余ったデータ量を、翌月に繰り越すことも可能だ。ただし、繰り越したデータは翌月、その月のデータを使い切った後に消費される。つまり、もともと5Gバイトの契約になっていた人は、4Gバイト使えば1Gバイト余るが、その翌月は5Gバイト使った後でしか1Gバイト使えないということになる。毎月データ量がギリギリ収まるかやや超えてしまう人にはよさそうだが、大幅にデータ量が変動するようなら、繰り越しに頼らず素直にプランを変更した方がいいのかもしれない。
このように、各社ともデータパックの料金や、シェアの仕方などで差をつけてきた格好だが、大枠での仕組みはほぼ同じだ。料金も基本料2700円に、データパックをつけるという点ではさほど変わらない。現時点ではKDDIがauスマートバリューを使える分、固定通信とセットで契約すればほかより安くなる可能性はあるが、通話が少なく現行のプランで収まっている人が無理に新料金プランに変える必要はないだろう。
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