Z380KLのバッテリー容量は4000mAhと、スマホより多めだ。満充電からの駆動時間は、公称値でWi-Fi接続時が約10.5時間、モバイル通信時が約10.25時間となっている。実際に使ってみると、ほぼその通りの駆動時間で、画面のスリープが長いとより長持ちする傾向にあった。電車で片道1〜2時間通勤している間に使う、という用途であれば余裕をもって対応できる。
ただ、これを持ち歩いて営業先を転々としながらプレゼンテーションに使うとなると、若干心もとないことも事実だ。その場合、市販のモバイルバッテリーを使って充電するのもいいが、オプション品のカバー型予備バッテリー「ZenPad 8.0 Power Case」を使うと、本体と一体化できていいだろう。容量は4330mAhで、最大で6時間駆動時間を延長できる。価格は6000円(税別)前後だ。
Power Caseは、Z380KLのカバーの代わりに装着する。本体への給電は、本体背面のポゴピン形式のUSB端子から行う。Power Caseの充電は、本体のMicro USB端子を介して装着した状態で行えるほか、取り外した状態でもPower Case同梱のドングルを使って行うこともできる。
ちなみに、本体背面のポゴピン形式のUSB端子は「ZenPad 8.0 Audio Cover」(税別で1万1000円前後)でも使う。このカバーには5つのスピーカーとサブウーファーが付いており、本体カバーの代わりに取り付けると「DTS-HD Premium Sound」によるサラウンド再生が可能となる。ただし、Power Caseとは排他使用となるので注意しよう。
手頃な価格でLTE通信可能、そして音声通話にも対応しているZenPad 8.0 Z380KL。率直なところ、レビューのために手にした当初は「一体誰のためのタブレットなんだろう?」という疑問がぬぐえなかった。
だが、実際に使ってみると、Z380KLのターゲットがだんだんと見えてきた。「タブレットを使ってみたい。でも、それとは別にケータイやスマホを持つと、維持費が高いし、かさばるしなぁ……」という人向けのタブレットなのではないだろうか。このサイズ感、そして音声通話対応も、こういうペルソナ(想定人物像)なら納得が行く。
Z380KLはいわゆる「上級者」向けのタブレットではない。そのことは、ASUS Launcherに「簡単モード」が備わっていることからも分かる。文字入力システムに変換の正確さに定評のある「ATOK(ATOK for ASUS)」を搭載していることも、後から文字入力用アプリを入れることを“知らない”人のことを考えた結果なのだろう。
ただ、上級者以外のユーザー層を狙ったタブレットであるならば、困ったときに参照するであろう「ASUSサポート」アプリはもう少し頑張ってほしかった。というのも、アプリ自体は日本語表示できるのに、取得できる情報が事実上英語で書かれたものしかないのだ。英語が読めるなら何とかなるかもしれないが、読めない人もいる。日本語の情報を少しでも充実させてほしいところである。
ともあれ、「ライトな1台持ち」には間違いなく良い選択肢のひとつだ。「格安スマホ」を検討していて、タブレットにも興味のある人は、Z380KLもぜひ選択肢に入れてみてほしい。
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