MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供するドコモ回線の「格安SIM」って、フィーチャーフォン(ケータイ)でも使えますか?
通話とSMSはできます。spモードケータイなら、データ通信もできますが、3G端末に対応したSIMが必要です。
(ITmedia Mobile編集部 井上)
MVNOの通信サービスは、スマートフォン・タブレット、あるいはモバイルWi-Fi(無線LAN)ルーターで使うことを前提としているものがほとんどです。各MVNOの「端末動作確認」ページを見ても、フィーチャーフォン(「ケータイ」あるいは「ガラケー」とも呼ばれます)は 対応機種の一覧には書かれていません。
MVNOのSIMカードでフィーチャーフォンは使えるのか? これは誰もが持ちうる疑問です。NTTドコモのフィーチャーフォンをドコモ回線を利用するMVNOサービス(もちろん音声通話あり)を使う前提で筆者が調べたところ……。
これらのことが分かりました。詳細は以下の通りです。
音声通話とSMSについては、携帯電話として基本的な機能です。そのため、フィーチャーフォンでも特に設定をすることなく利用可能です。ドコモ回線のMVNOサービスでドコモのフィーチャーフォンを使う場合、SIMロックを解除する必要もありません。
iモードは、ドコモの中ではISP(インターネット接続サービス)の1つです。そのため、iモードケータイでもAPN(Access Point Name:接続先を特定するための情報)を手動で追加できるようになっています。過去には、この機能を使った他社のサービスもありました(参考記事)。
ここにMVNOのAPNを入力すれば、iモードブラウザでのWebブラウズができる――と思い、「F-07F」と「楽天モバイル」の通話SIMで試してみましたが、接続できずに終わりました。iモードの接続設定では、ユーザーID・パスワード・認証タイプを選択できないので、仕方ないかもしれません……。
では、ユーザーID・パスワード・認証タイプも設定できる「アクセスポイントモード」(スマホ時代の今なら「Wi-Fiテザリング」と呼ばれる機能)ならつながるのではないか、と思い設定しました。
すると……つながりませんでした。アクセスポイントモードでは、ドコモの「mopera U」だけではなく、FOMA(3G)に対応した他ISPでも接続できたので、ちょっと期待していたのですが……。もしかすると、アクセスポイントモードを有効にするためにiモード通信が必要、というところが引っかかっているのかもしれません。
こうなったら、ということでF-07F自身をBluetoothモデムに仕立て上げ、PCからダイアルアップして接続――することもできませんでした。どうやら、MVNOのSIMカードをiモードケータイで使った場合、どんな手段を使ってもデータ通信はできないようです。
最近は、「ARROWSケータイ F-05G」や「AQUOSケータイ SH-06G」のように、Androidを使っているフィーチャーフォンも出てきました。
これらの機種では、モバイル接続設定がAndroidスマホ・タブレットと同仕様となっています。そのため、各MVNOが公開しているAPN情報を追加すればデータ通信ができます。ただし、「ドコモメール」など、spモードのネットワークに依存している機能は使えません。
なお、F-05GとSH-06GはFOMA(3G)端末なので、3G端末でも接続できるMVNOサービスのSIMカードが必要です。MVNOサービスの中には、LTE端末でしか接続できないものもありますので要注意です。
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