こうした中、一足先にドコモのLTE-Advancedを体感できる(可能性の高い)端末が12月に登場する。Huaweiの「Ascend Mate7」だ。Ascend Mate7は、Huaweiのフラッグシップモデルとして、ドイツ・ベルリンで開催されたIFAで発表されたファブレット。6型のディスプレイを搭載し、背面に指紋センサーを備えた高機能端末だ。
6型ながら、ベゼルは2.9ミリに抑えられており、「筐体全体に6型のディスプレイが広がる。そういった感覚を与える端末」(ファーウェイ・ジャパン 端末統括本部 プロダクトセンター 商品企画部長の吉本晃氏)になっている。背面には金属素材を採用。カーブしており、手にフィットするデザインに仕上がっている。
ネットワークは、LTEのCategory6をサポート。これは、「弊社で投資したHiSilicon社が業界初でCategory6をサポートした」(吉本氏)ためで、通信機器ベンダーとしてもシェアの高いHuawei端末ならではの優位点といえるだろう。
実際、サポートするLTEの周波数帯も非常に広く、2GHz帯、1.9GHz帯、1.8GHz帯、AWS(1.7/2.1GHz帯)、850MHz帯、2.6GHz帯、900MHz帯、800MHz帯(Band19)、800MHz帯(Band20)、2.3〜2.4GHz帯の10バンドに対応する。SIMロックフリー端末として投入されるが、ドコモとソフトバンクなら、ドコモの1.5GHz帯を除くすべての周波数帯でLTEが利用できるというわけだ。
キャリアアグリゲーションにも対応しており、Huawei関係者によると「1.8GHz帯と800MHz帯で利用できる」とのこと。先に述べたように、ドコモは東名阪限定で1.7GHz(1.8GHz帯)と800MHz帯のキャリアアグリゲーションを開始する予定だ。ネットワーク側の準備が整った段階で、Ascend Mate7もこれを利用できるようになる可能性は高い。
もちろん、SIMロックフリー端末のため、キャリアの保障は受けられない。何らかの事情でネットワークに接続できない恐れもあるため、動作検証を待ってから購入した方がいいだろう。
Huaweiの発表を取材し、改めてドコモのラインアップを振り返ると、やはりネットワークサービスと端末の歩調が合っていなかったところが非常に残念だ。Ascend Mate7がメーカーからSIMロックフリー端末として、ネットワークが対応するより先に発売されてしまうところにも、時代の流れを感じる。とはいえ、ネットワークを進化させることができ、それに合った端末を提供できるのはキャリアの大きな強みだ。グローバルメーカーの端末が勢いを増し、大手キャリアで扱う端末が均一化する中、差別化の武器となるはずのネットワークに端末が対応していないのは、ややちぐはぐな印象を受けた。
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