SIMロック解除コードが発行されたら、対象の端末で、ロック解除操作をする。今回解除するARROWS NX F-04Gを含め、Android端末のロック解除手順はほぼ共通で、以下の通りとなる。
上記手順において、注意したいことが2つある。1つは、用意すべき「他社のSIMカード」である。ここでいう「他社」は「ドコモ以外のSIM発行者」のことで、KDDI(au)、ソフトバンク、Y!mobile、あるいは海外の携帯電話事業者を指す。ドコモ回線を使うMVNO(仮想移動体通信事業者)のSIMカードは、ドコモが発行者となるため、SIMロック解除には利用できない。SIMロック解除をするときは、「ドコモと全く関係のないSIMカード」を用意しておくようにしたい。
事業者 | 発行主体 | 利用可否 |
---|---|---|
au(au ICカード) | au | ○ |
ソフトバンク(USIMカード) | ソフトバンク | ○ |
Y!mobile(USIMカード) | ソフトバンク | ○ |
海外事業者のSIMカード | 海外事業者 | ○ |
ドコモ回線を使う MVNOのSIMカード |
NTTドコモ | × |
au回線を使う MVNOのSIMカード |
au | ○ |
ソフトバンク回線を使う MVNOのSIMカード |
ソフトバンク | ○ |
もう1つは、「『SIMネットワークのロック解除PIN』の入力画面」だ。ここで入力すべきなのは、手続き完了メールまたは手続き完了画面に出ている「SIMロック解除コード」なのだが、「PIN」という文字につられて、SIMカードに設定されたPINコードやPINロック解除コード(PUKコード)などを入力してしまうことのないようにしたい。3回連続して間違えると、簡易ロックがかかる。この場合、本体を再起動すれば、再度入力できるようになるが、10回連続して間違えると全ての通信機能にロックをかけられてしまう。設定方法を熟読していれば、ここまで連続して間違えることはないと思うが、気を付けておきたい。
SIMロック解除に成功すると、まず、挿したSIMカードのオペレーター(事業者)が表示される。APN(アクセスポイント名 : データ通信をする際の接続先情報)を設定し、データ通信できるようになると、ネットワークオペレーターも表示される。ARROWS NX F-04Gでは、端末設定内にある「端末情報」でもSIMロック解除状況を確認することができるようになっている。
ドコモでは、2015年5月以前の端末でも、iPhone・iPad以外はSIMロック解除に応じている。ただし、ロック解除のためにドコモショップに出向く必要がある上、3000円の手数料もかかる。
それに対して、2015年5月以降の端末では、機種購入(あるいは前回のSIMロック解除手続き)から6カ月待てば、無料でSIMロック解除ができる。今まで、ショップ店員がロック解除操作をする様を指をくわえて見ていた筆者としては、店員と同じことを自分の手でできる喜びもあり、ロック解除に成功した瞬間、執務室で「やったー!!」と叫んでしまったのは公然の秘密である。
ともあれ、SIMロック解除をすることのメリットの1つとして、海外旅行・出張中に、より安価な海外のプリペイドSIMカードを使えることがある。もしも、頻繁に海外に行くことがあるなら、SIMロック解除手続きを積極的に使うと良いだろう。積極的に使おうとすると、期間の壁があるのは難点だが……。
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